40年間で5度のドラマ化!「時をかける少女」の歴代作品を振り返ってみた!

40年間で5度のドラマ化!「時をかける少女」の歴代作品を振り返ってみた!

1972年に最初に実写ドラマ化され、その後5度もドラマ化された「時をかける少女」。歴代のドラマと映画作品を振り返ってみましょう。


「時をかける少女」とは?

「時をかける少女」は元々筒井康隆さんの小説です。学習研究社の学年誌『中学三年コース』1965年11月号から『高1コース』1966年4月号に連載された子供向けの小説だったんですね。

中学3年生の少女・芳山和子は、ある日ラベンダーの香りをかいで意識を失ってしまいます。その3日後に和子の周りでは様々な事件が起こります。その翌日、クラスメイトの浅倉吾朗と交通事故に巻き込まれそうになるのですが、その瞬間、和子は前日の朝に戻っていました。

同じ日を繰り返す、つまりタイムリープをするようになった和子は吾郎と、同級生の深町一夫にそのことを伝え、事件の真相を明らかにしようとする、というストーリー。

今ではよくある話、という感じがするかもしれませんがSFでありながら青春、恋愛なども織り交ぜた作品はこの当時珍しかったのではないかと思います。

初のドラマ作品は「タイムトラベラー」

「時をかける少女」が最初にドラマ化されたのは1972年。NHK「少年ドラマシリーズ」の第一作として「タイム・トラベラー」というタイトルで放送されました。

主演は島田淳子さん。深町役は木下清さん。このドラマには吾朗役はいませんでした。

NHKにはマスターテープが残っていなかったのですが、視聴者が録画していた映像があり、補正され2001年に『NHKアーカイブス』で30年ぶりに再放送されました。それだけ見たいという人が多かったんですね。

このドラマが好評だったため、1972年11月に「続 タイム・トラベラー」が放送されます。ですがこちらは設定や登場人物は共通するものの、ほぼオリジナルの作品でした。

1985年度版「時をかける少女」

2作目が放送されたのは1985年。フジテレビ系列の『月曜ドラマランド』で放送されました。主演は南野陽子さん。当時人気絶頂の南野さんを主演に起用したことを推していて新聞に記載されたタイトルは「南野陽子の時をかける少女」でした。

一夫役は中川勝彦さん。吾郎役は伊藤康臣さんでした。

この中川勝彦さんというのはじつは中川翔子さんのお父様です。翔子さんは85年5月生まれなので放送当時にはすでに生まれていたことになりますね。ですが勝彦さんはアイドル的な人気で売りだしているマルチタレントだったため、結婚・娘の出産は隠して活動されていたんですよ。

1994年度版・「時をかける少女」

1994年には再びフジテレビ系列で放送。「ボクたちのドラマシリーズ」第2シーズンの中で内田有紀さん主演でドラマ化されました。

深町役は袴田吉彦さん、吾朗役は河相我聞さん。他にも、鈴木蘭々さん、安室奈美恵さん、菅野美穂さんなども出演されていますよ。今からは考えられない豪華キャストですね。

さらに、原作者の筒井康隆さんが寺の住職役で出演されていました。

この作品はVHSではありますがソフト化されています。

2002年度版「時をかける少女」

2002年には「モーニング娘。新春! LOVEストーリーズ」の中で「時をかける少女」がドラマ化。「モーニング娘。新春! LOVEストーリーズ」はお正月に放送されたスペシャルドラマで「時をかける少女」の他、「伊豆の踊子」、「はいからさんが通る」も制作され3本のオムニバスドラマでした。

「時をかける少女」の主演は安倍なつみさん。他にモーニング娘。からは飯田圭織さんと加護亜依さんが出演されていました。

深町役は内田朝陽さん。吾郎役は永山毅さんでした。企画ものではありますが、その他のドラマ作品と同じく原作に忠実なドラマでしたね。

2016年度版・「時をかける少女」

そして2016年には日本テレビ系列「土曜ドラマ」で再びドラマ化されました。

主演は黒島結菜さん。深町役はSexy Zoneの菊池風磨さん。吾朗役は竹内涼真さんでした。ちなみに深町は一夫という名前ではなく、翔平という名前になって現代化されていました。

「土曜ドラマ」は本来1クールの枠ですが、24時間テレビやリオデジャネイロオリンピックの合間に放送され、全5話の作品でした。さらに朝の情報番組「zip!」の中でショートドラマが放送されていましたよ。

若者向けのドラマは年を重ねるとなかなか見ることがないですが、「時をかける少女」ならどんな世代の人でも懐かしさもあって楽しめそうですよね。

実写&アニメ映画化も!

「時をかける少女」はドラマ化だけでなく、映画化もされています。

1983年には角川映画の尾道三部作として公開。主演は原田知世さんで大ヒットしましたよね。主題歌も大ヒットされています。深町は高柳良一さん、五朗は尾美としのりさんが演じています。

1997年には角川春樹さんが監督を務め再び映画化。和子は中本奈奈さん、深町は中村俊介さん、吾郎は早見城さんでした。

そして2006年には細田守監督でアニメ映画化もされています。

小説を原案としたまた別のお話で、原作の舞台の20年後のお話。主人公は和子の姪の紺野真琴。真琴と2人のクラスメイトがメインキャストになっています。主人公の声優は仲里依紗さんでした。

2010年にも「時をかける少女」というタイトルの映画が公開されていますが、こちらは主人公は和子ではなく和子の娘、芳山あかり。交通事故に遭い昏睡状態の母の頼みで初恋の相手・深町に会うためにタイムリープするというお話。

主演はアニメ版でも主演を務めた仲里依紗さん。和子は安田成美さん、深町は石丸幹二さん、吾郎は勝村政信さんでした。ちなみにのちに仲さんの夫となる中尾明慶さんもメインキャストで出演されています。

時代を超えて映像化される「時をかける少女」。今後もまた作品が増えていきそうですね。

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