【ジキルとハイド】二重人格の過激な描写・・・3年間放送できなかった問題作がついにDVD化!

【ジキルとハイド】二重人格の過激な描写・・・3年間放送できなかった問題作がついにDVD化!

『ジキル博士とハイド氏』といえばスティーヴンソンの代表作ですが、50年以上前の日本で、これを原作としたテレビドラマがあったことはあまり知られていません。しかも、その顔ぶれは、監督・五社英雄、主演・丹波哲郎、写真・篠山紀信、音楽・シャープス&フラッツと超豪華。ついにDVD化された当時の問題作を振り返ります。


『ジキルとハイド』とは

『ジキルとハイド』は、1973年にフジテレビ系列で放送された、丹波哲郎主演のサスペンスドラマです。撮影が完了したのは1970年でしたが、映像の過激さから放送は見送られ、実際に放送されたのは約3年後の1973年1月9日〜4月24日(毎週火曜日)でした。



以下は、DVDを販売するベストフィールドが、公式サイトに掲載している「作品内容」です。

丹波哲郎主演!五社英雄がメイン監督をつとめ、錚々たるスタッフが集結して制作された伝説のバイオレンス・カルトドラマ。 篠山紀信によるアーティスティックなヌード写真を随所で散りばめるなどのサイケデリックな演出も含め、日本のTVドラマ史上で異色の輝きを放つ野心作。放送から50年の時を経て遂に待望の初ソフト化! ★1970年に完成したものの映像表現の激しさから3年間封印されることとなった昭和の怪作! ★主演の丹波哲郎が自ら企画した意欲作! ★メイン監督は五社英雄、そのほか石田勝心、山際永三らが監督に顔を連ねる! ★篠山紀信の印象的なヌード写真のスチールを随所に散りばめるなど、'70年前後のサイケムードをふんだんに味わえる尖鋭的作品! ★HDポジテレシネにより作成したリマスターから高画質なDVD化を実現! 日本でも有数の総合病院の副院長・慈木留博士(丹波哲郎)は、幻覚作用のある薬の改良に没頭していた。そして、遂には自らを実験台にして、改良した薬を飲んだ瞬間に、背奴(ハイド)という全く別人格の人間となってしまい、凶悪な暴力事件と強姦を繰り返すのだった。だが、慈木留博士に再び戻ると、その間の記憶は全くないのであった…。

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『ジキルとハイド』ついにDVD発売!

そんな問題作でしたが、最初の放送から約50年後の2023年6月30日。ついに『ジキルとハイド』のHDリマスター版がDVD化され、販売が開始されました!



本作はこれまで、1973年のテレビ放送(フジテレビ系列)、2001年2006年のCS放送(ファミリー劇場)の3度しか放送されていません。未視聴の方はもちろんのこと、視聴済の方でも、よりクリアな映像の『ジキルとハイド』を楽しめることでしょう。

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『ジキルとハイド』の主なスタッフ・出演者

以下は、『ジキルとハイド』の主なスタッフと出演者を列挙したものです。



丹波哲郎を筆頭に、五社英雄長坂秀佳原信夫とシャープス&フラッツ篠山紀信松尾嘉代露口茂・・・と豪華な面々が名を連ねています。

スタッフ

企画:丹波哲郎

監督:五社英雄、石田勝心、山際永三、今野勉、村木良彦、西村潔、他

演出:五社英雄

脚本:長坂秀佳(出雲五郎)、大津皓、小川英、他

演奏:原信夫とシャープス&フラッツ

写真:篠山紀信

レギュラー出演

慈木留公彦 博士(ハイド):丹波哲郎

慈木留美奈:松尾嘉代

毛利刑事:露口茂

植木刑事:井上紀明

秋元和代:三笠れい子

ナレーション:中江真司

ゲスト出演

第1話:小川真司

第2話:山谷初男、須賀不二男、江角英明

第3話:見明凡太朗、三崎千恵子、岸久美子

第4話:横山リエ、中井啓輔

第5話:梅田智子、武藤英司、片岡五郎

第6話:亀谷雅彦、河村祐三子、今福正雄(現:今福将雄)、伊佐山博子(現:伊佐山ひろ子)

第7話:久里千春、中山克巳、沢りつお、斎藤清憲(現:伴大介)

第8話:太地喜和子、関弘子、伊達三郎、中沢治夫(現:剛たつひと)

第9話:吉行和子、佐田豊、福山象三、盛山毅アナウンサー

第10話:池田昌子、本山可久子

第11話:森下哲夫、石井富子(現:石井トミコ)、赤塚真人、畠山麦、福岡正剛

第12話:津田亜矢子、宇佐美淳也、山谷初男、北原文枝、吉水慶

第13話:小林重四郎、川島育恵、石田茂樹

『ジキルとハイド』の見どころ

あらすじ

主な登場人物は、慈木留博士(演:丹波哲郎)、20歳以上年下の妻・美奈(演:松尾嘉代)、慈木留家によく出入りする友人・毛利刑事(演:露口茂)の3人。さらに、美奈と毛利はかつて恋人同士だったという若干複雑な関係です。



