「21エモン」とは?

「21エモン」のあらすじ

舞台は2051年の東京。地球は異星との交流が進み、多くの惑星から観光客が訪れる「宇宙観光時代」に突入していました。ホテル「つづれ屋」の一人息子・つづれ屋21エモンは宇宙旅行という夢を叶えるためある日の早朝に家出して密航を企てますが、お手伝いロボットのゴンスケに邪魔されて失敗してしまいます。そのせいでエモンは学校に遅刻してしまい、先生に大目玉を食らったのでした。
創業450年のつづれ屋は昔ながらのアットホームなサービスが売りで、21エモンのパパは自ら空港に出向いて営業活動をしています。しかしゴージャスでハイテクなオリオンやギャラクシーといったホテルにお客を取られ、売り上げは芳しくない様子。オリオン社長の息子リゲルとギャラクシー社長の娘ルナといったクラスメイトに負けまいとある日エモンが招待した宇宙人の置き土産には、絶対生物・モンガーが入っていました。

どんな環境にも適応し、何を食べてもエネルギーにしてしまう「宇宙の放浪者」モンガーにエモンは興味津々。テレポート能力を持ったモンガーはお客を呼び込み、閉館の危機にあったつづれ屋は大繁盛。メイドロボット・オナベも加わってつづれ屋にはいろんなお客さんがやってくる毎日が続くのでした。
エモンはスペーススーツと宇宙船を何とか手に入れ、モンガーはテレポート能力に加えてアイテムを自由に出し入れできる能力を手に入れて、念願の宇宙旅行に出発することができました。ゴンスケもついてきてしまい、エモンの旅は一体どうなるのでしょうか?

「21エモン」は「パチえもん」と揶揄されることもあり、モンガーがドラえもんの代わりをするような日常アニメだと誤解している人がいるほど知名度の低いアニメでしたが、最後まで見たらそのイメージは覆されます。ワクワクするような未来が描かれていたり、主人公は夢と現実に迷いながらアルバイトして夢を叶えたりと見所が満載の名作アニメです。
「21エモン」の登場人物

つづれ屋21エモン

モンガー

ゴンスケ

オナベ

オリノ・リゲル

ルナ

21エモンのパパとママ
子供にはトラウマ?21エモンの3大・怖いストーリー

第23話 「地球消滅!超人エモン異次元ケットに迷う?」
木星で奴隷として働かせられ、モンガーとゴンスケは磔になって殺されてしまった!と思ったらそれは旅先から帰る途中でエモンが見た夢でした。家族に暖かく出迎えられるルナとリゲルを見送り、エモンがいざ実家に帰ってみるとそこは更地になっていました!つづれ屋は倒産しオナベは廃棄処分、両親は木星で強制労働していると知ったエモンは断固として立ち退きを拒否しますが、整地用ロボのトラクターに潰されてしまいます。と思ったらこれもまたら帰る途中で見た夢。かと思えばテロリストにより地球が消滅!と不幸が無限ループで襲い掛かるSFホラーなお話です。

第31話「目玉と口が散歩する?エモン・ゼロ次元の恐怖!」
コンピュータシステムと医療技術が発達し、体の管理は機械に任せて人々は目と口だけで生活している星・オートマ星に着いたエモン達。システムが200歳以上の者はゼロ次元に送ると決定したことを知って人々は大慌て。ゼロ次元とは2000年以上生きた人が生きることに飽きたら行く世界・つまり死ぬということでした。機械に身を任せていたため自分の体がどこにあるかもわからないままベルトコンベアで送られる人々の姿はトラウマ必至。

第33話 「7627番目の客 幸福の星はパッピーだらけ」
訪れた旅行者が皆住み着いてしまう星・パッピー星に到着したエモン達は住民から大歓迎を受けます。この星の住民が皆ニコニコしていて、背中に人形を背負っていました。その人形は「幸福の守り神」と呼ばれていましたが、実は本体を乗っ取って奴隷にするパッピーという外の星から来た寄生生物でした。パッピーの支配から逃れるためには首を切断するしかありません。「笑え」「悲しい顔をするな」と言いなりになるうちに自分の思考がなくなってしまう洗脳の恐ろしさがリアルです。
1991年の時点で、モンスタークレーマーやブラック企業、SNSを使ったチャットなど今観てもかなりリアルな未来像が描かれている21エモン。ホラー回も、もしかしたらこんな未来がありえるかも?と思えそうなところが面白いですね。
「21エモン」こぼれ話


「21エモン」は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」や「アッパレ!戦国大合戦」の監督・脚本・絵コンテを担当したことでおなじみの原恵一さんが脚本・絵コンテ・演出を務めています。子供向けアニメでありながらも、大人からも高く評価されているアニメを製作することで知られている原恵一さんが担当しているとあっては、アニメファンは見逃せませんね。

気になる最終回は?

シード星の人にもらった植物がシップを破壊し、緑が豊かな無人の星に不時着してしまったエモン達。一方その頃シード星人がエモン達になりすまして地球侵略にやってきて家族達から歓迎を受けますが、ルナだけは様子を怪しんでいました。エモンはゴンスケが自ら提供してくれたバッテリーを利用して助けを求め、何とか地球に帰れることになりました。
地球に帰ったエモンはシード星人に自分が不時着した星を紹介し、そこに定住するように勧めます。「後で旅の話を聞かせて」と言った後に「もちろん。話したいことが山ほどあるんだ!」と返してくれたエモンを見て、ルナは後に帰ってきたエモンが本物だと確信するのでした。

第38話が実質の最終回ですが、39話では21エモンが宇宙旅行に行った20年後の2071年の世界が描かれています。21エモンの息子・22エモンも父親同様宇宙に憧れており、ゴンスケやモンガーに昔話を聞くといった形の総集編になっています。21エモンは宇宙探険家になっており、妻のルナと一緒に宇宙を旅していましたが、ある日両親と息子を自らの宇宙船に招待します。21エモンはレアストーンの鉱脈を発見してお金持ちになり、自分の宇宙船を「つづれ屋大宇宙支店」に改装して親子両方の夢を叶えたのでした。

自分の夢を捨てずに親の希望も叶え、自分の志が子供に受け継がれていくというラストは、今後の展開も希望を持たせてくれる気持ちの良いラストです。ED終了後は次回予告の代わりに「いま、僕はスクリーンの上で大あばれ!!映画館でも会おうね!!」と当時放映中だった21エモンの映画版の宣伝テロップをちゃっかり流していました。
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