猿岩石のヒッチハイク旅  名曲「旅人よ」誕生!!インド脱出!!!

猿岩石のヒッチハイク旅 名曲「旅人よ」誕生!!インド脱出!!!

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールの大英帝国、イギリスまで。野宿、絶食が当たり前の「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


25日目、4ヵ国目、ラオス入国
29日目、5ヵ国目、タイ入国
41日目、6ヵ国目、ミャンマー入国
46日目、インド入国
そしてし49日目、有吉は、22歳の誕生日をカルカッタへ向かうトラックの荷台の上で迎えた。
所持金は0円で一緒に荷台に乗っていたインド人男性に
「ノーマネー、ノーホテル(お金も泊まるところもない)」
と相談すると、
『ティンペンに泊ればいい』
「ティンペン?」
『ティンペンだったらお金は要らないし、食事もできる』
といわれ、カルカッタに到着すると、ワラをもつかむ気持ちでティンペンに案内してもらった。
するとお坊さんがいて、「ティンペン」と聞こえていたのは実は「テンプル」、つまりお寺だったことがわかった。
そして正座し、頭をカミソリを持って剃られ、有吉は
「ニッポンノスモノディッサ」
森脇は
「ニッポンノピアティッサ」
という名前をもらい、数日間、修行僧をした。

その後、カレーの中に入れる各種の豆を精製する工場「ドルガ・ブランド・ビーンズ・ファクトリー」で働いたりしながら、首都、デリーを目指した。
しかし袈裟姿だったため、知らないうちにネパールとの国境、ラクサウルまで来てしまう。
運転手によると、インドのお坊さんはラクサウルからネパールに入ってカトマンズに巡礼に行くので気を利かせて連れてきてくれたという。
しかしこれは猿岩石にとっては有難迷惑で、イギリスまで真っすぐに西に、デリーからパキスタンに抜けたほうが近道。
思わず袈裟が仇となった形だが、これも仏の導き。
有吉は、
「じゃ、もう行こう」
と半ばヤケでネパール入国を決定。
ネパール出入国管理事務所で入国手続き。
『15ドルです』
とビザ料金が1人、15ドルといわれ、所持金1000ルピーのうち、2人で930ルピーを払って、残金は70ルピーになった。
森脇は
「あの財布の金、全部なくなるんだ」
と嘆いたが 、係員に
『ヨウコソ』
と日本語で歓迎され、苦笑いした。
こうして64日目、手違いでネパールに入国し、標高8848m、エベレストの姿を拝んだ後、69日目、インドへ再入国したのである。

70日目、トラックのヒッチハイクに成功した2人は、7時間かけて南西へ200km移動。
「どうもありがとうございました」
「サンキュー」
運転手に握手し、両手を合わせてお礼をいって別れると野宿ポイントを探し、ガンジス川の川岸で一泊した。
ベナレスは、首都デリーから南東に約820km、カルカッタから北西に約700kmと両巨大都市のほぼ中間に位置し、街の中心を聖なるガンガー(ガンジス川)が流れ、大小1500近いヒンドゥー教寺院と270以上のモスクが広がる国内外から 年間100万人が訪れるヒンドゥー教、仏教の一大聖地。
参拝客はガンジス川の西岸約500kmに渡って伸びる階段状のガートで身を清め、市内の寺院に参拝し、ガート沿いには寺院や参拝客用のホテル、民家が様々な形で立ち並んでいた。
翌日、無一文の2人はベナレスの街で
「I want job」
(有吉)
「Someting Job?」
(森脇)
と紙に書いた掲げた。

1時間後、男性が立ち止まって話しかけてくれた。
『仕事欲しいの?』
「イエス」
『お金無いの?』
「イエス」
『ゴパール氏のところに行くといい。
何か仕事を紹介してくれるよ』
ゴパール氏は地元の有力者で親日家だという。
2人は早速、ゴパール氏を訪ね、短期のアルバイトをしたいと頼んだ。
『明日もう1度来てください。
その間に何か仕事を探しておきますから』
「サンキューベリマッチ」
(森脇)
「バイバイ」
(有吉)
そういって引きあげた2人は、期待と不安を抱きながら、ガンジス川でもう一泊。

翌朝、ゴパール氏のところへ行くと
『一緒に来てください』
といわれ、
(仕事か!?)
喜びながら車に乗り、15分、何やら大きな建物に到着。
そこはカーペット製造工場で、さっそく
『道具を持ってきて』
といわれ、アルバイト開始。
仕事は大きなピンセットを持ってカーペットに付着している糸クズを取り除く作業。
1枚のカーペットに数人がとりついて作業する。
「マジ、1日コレ?
ずっと?」
(有吉)
「いいじゃない。
俺、大好き、この仕事!」
(森脇)
単純な作業が延々と続き、18時、仕事終了。