物語は、慈木留が開発した緑色の薬から始まります。慈木留自身が実験台となって薬を服用すると、彼とは似ても似つかぬ、屈強で凶暴な "ハイド" という若者に大変身。ハイドは、街に出て暴力・強姦、さらには殺人と無慈悲に人を襲います。しかし、慈木留に戻るとその記憶は消失。。。



ハイドを捜査していた毛利は、ハイドの目撃情報から、慈木留とハイドに何らかの関係があることを確信します。最後は、ハイドを追い詰めますが、その結末やいかに。

ハイドへの変身

慈木留博士は59歳。外見と挙動からはもっと老けて見えますが、薬を飲んだ瞬間、見た目30代(という設定)のハイドに変身します。髪の毛は白髪混じりから真っ黒な髪に、体つきはヨボヨボからガッチリとした肉体に変わり、同一人物とは到底思えない別人が誕生します。ただ、衣服まで、白衣から黒いトレンチコートに変わってしまう点は謎です。

ハイドの暴力・強姦・殺人のシーン

ハイドの暴力は容赦がなく、大抵の場合、殺害するまで徹底的に暴力を振るいます。変身前の慈木留博士からは想像もできないほど屈強になり、大勢に囲まれても怯むことなく、相手を徹底的に叩きのめします。



また、若い女性がいれば必ずと言っていいほど強姦し、女性は悲鳴をあげ抵抗しますが、なぜかその後はハイドに好意を抱くようになります。ハイドは、妻の美奈まで襲い、最初は美奈も恐怖におののきますが、次第に、ハイドと夫(慈木留博士)が同一人物だと気づき、心と体を許すようになります。



妻の美奈に限らず、第3話の青年団員の恋人(演:岸久美子)、第4話の慈木留の研究室の新人医師(演:横山リエ)、第8話のアイドル歌手(演:太地喜和子)、第11話の団地の主婦(演:石井富子)、第12話の慈木留の友人の娘(演:津田亜矢子)らもまた、ハイドに好意を抱くようになりました。



強姦のシーンは、衣服を破るシーンや接吻のシーンはありますが、露骨な裸体のシーンはありません。代わりに篠山紀信のヌード写真を挿入したり、手足の動きや悲鳴だけを流したりして、行為を暗示する効果を演出しています。

『ジキルとハイド』の音楽

オープニングテーマやドラマ中のBGMは、日本を代表するビッグバンド、原信夫とシャープス&フラッツによる演奏です。特に、オープニングの篠山紀信のサイケデリックな写真とのコンビネーションは、ドラマの不気味さを暗示するようで、冒頭からいきなり惹きつけられます。



また、当時の流行歌も起用されており、ちあきなおみ『四つのお願い』(1970年4月10日発売)、藤圭子『圭子の夢は夜ひらく』(1970年4月25日発売)、『命預けます』(1970年7月25日発売)がBGMとして流れました。1970年3月の時点で全13話の撮影が終了していたという説がありますが、これら楽曲のリリースはその後のことで、どのタイミングで起用されたかは不明です。



第9話で幼児が登場するシーンでは、童謡『夕焼け小焼け』を不協和音にアレンジし、不気味な雰囲気を作り出しています。

『ジキルとハイド』のロケ地

当時のロケ地については情報がなく、ほとんどが不明ですが、2023年現在確認できるものをいくつか挙げます。いずれも、半世紀以上前の街の雰囲気がわかる貴重な映像です。

新宿駅周辺

街並みの映像で最も多いのが、新宿駅周辺です。第3話や第8話では、西口の駅前や東口の新宿通り界隈の様子が確認できます。



特に第8話の、青年が見知らぬ女性(演:伊佐山ひろ子)と出会うシーンでは、かつて新宿三丁目にあった映画館「新宿ロマン劇場」(現在はコメ兵新宿店)らしき映像も確認できます。因みに、当時公開中の映画は『パットン大戦車軍団』。日本の封切りは1970年6月27日で、第8話の撮影時期はこれ以降だったのでしょうか。



また、青年が女性と一夜を共にし、翌朝街を歩くシーンでは、武蔵野通りの「ライオン」と、突き当たりに丸井の古いロゴ(「井」を丸で囲んだロゴ)が確認できます。



半世紀以上前の新宿の様子が垣間見える、貴重な映像と言えるでしょう。

横浜外国人墓地前

第4話で、慈木留博士が研究室の新人医師(演:横山リエ)と食事をするシーンがあります。窓の外には、横浜の外国人墓地が見えており、建物は明らかにその前に位置する「カーネルスコーナー(1967年竣工)」と確認できます。現在は、2階に「エリゼ光」というレストランが入っているようです。



半世紀以上経っても変わらない光景という点で、これまた貴重な映像と言えるでしょう。

その他のロケ地

第4話で石上ユリ(演:梅田智子)が登場するシーンでは、神宮球場渋谷駅南口らしき映像が確認できます。

おわりに

最後に、『ジキルとハイド』の最終回予告のナレーションの一部を引用します。



ハイドへの変身で慈木留が開放感を得たように、そして周囲の人間がハイドに魅力を感じたように、本作は、視聴者にも "爽快な開放感" を与えてくれるドラマなのかもしれません。興味のある方はぜひご覧ください。

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