「牧場の少女カトリ」とは?

けなげに働くカトリがかわいいOPと、愛犬アベルと無邪気に戯れるEDですが、どちらも歌詞がけっこう悲しいしっとりとした曲です。
内容はそこまで悲劇的なストーリーではないのですが、主題歌は当時社会現象にもなったドラマおしんに寄せたのかもしれません。
「牧場の少女カトリ」のあらすじ

舞台は1912年のフィンランド南部にあるパルキ村。幼い頃に父を亡くし母は街に出稼ぎに行っているため、6歳の少女カトリは祖父母の下で育てられていました。1年ぶりに帰ってきたのもつかの間、母サラは子犬のダックスフントアベルを置き土産にドイツへ出稼ぎに行ってしまいました。
当時は第1次世界大戦中でロシアはドイツと敵対しており、フィンランドはロシアの支配下にありました。戦争の影響でサラからの連絡は途絶え、カトリが9歳になっても母に会うことはできませんでした。不作が続き仕送りもなく、カトリと祖父母の家はどんどん貧しくなっていきました。売ることになった牛も道中で熊に襲われてしまい、カトリは家計を助けるために奉公に出ることを決意します。
ライッコラ屋敷で家畜番を1年間、その後クウセラ屋敷で主人ロッタと息子クラウスの身の回りの世話をしていたカトリ。夫カルロが戦死したためロッタは屋敷を売り払い、故郷トゥルクへ引っ越すのを機にロッタのはからいでカトリは学校へ行けることになるのでした。
カトリの人生は波乱万丈というわけではありませんが、その聡明さと勤勉さが認められて周囲の人々の信頼を得て着実に良い未来を築きます。それはただ幸運なのではなく、誠実でまじめなカトリの努力の賜物であるのです。
女医ソフィヤや看護師エミリアの存在など、女性の自立についても考えさせられる作品です。
「牧場の少女カトリ」の登場人物
カトリ・ウコンネミ
この物語の主人公。
聡明で努力家で心優しい性格だが、ちょっぴり頑固なところもある。
アベル
カトリの相棒のダックスフント。利口で勇敢な犬だが、、カトリに「なまけもん」と言われることも。
マルティ・ハルマ
カトリの遠縁に当たるハルマ屋敷のお坊ちゃん。
怠け者だったが、カトリと出会って勉強家になる。
ペッカ
ライッコラ屋敷の隣のペンティラ屋敷で家畜番として働く少年。カトリと大の仲良しで、カトリを巡ってマルティとライバル関係にある。
ソフィヤ・ニーラネン
トゥルクの病院で働いている女のお医者さんで進歩的な考えを持っているが、車の運転が荒い。
ロッタ・クウセラ
クウセラ屋敷の奥様。カトリを気に入ってカトリに教養を付けさせたり刺繍を教えたりと親切にしてくれる。
「牧場の少女カトリ」のここがみどころ!
多くの人々から応援されてはいるけれど、その助けを受けてもいるけれど、最終的には自分の進む道は自分の力で切り拓いていくカトリなのです。 おしんやセーラと一線を画すカトリの、それが特徴だと思うのです。
http://bisyou-gao.at.webry.info/200611/article_2.htmlアニメ『牧場の少女カトリ』についてちょっとだけ 微苦笑で微笑顔/ウェブリブログ
アベルの愛嬌ある姿には、観ていてついつい笑い声が漏れてしまう。世界名作劇場シリーズ上、1番愛嬌があって1番愛らしい動物かもしれない。
http://blog.goo.ne.jp/nausika_1974/e/ab24bea56e43bf8724075d9525e590f0牧場の少女カトリ - 銀河夜想曲 ~Fantastic Ballades~
気になる最終回は?

カトリは無事試験に合格し、特待生として学校に入学する事ができました。秋になってカトリが学校に通い始める頃ロシアで革命が起こり、革命政府はフィンランドの独立を認めドイツとの戦争は終わりました。戦争後の混乱が続く冬が過ぎ、春になろうとしていたある日カトリのもとにおじいさんからの手紙が届きました。
その手紙にはお母さんからの手紙も同封されておりいました。内容はドイツのフランクフルトでフィンランドに向けて出発するという手紙を出した直後にチフスにかかってしまって現在はトゥルクの病院に入院しているというものでした。
手紙を読んだカトリはいてもたってもいられなくなりすぐにトゥルクの病院へ向かい、6年ぶりにお母さんとの再会を果たします。7月、元気になったお母さんとカトリはおじいさんの家に向かいました。カトリはロッタの屋敷で働きながら中学に行く事になり、その後農村の人達の暮しを鮮やかに描き出す小説家になったのでした。
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牧場の少女カトリ
牧歌的でゆったりとしたストーリーとかわいいカトリのキャラクターも魅力ですが、独立運動で逮捕されたりレーニンが登場したりといった歴史的背景や、サウナ・カレワラといったフィンランドの文化も丁寧に描写されているので、大人視点で見るのも面白い作品です。
「努力はいつか報われる」というテーマは、現代こそ親子で見たい内容ですね。