私たちの今の暮らしの基盤が作られ、独自のエネルギーに満ち溢れていた「昭和」という時代。その懐かしくも活気ある空気を存分に味わえる企画展「昭和の時間に包まれる 北原コレクションと所蔵資料」が、横浜市歴史博物館にて開催されます。
本展は、国内外で高く評価される北原照久氏の珠玉のおもちゃコレクションと、同館が丁寧に収集してきた実物資料を掛け合わせることで、昭和の文化と歴史を立体的に紐解く試みです。幅広い世代の関心を集める本企画展の見どころを、詳しくご紹介します。
北原コレクションが放つレトロ玩具の魅力
ミニチュア「それは夢の入り口だった」たかばやしりつこ氏 令和5年(2025)作 北原コレクション
本展の大きな見どころの一つは、世界的に有名な玩具コレクターである北原照久氏のコレクション展示です。北原氏が長年にわたり情熱を注いで収集してきたブリキのおもちゃやセルロイド製の人形、ミニカーなどの数々は、単なる遊び道具の枠を超えた一種のアート作品のような輝きを放っています。
高度経済成長期にかけて大量に作られたこれらの玩具には、職人たちの精緻な技術と、当時の子どもたちが抱いていた未来への憧れが詰め込まれています。色鮮やかなパッケージや、現代のデジタル技術にはないアナログならではの温もりあふれる造形は、昭和を知る世代のノスタルジーを刺激するだけでなく、若い世代にとっても「レトロで新しい」魅力として映るはずです。
博物館の所蔵資料が語るリアルな昭和の暮らし
魅力的な玩具たちとともに会場を彩るのが、横浜市歴史博物館が長年にわたって収集・保存してきた昭和の生活資料の数々です。こちらの展示では、当時の家庭で実際に使われていた白黒テレビやちゃぶ台、初期の家電製品、生活雑貨などが並びます。
華やかなおもちゃ文化の背景には、人々の暮らしを劇的に変化させた生活革命がありました。戦後の復興から高度経済成長を経て、人々の生活様式がどのように近代化していったのか。博物館ならではの学術的な視点と豊富な実物資料によって、当時の街と人々のリアルな歩みを視覚的に学ぶことができます。玩具と生活道具が並列で展示されることで、人々の生活風景がより鮮明に思い描ける構成となっています。
洗濯機「NATIONAL N-450ー自動反転 Hi Line type」 1960年代 当館所蔵 洗濯槽の横に2本のゴム製ローラーとハンドルが付いています。洗い終わった洗濯物をローラーに挟み、ハンドルを手で回して水を絞り出す仕組みです。
世代を超えたコミュニケーションを生む展示空間
本企画展の素晴らしさは、展示室が「世代間の対話」を生み出す場として機能する点にあります。会場を訪れたシニア世代にとっては、展示品の数々が青春時代や子ども時代の記憶を鮮やかに蘇らせるタイムマシンのような役割を果たします。
一方で、平成や令和に生まれた子どもたちや若い世代にとっては、新鮮な発見に満ちたテーマパークのように感じられるでしょう。「昔はこんな道具で生活していたんだよ」「このおもちゃを持っていたよ」といった会話が自然と生まれ、家族間での温かなコミュニケーションを促してくれます。一つの展示品からそれぞれの経験や驚きをシェアできる、非常に意義深い空間デザインが施されています。
ブリキロボット「Lilliput」1940年代 北原コレクション
楽しさを深める関連イベントと体験プログラム
展示を見るだけでなく、実際に体験して昭和の文化を味わえる関連イベントが充実しているのも本展の特徴です。会期中には、当時の遊びを実際に体験できるワークショップや、専門家・学芸員によるギャラリートークなど、知的好奇心を満たす多彩なプログラムが予定されています。
単に見学して終わるのではなく、手を動かし、解説に耳を傾けることで、展示への理解と愛着がより一層深まります。関連イベントの具体的な開催日程や参加方法については、横浜市歴史博物館の公式ウェブサイトで随時更新されますので、お出かけ前にぜひチェックしてみてください。
目まぐるしく変化する現代において、力強くも温かかった昭和の時間に触れることは、これからの未来を考える上での大きなヒントになるかもしれません。ぜひ、ご家族やご友人と一緒に、特別な「昭和時間」へタイムスリップしてみてはいかがでしょうか。
ブリキロボット「Space Robot Rocket」1950年代 北原コレクション
展覧会概要
企画展「昭和の時間に包まれる 北原コレクションと所蔵資料」
【会期】令和8年7月4日(土)~8月23日(日)
【開館時間】9時~17時(券売は16時30分まで)
【休館日】月曜日(ただし7月20日は開館)、7月21日(火)
【会場】横浜市歴史博物館 企画展示室
【主催】(公財)横浜市ふるさと歴史財団
【共催】横浜市教育委員会
【特別協力】北原照久、TOYM USEUM(旧ブリキのおもちゃ博物館)
【観覧料】 一般 1,000円、高校・大学生800円、小・中学生/横浜市内在住65歳以上400円(企画展示室のみ)
チケット前売り販売情報
【前売り観覧料】
一般960円、高校・大学生720円、小・中学生および横浜市内在住65歳以上360円
【チケット販売場所/販売期間】
① 横浜市歴史博物館1階 インフォメーション〔5月22日~7月3日〕
② チケットぴあ(Pコード:687497) 〔5月22日~7月3日〕