猿岩石のヒッチハイク旅  名曲「旅人よ」誕生!!インド脱出!!!

猿岩石のヒッチハイク旅 名曲「旅人よ」誕生!!インド脱出!!!

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールの大英帝国、イギリスまで。野宿、絶食が当たり前の「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


『人探しに車は不可欠ですから・・・』
というスタッフに2人は貸し切りバスを探すことに。
バスターミナルに向かって歩いていると客引きの男性が近づいてきた。
『デリーまで?』
「イエス」
『デリーまで行きます』
「ハウマッチ?」
『1人20ルピー(70円)です』
これは安いと思い、案内されたバスに乗り込もうとしたが中は先客でいっぱい。
「すごい、いっぱい乗ってる」
(パッパラー河合)
「じゃあ、やめよう」
(サンプラザ中野)

2人はアッサリあきらめ、次のバスへ。
「デリーに行きたいんだけど。
トゥ・デリー」
『5000ルピー』
「プリーズ・ディスカウント。
2000ルピー」
『3000ルピー』
これで交渉成立。
バスに乗り込むと
『これが最新情報です』
とスタッフに手渡されたメモに猿岩石の宿泊先の名前と住所が書いてあった。
「ガンジーゲストハウス!」
(サンプラザ中野)
「もう楽勝じゃないんですか?
すぐに会えますよ」
(パッパラー河合)
楽観的な2人を乗せてバスは、ガンジーゲストハウスへ向かった。

バスが近くまでくると爆風スランプは降り、徒歩で細い路地の奥へと向かっていった。
そしてガンジーゲストハウスを発見。
昼間なのに暗くて細い通路を入っていき、
「ハロー」
と誰もいないフロントで呼びかけると男性が現れた。
そして
『どうぞ』
と招き入れられたので、
(もしや、いるのか?)
(もう感動の対面か!)
と期待したが、イスのある場所に通されただけだった。
そこでメッセージボードをみせると
『もうチェックアウトしたよ。
どこにいるのかは、わからない』
いきなり手がかりがなくなって、この後、どうしたらいいかわからない2人は、男性に
『外国人登録所に行けば?』
とアドバイスを受けた。

そして教えられた外国人登録所へ行き、対応してくれた女性職員にメッセージボードをみせると
『いつインドに来たの?』
『飛行機?
それとも・・・』
などと色々聞かれたが、あまり答えられず
『何も知らないの』
とあきれられ、最後は
『座って待ってて。
調べるから』
と追い払われるようにいわれた上に、結局、何の情報も得られずジマイ。
「ダメだ」
「どうしようかなあ」
「オールドデリーに寺があるぞ」
「行ってみようか」
とにかく探し回るしかないと40度の暑さの中、捜索を開始した。

「次は駅だ。
駅に行こう」
ニューデリー駅の前で人々にメッセージボードを掲げ、情報を求めたが手がかりナシ。
あきらめて駅を出ようとしたとき
『その2人なら、さっきみたよ』
という人が現れた。
それは男性警官。
パトロール中、コンノートブレースというデリーの中心街でみたという。
「まだいるかもしれない」
爆風スランプ一は、あわててバスに乗って移動。
到着後、メッセージボードをブラ下げて徒歩で聞き込みをしたが目撃者を1人も発見できない。
「またしても一足違いだったか!」
失意のサンプラザ中野とパッパラー河合は、疲れたのせいか、戻ったバスの中で寝てしまった。

同じ頃、仕事探しに疲れ、座ったまま紙を掲げていた森脇に、1人の男が近寄ってきた。
『どんな仕事がしたいの?』
「何の仕事でもいいです」
『1ヵ月働けるなら雇うよ』
探し求めて3日、ようやく来た仕事の話。
受ければとビザを買うことができる代わりに、1ヵ月デリーに滞在しなければならない。
これまでアルバイトは1週間程度にしてきた2人は、受けるか、断るか、相談を始めた。
「しょうがないだろ。
ないんだから・・・」
一方、バスが猿岩石がいそうな公園に到着し、爆風スランプは再び徒歩で捜索開始。
しばらくするとパッパラー河合が何かを発見。
「オッ、あそこになんか日本人がいるぞ」
「どこ?」
「ほら、ソニーのビデオ持ってるから、きっと日本人だよ」
そういって人だかりの中に入っていくと、しゃがんで話し込む猿岩石を発見した。
「アッ、いた!」
「いたぁー!」

