子を想う母のほんの少しのできごころが二人の少女、そして周りの運命を大きく変えてしまいます。出演者数はさほど多くなく、その分一人一人のキャラクターの抱える人生が充実したものとなっており、それぞれが背負う運命の歯車がもどかしくも感じるストーリー。徹底したいじめと不良少女を体当たりで演じる伊藤かずえさんの演技力が圧巻です。
乳姉妹

あらすじ
ある嵐のよる、同じ場所・同じ時刻に2人の娘が生まれる。
1人は「南部開発」財閥で真鶴に広大な別荘を持つ大丸家令嬢として、1人は地元の漁師、松本夫妻の娘として。
大丸夫妻の妻・慶子(大丸慶子)は出産後すぐに息を引き取ってしまう。
葬儀の間、乳母として依頼を受けた松本夫妻の妻・静子(岩本多代)の元、二人の娘は一緒に数日間の時を過ごす。
妻の葬儀を終えた大丸剛造(高橋昌也)は、真鶴へわが子を迎えに行く。
しかし、わが子として連れ帰った娘は静子が産着を取り替えたために入れ違ってしまった松本夫妻の娘だった・・・。
ほんの出来心で産着を着せ替えていたところに、夫・龍作(井川比佐志)が帰宅後、謝って松本夫妻の産着をきた大丸家の令嬢にやけどを負わせてしまい、大丸家の産着を着た松本家の娘が身代金目当てで誘拐されるという運命のいたずらによって、本当のことを言い出せないまま入れ違ったのだ。
18年の時が流れ、大丸家の令嬢として育った大丸千鶴子(伊藤かずえ)は、誕生日の日に真鶴の別荘へ向かう。そこで松本夫妻の長女として育った松本しのぶ(渡辺桂子)と出会う。
何も知らずに育ってきた二人が、この再会によって大きな運命の歯車が回りはじめる・・・
登場人物
今でも素敵な伊藤かずえさんはじめ、大映ドラマレギュラー陣の俳優さん・女優さん。
当時は不良役や令嬢役などたくさんの役柄をこなしていたんですね。





主題歌
麻倉未稀さんと言えば、「スクールウォーズ」の主題歌「ヒーロー」が有名ですね。このドラマの主題歌である「ランナウェイ」、曲はもちろんですが、歌詞中の「風が吹いてあなたのもとへ・・」というフレーズがとても素敵です。

ランナウェイ/麻倉未稀
大映ドラマは私たち年代の定番!
今でもふとした時に「乳姉妹」、思い出してしまうのですね。
大映ドラマの定番、オープニングナレーションもいまではあまり見られないですね。
ネタバレ

手術により片腕を切断した路男は、孤独にさいなまれながら千鶴子への想いを断とうとしますが、千鶴子はそんな路男を放っておくことができません。
留学の日が近づく中、送別会で別れを告げる路男に"自分が路男を支える"と決心をする千鶴子。
それを知った雅人は「田辺、俺はお前を許さん。千鶴ちゃん、君も許さん」と責任感から千鶴子と一緒になる決意をしていた雅人はやけを起こしてしまいます。
剛造も千鶴子に対し、「お前と田辺君を祝福することはできない。どうしても田辺君と暮らすなら、二度とこの家には戻らんと覚悟をすることだ。」と厳しい言葉を浴びせる。しかし、千鶴子が家を出る間際で則子から呼び止められ、父・剛造からと留学資金として用意していたお金、そして「魂の輝くままに」と書かれたメッセージを渡されるのでした。。
そして千鶴子は、片腕のトランペッターとしての路男を支える生活をはじめます。しかしその幸せな日々も長くは続きませんでした。路男の身体を蝕んでいた悪性腫瘍の転移が見つかり、余命2ヶ月であることを知らされてしまうのです。
絶望の中でも、「泣かないでくれよ。その二ヶ月を10年にも20年にもして生きてやろうじゃないか。明日死んでも悔いが残らないように。だから泣かないでくれ。死ぬんじゃねぇよ。燃え尽きるんだ。」
と言う路男に、千鶴子は結婚式を挙げようと伝えます。
二人を許せなかった雅人も事実を知り、二人を見守る決意を固めます。
そうして夫婦となった千鶴子と路男、和解した雅人としのぶの四人は、運命の地、真鶴の海へと向かいます。
海に浮かぶ船の中、みんなに見守られながら路男は息を引き取ります。
千鶴子から路男への最後のメッセージ「~あなた。忘れない・・・」を最後にストーリは終わります。
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