『天龍源一郎』引退試合の国技館は1万522人ファンで満員に。
ジャイアント馬場、アントニオ猪木の二人からピンフォールを奪った唯一の日本人レスラー天龍。
そのレジェンドの引退興行は第1試合からメインまで全11試合。
新日、全日、ノアをはじめ地方団体から女子プロレスラーまでさまざまな団体から人気レスラーが多数参戦。天龍だからこそなしえた豪華なカードで両国国技館は1万522人の超満員の観衆で埋まった。
高中正義がリングインして「サンダーストーム」生演奏!
休憩時間には馬場のテーマ「王者の魂」、猪木のテーマ「炎のファイター」、そして鶴龍砲を組んだ天龍永遠のライバル・ジャンボ鶴田のテーマ「J」がBGMとしてかかり、満員の観客を喜ばせた。
天龍がラストマッチに選んだ相手は新日本プロレスの若き王者『オカダ・カズチカ』
オカダ・カズチカ
プロレス大賞MVPを2012年&13年の2年連続で受賞したオカダが、それまでMVPを連続受賞しているアントニオ猪木(76~78年の3年連続&80~81年の2年連続)、ジャンボ鶴田(83~84年の2年連続)天龍(86~88年の3年連続)について「猪木選手、鶴田選手、天龍選手、その3人は僕と同じ時代じゃなくてよかったなと。」とコメント。
このコメントに激怒した天龍は引退試合の日程が決まると、8月16日の新日本・両国国技館に乗り込んでオカダに「おい、昭和のプロレスを味わう最後のチャンスだぞ、この野郎!」と直談判。
こうして天龍最後の試合相手はオカダ・カズチカに決まった。
天龍源一郎 vs オカダ・カズチカの試合内容
序盤、お互いに様子を見ながら攻防を繰り広げたが、37歳下の現役王者オカダは次第に攻勢を強め、フロントハイキック、エルボードロップ、低空ランニングフロントキックなどで天龍を追い込んでいく。
だが、天龍もチョップ、グーパンチ、サッカーボールキックなど得意技を何度も繰り出しミスタープロレスと呼ばれる男の意地を見せる。
オカダ・カズチカにグーパンチを入れる天龍源一郎
オカダに鋭角式パワーボムを決める天龍
垂直落下式ブレーンバスターを繰り出す天龍
オカダの得意技ドロップキックが天龍に命中
最後はオカダ渾身のレインメーカーで撃沈した天龍
引退試合だからというような花を持たせようというような温い攻めを一切見せずに非常なまでに勝負に徹したオカダ。
そして、その現役王者の攻めを逃げずに受け切った天龍。
全盛期とは程遠いコンディションだったが、ミスタープロレスはやはり最後の最後までプロレスに対して本気であった。
天龍に深々と頭を下げ一礼をするオカダ・カズチカ
試合後の天龍引退セレモニー
健闘を称える拍手の中、起き上がった天龍は「イヤ~負けた~」と悔しがり、マイクも叩きつけたがその表情は清々しいものであった。
テリー・ファンク(左)、スタン・ハンセン(右)から花束を贈られた天龍源一郎
娘で天龍プロジェクト代表の嶋田紋奈さんとリングの上で抱き合う天龍。