猿岩石が日本語で叫び声がしたのでみてみるとサンプラザ中野とパッパラー河合が現れた。
「なんで、どうしたんですか?」
(森脇)
「どういうことですか?」
(有吉)
と2人は驚きつつも
「初めまして」
と頭を下げ、爆風スランプが差し出した手を両手で握って握手。
サンプラザ中野は、
「有吉くんと、エーッ、森脇さん、中野です」
と一瞬、森脇の名をド忘れしながら自己紹介。
パッパラー河合は
「ムチャクチャ嬉しい!」
といっていきなり有吉をハグ。
「アッ、ボク、くさいですから・・・」
と遠慮する有吉を、サンプラザ中野は、さらに後ろからハグし、2人で挟んだ。

サンプラザ中野は、
「実はね、君たちの姿をテレビで観て、感動して応援しに来たんですよ。
応援するために歌を作ってきました」
と有吉と森脇の頭をナデながら説明。
所持金ゼロと聞いて、パッパラー河合が
『じゃあ今日、夜ご飯オゴるよ』
というと2人は
「エーーーー!!」
と驚き、涙を流して喜んだ。
それをみてパッパラー河合が
「食ってないの?」
と聞くと猿岩石が
「はい、2日」
と答えたので
「エーーーー!!」
と今度は爆風スランプの2人が驚いた。
「とりあえず君たちの家はここだろう?」
「我が家はその辺です」
「じゃあ、まず我が家に行ってみよう」
「あ、はい」
ということになって移動。
猿岩石が
「だいたいこの辺りが僕たちの、はい」
と紹介し、公園の芝生にカーペットを敷いて
「どうぞ」
というと爆風スランプは、
「お邪魔しまーす」

ここでパッパラー河合はギターを取り出し弾き始め、サンプラザ中野は歌い出した。
「なんだかほんとに安心したよ♪
無茶して心を傷つけただろう♪

~中略~

強い風に今立ち向かってゆく
遥か彼方を目指した旅人よ
いつか再び君に出会うまでは
どうかどうか笑顔を絶やさぬままで♪」
猿岩石は、涙を流しながら聴いた。
気がつくと周囲は人混みができていて、歌が終わると拍手が起こった。
猿岩石は何度も頭を下げてお礼をいい、2人の涙は止まらなかった。
代表曲「Runner」(1988年10月)でたくさんの人を勇気づけ、応援した実績を持つ爆風スランプだが、この「旅人よ」も1996年9月21日にリリースされるとオリコン最高8位を獲得し、約50万枚を売り上げるヒット曲となった。

この後、爆風スランプは、猿岩石を連れて日本料理店へ。
まずはビールで乾杯。
2人は、それを目を閉じてノドに流し込んだ後、

天プラ定食
カツ定食
ほうれん草のおひたし
おにぎり
焼き鳥
フルーツ盛合せ
鶏の空揚げ
ざるそば
アイスクリーム

など12皿を平らげた。
サンプラザ中野の所持金は、6500ルピー(23000円)
そして気になるお会計は、
『4744ルピー(17000円)です』
店員にいわれ、猿岩石は
「ビザ取れるよ」
と驚き、店を出た後、
「ありがとうございました」
「ごちそうさまでした」
と挨拶。
「いやいや」
と男らしく応じたサンプラザ中野たが、後にこの出費を後悔することになる。

日本料理屋を出て、4人で歩く爆風スランプと猿岩石。
「風呂はどれくらい入ってないの?」
(パッパラー河合)
「4日、5日・・・」
(有吉)
「ホテル来る?」
(サンプラザ中野)
「エエッ!!」
「エエッ!!」
(猿岩石、2人同時に驚いた)
「俺らもホテル決まってないだろ」
(サンプラザ中野)
「そうだよ!」
(パッパラー河合)
するとここでスタッフから
『さっきのおつりで泊まれるホテル、探してください』
という指令を出て、新企画「ホテル探し in インド 爆風&猿岩石編」がスタート。
「さっきあんなに食わなきゃよかった」
パッパラー河合は、頭を抱えて後悔。
サンプラザ中野は、所持金をチェック。
「1700(ルピー、6000円)!」
「1700だと、お1人、400ルピー?」
パッパラー河合の計算は、ほぼ正解。
正確には425ルピー(1500円)だが、おおよその予算がわかると4人でホテル探しスタート。

1軒目、アショカホテルのフロントで
「1人1泊いくらですか?」
と聞いて
『199ドル』
といわれ、
「なんだ泊まれるじゃん」
といったサンプラザ中野の後頭部をパッパラー河合は
「ダラーだよ」
といいながらハタいた。
2軒目、タージ・パレスでは
『お1人様、200ドルです』
といわれ、有吉は
「ウイ・アー・ジャパニーズ・フェイマス・タレント(私たちは日本の有名なタレントです)」
といってハッタリで圧をかけたが、
『そんなことは関係ありません』
とピシャリといわれてしまった。
3軒目は、シッタルダホテル。
『1部屋250ドルです。
何ルピー持ってますか?』
「1700ルピーです」
それを聞いた親切なフロントマンは、自ら他のホテルに電話して話をつけてくれた。
そして一行は4軒目、紹介されたスイスパレスへ向かった。
「あっ、きれい」
「あっ、いいじゃん」
豪華な外観に驚き、フロントで4人部屋を1つ確保。
猿岩石は部屋についている風呂に入った後、フカフカのベッドで寝て、夢のように豪華な夜を過ごした。