同日、日本で放送された「進め!電波少年」に、室井滋が出演し、猿岩石と電話で会話した。
「初めまして、室井と申します」
「あっ、初めまして」
「すいません、どうも。
あのぉーなんか送りますぅ?」
この一言によって、新企画、
「日本アカデミー賞女優、室井滋 猿岩石を探して大追跡!」
が始動。
後に室井滋は、トルコでひどい目にあうことになる。
一方、インドにいる猿岩石のカーペット工場の仕事は、9~18時。
日当は2人で100ルピー(350円)
食事は、先輩従業員に混じって社員食を食べ、1人1食5ルピー。
寝泊まりは工場の倉庫に無料で寝かせてもらった。
そんな生活を4日間続け、350ルピー(1200円)が貯まった。

2人には
「いい娘じゃない」
とずっと気になる人がいた。
それは2人の女性事務員。
カーペット工場5日目の昼休み、思い切って誘ってみることにした。
「メシ、誘いたいな」
「露店じゃダメだろうな」
「怒るよ」
「レストランだろうな」
と相談しながら、休憩に出ようとする女性事務員に近づき、
「ランチ?」
「ゴ、ゴー・トゥー・レ、レストラン?」
顔を見合わせる女性たちに
「ア、アイ・ペイ!」
というと笑顔に。
「オー、OKだよ」
舞い上がった有吉は、気がつけば道を裸足のまま歩いていた。
「雰囲気壊すな、お前」
とツッコむ森脇も満面の笑顔。
「なんかいい感じ」
と浮かれながら、女性たちの案内でレストランに到着。
しかし席に座った彼女たちは笑顔ではなく仏頂面で目を伏せたまま。
ジャパニーズお笑い芸人は、その重たい空気にビビった。
なんとか突破口を見い出そうとするが会話がハズまない。
やがて食事が運ばれきても、女性たちは無言のまま、黙々と食べ続け、有吉が
「フィニッシュ?」
と聞いても首を傾けるだけ。
結局、何の交流、何の収穫もないまま、ランチタイムは終了した。

気になるお会計は
『127ルピー(440円)です』
それを聞いて森脇は思わず
「アッチャー」
帰り道、すぐ横に女性が歩いている中、大きめの日本語で
「アーア、こんなことならやめときゃよかったよ。
金出しても笑顔1つないしな。
笑顔がみたいからオゴったんだよ。
も、仕事だけにしよ。
も、本当」
(有吉)
「オンナにウツツぬかしてるヒマねえな。
やっとわかったよ」
(森脇)
「やっぱりダメだ」
(有吉)
とグチってウサ晴らし。
そして工場に戻ると、引き続き
「あーあ、バカだなオレたち」
「1日分、飛んだよ」
と2人並んで壁にもたれながら座り、反省会。

・ナンパに失敗
・1日分の給料を失う

というダブルショックに打ちのめされながら、午後の仕事をするしかなかった。

カーペット工場6日目、
「もう決して誘惑には負けない」
と誓った2人は、旅の資金づくりのために黙々と働き、7日目、予定通り、アルバイト終了。
最後の日当を受け取り、530ルピー(1900円)が貯まった。
『今日で最後ですね』
「イエス」
『だったらこれ、お土産にして、思い出にしてください』
工場長は2人に1枚ずつ小さなカーペットをプレゼント。
その後、仕事仲間に挨拶をしてから、空手着を着て出発。
工場の玄関まで見送りに出てきた彼らに
「バイバイ!」
振り返りながら手を振った。
「うれしいな」
「滞在するとこれが(別れ)があるからツラいんだよなあ」
そしてこの街にやって来たときと同じ、ガンジス川のほとりに戻り、もらったカーペットを敷いて野宿した。
「あー、いいなあ」

79日目、ヒッチハイクを再開した2人は、1時間後にトラックをGETし、ベナレスから西に50kmのアラハバードに移動。
80日目、またもトラックをGETし、今度は300㎞を12時間かかってアグラへ。
「サンキュー、サンキュー」
「いい人だった」
と運転手と別れたのは午前1時。
近くにあった公園で野宿。
首都、デリーはもう目の前だった。
翌日、この街には有名な観光ポイントがあると聞いて行ってみることに。
「うわあ、デケえな」
と驚いたのはタージ・マハル。
16世紀半ばに建てられた歴史的建造物を観て、2人はなにか得した気分になって、そのままヒッチハイク。

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