浅田美代子
浅田美代子のデビューは1973年2月14日、人気テレビドラマ「時間ですよ(第3シリーズ)」のお手伝いさん役でした。劇中歌の「赤い風船」で歌手としてもデビューを果たし、たちまちトップアイドルとなります。
「赤い風船」はオリコンの年間セールス10位の大ヒットとなり50万枚近くを売り上げたんですよ。

赤い風船
ジャケ買いしたくなるほどカワイイ。大ヒットしたのも頷けますね。
翌年には同じくTBSの名物プロデューサー 久世光彦による「寺内貫太郎一家」にもお手伝いさん役でヒロインを務めました。
「寺内貫太郎一家」では、悠木千帆とのコミカルなからみが面白かったですね。まぁ当時は分かりませんでしたが天然ボケといった才能の芽生えが既にあったのでしょう。
当時の浅田美代子は歌手と女優の二刀流だったわけですが、今回は女優の方にスポットを当てたいと思います。
しあわせの一番星
アイドル期の浅田美代子は、1973年「ときめき」、1974年「あした輝く」、1974年「しあわせの一番星」、1975年「陽のあたる坂道」と5本の映画に出演しています。
主演を務めているのは「あした輝く」と「しあわせの一番星」ですね。

しあわせの一番星
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この後、映画で主演を務めるのは45年後の2019年に公開された「エリカ38」となります。
因みに、浅田美代子が歌手として活動するのは1975年10月に発売された10枚目のシングル「この胸に この髪に」まで。
その後はあろうことか、1977年7月に21歳という若さで吉田拓郎と結婚し芸能界を引退。主婦業に専念することになります。
芸能活動を再開するのは6年3か月後の1983年10月で、ここから本格的に女優業に入るわけです。
もういちど結婚
結婚引退した芸能人が復帰するのは離婚することになったからというのが一般的ですが、浅田美代子もその例にもれず1984年8月に吉田拓郎と別れています。
離婚の1年ほど前から主役ではないものの数多くのドラマや映画に出演するようになった浅田美代子ではありますが、復帰後初となるTBS系列で1983年10月7日から同年12月30日まで放送されていた金曜ドラマ「もういちど結婚」(全13話)は大人になった浅田美代子を感じさせる熱演で注目されました。
大きな役をもらえていないので、この時期の作品を見ることが困難であることは非常に残念ですが、久しぶりに見る浅田美代子はもうすっかり女優と言った感じになっています。
サスペンスドラマ
90年代に入ると、TBS「月曜ミステリー劇場」フジテレビ「金曜エンタティメント」テレビ朝日「土曜ワイド劇場」テレビ東京「女と愛とミステリー」と各テレビ局のミステリー・サスペンスドラマに多数出演します。
フジテレビ「女浮気調査員・暮林陽子(1998年)」やTBS「女借金取りがゆく」(1998年、2000年) などでは主役を演じており、90年代の浅田美代子はアイドル期を脱して実りある女優期に突入しています。
冠婚葬祭部長
1996年1月から3月までTBS系「東芝日曜劇場」枠で放送された「冠婚葬祭部長」、これは良い!
浅田美代子は主人公を演じる萩原健一の妻役です。イイ感じで演じてます。自然体って感じの演技というか、演じている感じがしないというか、そこんとこがとても良いです!

冠婚葬祭部長
やり手の営業マンが人事異動で冠婚葬祭を取り仕切る業務部に配置されたことで起こる泣き笑いの物語。最高視聴率20.7%を記録した大ヒット作です。
それにしても「冠婚葬祭部長」の浅田美代子は良い。萩原健一も良いです。そして忘れてはならないのが、段田安則の熱演が光っている作品でもあります。
サスペンスドラマへの出演は、当初「あの美代ちゃんがシリアスな役を演じるのか?!」ということで、それは驚きであり、女優としての幅が感じられるものでもありましたが「冠婚葬祭部長」を観ていると、やっぱりホームドラマやホームコメディといった物の方があっているようではありますね。なんといっても笑顔が最高ですからね。
釣りバカ日誌
テレビには引っ張りだことなった浅田美代子ですが、映画での当たり役と言えば「釣りバカ日誌」でしょうね。西田敏行演じる主人公、浜崎伝助の奥さん役です。
1994年に公開されたシリーズ7作目「釣りバカ日誌7」から石田えりより奥さん役を引継ぎ、2009年のシリーズ20作にして最終作の「釣りバカ日誌20 ファイナル」まで長きにわたって演じ続けました。

釣りバカ日誌7
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1992年4月26日から1996年3月17日まで放送された「さんまのSUPERからくりTV」を契機として天然キャラを活かしたコミカルな持ち味を十二分に発揮し、浅田美代子はバラエティー番組にも進出することに。
90年代は浅田美代子にとって実りが多く、ここから才能を開花させ、以降しっかりと芸能界に地位を確立していったのは素晴らしいの一言です。