翌日、猿岩石のイランのビザ代、3500ルピー(12000円)をつくるため爆風スランプは、ストリートライブを行うことにした。
最初のライブポイントは、ガンジーの墓地「ラージガート」
パッパラー河合は、ギターケースを開いて置いてお金入れにし、呼び水として自分のお金、お札1枚とコイン数枚を投げ入れた。
サンプラザ中野が
「Hey」
と周囲に呼びかけて、客を集めてライブスタート。
「ジャパニーズ・フェイマス・ソング」
というフリから、
「あなたは稲妻のように♪
私の心を切り裂いた♪・・・」
とアリスの「冬の稲妻」を熱唱。
しかしインドの人にはウケず、まったく盛り上がらなかった。
すぐにそこを撤退し、よりたくさんの人がいて、かつ木陰のある場所に移動。
インドだけに
「カレーソング!」
と曲紹介してから
「♪Hey Mr.BON・・・」
と大野克夫の「ミスターBON」を歌うとみせかけ、
「ボンカレーゴールド♪」
と速攻でオチをつけ終了。
すると客の約半分が速攻で去っていった。
4人の日本人が呆然と立ち尽くしていると、1人の少年がギターケースにコインを入れてくれた。
「イケるかも!」
爆風スランプは再び張り切って歌い出した。
徐々に人が増えてきて、1人の男性がギターケースにお札を入れてくれると、サンプラザ中野は握手をしながら
「What Your Name?」
と名前を聞き、男性が
『シン』
と答えると、パッパラー河合はギターをかき鳴らしながら
「ミスター・シーン、ミスター・シーン、ミスター・シーン・・・」
とリフレイン。
これが大ウケし、多くの人が自分の名前入りソングを歌ってもらおうと次々にお札を入れていった。
ライブは盛り上がり、結局、ギターケースの中には840ルピー(3000円)が入れられた。

順調な滑り出しをした4人は、次のライブポイント探して移動。
するとインド人と話すサラリーマン風の日本人を発見。
パッパラー河合は、すぐに準備し、
「♪あなたはもう忘れたかしら・・・」
とかぐや姫の「神田川」を弾き語り。
しかし至近距離に立つ、そのサラリーマン風日本人は、テレているのか、背中を向けたまま無視。
仕方なく場所を移動し、別の場所でライブを始め、お客さんも集まっていたが、警官がやってきてギターケースを閉じて有吉に押しつけた。
『ここでそんなことをするな。
早く片づけて出ろ』
「はい、ソーリー」
4人はあえなく撤収。
肩を落としながら4つ目のライブポイントを探し、
「♪I Love INDIA~(インドが好きだ~)」
とお世辞ソングで集まった人の心をつかみ、ギターケースの中にドンチャカお金が入っていった。
(これはイケる!)
4人のテンションも最高潮となり、大盛況のライブは1時間にも及んだ。
ここでの稼ぎは、960ルピー(3500円)
合計で1800ルピー(6300円)となり、目標の3500ルピーの半分を超えた。
4人は一獲千金を狙って、お金持ちが集まる高級ブランドショップがあつまるエリアへ。
すると作戦成功!
次々とお札がギターケースに入っていく。
「Goodby INDIAァ~」
といってライブを終えてから、売り上げを計算すると1800ルピー。

840+960+1800=3600ルピー

目標金額を100ルピーも上回っって達成。
森脇は
「働かずしてビザ入手だ」
と歓喜。
喜ぶ有吉は喜ぶあまり
「さすが爆笑さん」
と間違えて
「爆笑じゃねえよ」
とサンプラザ中野に頭を優しくハタかれた。

3600ルピーを受け取った猿岩石は、ヒッチハイクポイントへ移動。
爆風スランプが見守る中、
「PAKISTAN」
と書いた紙を掲げた。
停まっては断られを続ける猿岩石。
車が停まる度に手を合わせてヒッチハイク成功を祈る爆風スランプ。
2時間後、トラックをGETすると、4人は握手を交わして別れた。
「がんばれー」
路上で手を振る爆風スランプに、猿岩石は荷台の上から
「ありがとうございました」
別れ際、1人200ルピーずつ餞別をもらい、ストリートライブの収益3600ルピー + 餞別400ルピー = 所持金 4000ルピー。
しかしイランのビザ代3500ルピーを払うと所持金は500ルピーとなった。

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