この記事を書いているのは2015年の11月ですが、現在CSの「歌謡ポップスチャンネル」で「さすらいの太陽」が放映されてます。実は2ターン目です。確かに歌謡曲ものですが…
「さすらいの太陽」もアニメ化45周年です!
エンディング曲「心のうた」はアニメファンだけでなく一般の人もカラオケで歌うほどの名曲になりました。
今回は「さすらいの太陽」をおさらいしてみたいと思います!
「さすらいの太陽」って?
「さすらいの太陽」の原作漫画は1970年8月から1971年8月まで「週刊少女コミック(小学館)」に連載されていました。

さすらいの太陽
17年前、悪意ある看護婦・野原道子によって財閥の令嬢・香田美紀と貧しいおでん屋(原作ではラーメン屋)の娘・のぞみが生まれてすぐにすりかえられてしまう。
二人はやがて歌手をめざすが野原道子に翻弄されながらもそれぞれの道を歩む、というお話です。
原作は藤川桂介さん。
昭和のアニメ好きな方なら一度や二度はそのお名前をご覧になってるかもしれません。
原作・藤川桂介
藤川桂介さんは、当時のヒット作品を生み出した脚本家だったのです。
その藤川さんが少女漫画原作をされたのです。面白くないわけないですよね。
作画・すずき真弓
作画のすずき真弓先生の情報がなかなか出てこないので筆者の記憶を混ぜつつ書いていきたいと思います。

「おお!ライバル」
筆者は「さすらいの太陽」ですずき先生を知ったのですが、「さすらい」以降はメディアミックス「赤い靴(TBSドラマ)」があります。また「ビューティフル亜子」「麻衣子」などは「さすらい」的なストーリー展開だったという記憶があります。

ビューティフル亜子

麻衣子
「さすらいの太陽」原作がヒットしたわけは?

原作の連載初回
最近の「メディアミックス」とは違い、「さすらいの太陽」は藤川桂介の原作があり、それが漫画になり、人気が出て、アニメ化されました。
連載自体も人気のおかげで延長されたそうです。
アニメ化が前提で連載が始まったわけではないのです。
筆者も原作をほぼリアルタイムで読んでいました。
当事の「少女コミック」で一番好きだったと思います。
というか「さすらいの太陽」しか記憶にありません。
「さすらいの太陽」の魅力はそのままアニメ版に引き継がれてます
おたまじゃくしの話ではない
藤川桂介さんは「この話は単にオタマジャクシを並べるだけではない、一人の女の子の成長物語だ」と言っています。
第一話をご覧下さい。
17歳になったのぞみと美紀を影から混乱させようとする道子の画策で、美紀はのぞみにいやがらせをするようになります。
ここからすでにいわゆる「大映ドラマ」的な悲劇性がありますよね。
また、のぞみの恋の相手・ファニー香川と兄妹であると知り(本当は違う)気持ちのすれ違いや苦悩するところなどもメロドラマ的です。

のぞみとファニー
モデルは藤圭子

主演・藤山ジュンコのこと
![藤山ジュンコ(ふじやま ジュンコ、本名:藤山順子(読み同じ)、1950年5月19日 - )は1970年代に活躍した歌手。大阪府出身]。
兄は映画監督の藤山顕一郎。
いずみたくの弟子としてレッスンを受け、1971年に放送された『さすらいの太陽』とのタイアップという形で主役である峰のぞみ役とED「心のうた」 で歌手としてプロデビューを果たす(後にED「心のうた」は堀江美都子が担当)。
抜群の歌唱力とパンチの効いたハスキーボイスの持ち主で、師匠のいずみたくからは高い評価を得ていた。
藤山は『さすらいの太陽』の放送終了後、ほどなくして芸能界を引退してしまう。師匠のいずみたくは必死に説得するものの、藤山がそれに応じることはなかった。(wikipediaより)](/assets/loading-white-036a89e74d12e2370818d8c3c529c859a6fee8fc9cdb71ed2771bae412866e0b.png)
藤山ジュンコ
「さすらいの太陽」第18話で藤山さんのレコードデビュー曲「鎖」をのぞみが歌っています。
藤山さんが歌うエンディング曲「心のうた」は5話~8話まで放映されています。
歌謡曲チャンネルで放送される理由
「さすらいの太陽」はアニメなのになぜ「歌謡曲専門チャンネル」で放送されるのか、その理由は、作品中に歌謡曲がたくさん流れるからです。
のぞみは流しの歌手を始めますが、そのときにいろいろな既存の歌謡曲を歌うのです。
のぞみだけではなく、他のキャラクターが歌うこともあり、またBGMとして流れることもあります。
「歌謡曲チャンネル」は昭和の歌謡曲が中心ですから「さすらいの太陽」が放送されるのも納得ですね。
原作とアニメとの違い
「さすらいの太陽」は原作コミックがあるわけですが、アニメ化にあたり多少の改変があります。
原作はかなりえぐいところもありますがそれはマイルドにされています。
また、のぞみが海女になるなど多少スポ根的な要素も加味されています。
それに、アニメの美紀さんはそんなにいじめ役に見えないんですよね。
コミックは鼻持ちならない金持ちの娘に見えるんですが、アニメでは道子に振り回されてるだけで、本人はとてもプライドが高いだけのお嬢さんに見えるんです。

原作の美紀

アニメの美紀
原作にはのぞみの師匠・江川先生のもとにレッスンに弟子仲間・堤くんがいましたがアニメには出てきません。このレッスンのシーンも筆者は好きだったんですけど…
筆者が一番気になるのはのぞみのデビュー曲です。
コミックではのぞみのデビュー曲は「生きた愛した死んだ」という曲ですがアニメでは代表曲が「心のうた」です。
大人になって「生きた愛した死んだ」はスタンダールの「書いた愛した生きた」をアダプトしたのかな?と思ったものです。
コミック版には「生きた愛した死んだ」の歌詞まで設定されていたんですよ

「生きた愛した死んだ」
「心のうた」は今では広く歌われている
アニメ版ではエンディング曲として使われた「心のうた」は名曲です。
今ではアニメを知らない人もカラオケで歌ってるんですよ。
アニメで歌った堀江美都子さんご自身も「自分のライフワークのような曲」とおっしゃっていて、デビュー35周年記念CDのタイトルを「心のうた」にしています

ぜひ「さすらいの太陽」をご覧下さい!
冒頭に書いたように、「さすらいの太陽」はCSの「歌謡ポップスチャンネル」で放送されています。
筆者が知る限り2ターン目ですが、番組表をみると12月もまた最初から始まるようです
歌謡ポップスチャンネル~人気の演歌・歌謡曲・カラオケ~
また、原作コミックも「コミックパーク」で復刊されています。
さすらいの太陽 全4巻・すずき 真弓、藤川 桂介|コミックパークで立ち読み!
ぜひ「さすらいの太陽」をご覧になってのぞみを応援してください!