シャープ製PDA「ザウルス(Zaurus)」
液晶ペンコム『ザウルス』
93年に登場した8ビットCPU&モノクロ液晶の「PIシリーズ」、32ビットCPU&カラー液晶の「MIシリーズ」、Linux搭載の「SLシリーズ」が登場しました。
ただし、各シリーズに互換性はありませんでした。
懐かしい「ザウルス(Zaurus)」、実際に使っていた人も多いのではないでしょうか。
ここでは初代ザウルス「PIシリーズ」と、ザウルスの名を知らしめた「MIシリーズ」を振り返っていきます。
最後に「SLシリーズ」の歴史についても簡単に記載しています。
「ザウルス(Zaurus)」PIシリーズ
初代ザウルス「PI-3000」
すべてタッチパネル付き反射型モノクロ液晶ディスプレイが採用されている。フロントライトは付属しない。
CPUはポケコンにも用いられたシャープ独自の8ビットプロセッサと、手書き文字認識用にZ80を使用している。Z80はタッチパネル制御と手書き文字認識のみを行い、これを区別することで全体の反応速度を向上させている。
ハードキーはなく、すべてスタイラス(ペン)によって画面に直接入力するか、表示領域外に配置されたショートカットキーを押すことで操作を行えるようになっている。手書き文字認識を採用しており、画面内の決められた枠内(画面下部の四つの枠)に文字や記号を書き込むことで入力を行える。かなを書き込んだ後に漢字変換を行うこともできる。
また、ソフトウェアキーボードを使うこともできる。手書きメモやインクワープロなど、画面内の任意の領域に書いた軌跡をそのまま保存するアプリケーションも付属している。
外部機器とのデータのやり取りには、オプションポート4(主に同社の電子手帳)、オプションポート15(パソコンや携帯電話など)、光通信(赤外線通信)を用いる。光通信はASKのみであり、IrDAなど他の通信方式には対応していない。
同社の電子手帳用に開発されたICカードの一部を使うことができる(PI-7000を除く)。SRAMカードなどを用いることで他の機器とデータを共有できる。
アナログ電話回線に接続できるFAXモデムも使用可能である。PI-3000/4000シリーズはFAX通信のみ、PI-5000以降はデータ通信も可能。通信速度はデータ通信時2,400bps、FAX通信時9,600bps。PI-8000のみデータ通信時9,600bps、FAX通信時14.4kbps。別売りのPIAFSアダプタ使用の場合は32kbps。
電源は単4乾電池2本、バックアップ用にCR-2025 1個。
PI-3000
PI-4000/4000FX
PI-5000/5000FX/5000DA
PI-4500
PI-6000/6000FX/6000DA
PI-7000
PI-6500
PI-8000
PI-6600
「ザウルス(Zaurus)」MIシリーズ
初代カラーザウルス「MI-10」
MIシリーズ半ばで登場したMI-E1はそれまでのビジネスマン御用達マシン路線を改め、縦型ボディにフロントライト付き反射型カラー液晶・SD/CFデュアルスロット・キーボード内蔵・マルチメディア対応(MP3/MPEG4再生)と、現在高機能なPDAの標準的なスタイルとなったフォームファクタをはじめて実現した革新的なモデルだった。
恐竜を背中に背負った人々が街中でZaurusを操りエンターテイメントする印象的なTV-CMにより話題となり、PDAに縁のなかった人々をも「Zaurusの虜」とした。
その後、MI-L1、MI-E21、MI-E25DCと進化したが、Linux搭載ZaurusであるSL-A300の登場をもってMIシリーズの新機種発売にピリオドが打たれた。