誹謗中傷と名誉毀損
誹謗とは、悪口を言うこと。悪口とは、他人のことを悪くいうこと。
中傷とは、根拠のないことを言って他人の社会的評価を下げること。

度が過ぎた誹謗中傷行為を行った場合は、名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪、業務妨害罪など法的な責任を問われる場合もある。
山本リンダ事件
1993年5月に歌手の山本リンダは、ヘアヌード写真集「WANDJINA(ワンジーナ)」を発売した。
5月23日放送の関西ABCラジオ番組『誠のサイキック青年団』内で、北野誠と竹内義和は、当時43歳の山本リンダのヌードを「誰も見たくない」「100か所以上の美容整形をしている」「まるでサイボーグやで」と酷評した。山本側は、名誉棄損だとして、朝日放送に『慰謝料1億円と謝罪広告』を要求した。
8月5日、北野、竹内、山本が同席した和解記者会見が開かれ、北野が山本に直接謝罪して一件落着した。

山本リンダ
1960年代から1970年代に「こまっちゃうナ」、「どうにもとまらない」、「狙いうち」などのヒット曲で人気を博したセクシーアイドル山本リンダ。
ネットがまだ普及していない時代(1993年)に起きた「山本リンダヘアヌード写真集事件」により、北野誠の名前は世間に知れ渡り一躍有名になった。
麻木久仁子【発信者の情報開示】
2011年1月4日、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」にタレントの麻木久仁子に関する書き込みがされた。3月中旬に麻木は、「2ちゃんねる」の書き込みによって、名誉を傷付けられたとして、損害賠償と謝罪広告の掲載を要求するためにプロバイダーである浜松ケーブルテレビに発信者の名前と住所、メールアドレスの開示を求めたが、浜松ケーブルテレビは、書き込みが名誉毀損に当たるかどうかは同社で判断できないとして開示を拒否した。その後、4月初旬に訴訟をおこした。26日、静岡地裁浜松支部の判決で、「記載内容が社会的信用を低下させるのは明らかで、真実でもない」として、27日までに、請求通り発信者の情報開示を命じた。

麻木久仁子
麻木久仁子・食べる温活のススメ on Instagram: "初詣。お念仏を唱えて参りました。今年も穏やかな一年でありますように💜"
当時、麻木久仁子、大桃美代子、山路徹による不倫騒動は、かなり話題になり、会見を開くにまで発展した。騒動後の麻木はテレビのレギュラー番組には出演せず、無期限自粛すると報道された。
西田敏行へのネット中傷【書類送検】
2016年5月ごろ「西田敏行が、違法薬物を使使用している。日常的に暴力をふるっている」などという内容のまとめ記事を自身のブログに転載した。西田の事務所はホームページに「書き込みは全くの事実無根。刑事、民事の責任追及を進める」とする告知文を掲示した。2016年8月西田所属事務所は業務を妨害したとして被害届を提出。赤坂署は実際には薬物などの使用の事実はなく、書き込みは虚偽の内容だと判断。2017年7月、偽計業務妨害容疑で中部地方に住む40代の女ら男女3人を書類送検した。

西田敏行
デヴィ夫人の名誉【損害賠償110万円】
インドネシアのスカルノ元大統領第3夫人で、タレントとして活躍しているデヴィ夫人は、日本生まれ、インドネシア国籍。その人生において、いくつかの裁判を体験している。名誉毀損に関しての訴訟のひとつは、故淡路恵子の葬儀の際に「デヴィ夫人が棺の中の遺品の着物を取り出そうとした」と報じられたことで、虚偽の記事で名誉を傷つけられたとして、淡路の長男で俳優の島英津夫に損害賠償を求めた訴訟だ。2017年に東京地裁は島に88万円の支払いを命じた。島英津夫側も、デヴィ夫人が自身のブログで島の売名行為だと批判したことから、約550万円の損害賠償求めた訴訟を起こした。島の訴えも認められ、デヴィ夫は一部記載の削除と33万円の支払いも命じられた。
また、虚偽の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、「女性自身」を発行する光文社に3100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は31日、記事は真実でないとして、光文社に110万円の支払いを命じた。その後和解している。同様に週刊誌に記事を掲載した小学館にも90万円の賠償を命じた。
デヴィ夫人と島英津夫は双方の名誉毀損により、二人ともに損害賠償金を払った。
※金額は、差し引き55万円ですかね。
井岡投手の「嫁がブ◯?!」【ネット悪口】
2017年7月、 DeNA井納翔一投手の妻さんに対して、匿名掲示板で「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」と投稿された。井納選手の妻は掲示板に情報開示を請求。情報開示が認められ、書き込みをした20代女性AのIPアドレスを入手した。ネット提供会社から個人情報(氏名、住所、電話番号)を入手。2017年11月に書き込みをしたAにプロバイダから個人情報開示通知が届く。2018年にAのもとに訴状が届き、井納翔一より情報開示にかかった費用約77万円を含む損害賠償として、被告負担191万9686円を請求された。

井納翔一
嫁に対する誹謗中傷から、情報開示~損害賠償請求が報じられた井岡投手夫妻は、野球ファン以外にも注目された。奥様の写真をネットで探した人も少なくない。
爆笑問題『太田光』裏口入学【損害賠償440万円】
2018年8月、「週刊新潮」が「爆笑問題『太田光』を日大に裏口入学させた父の溺愛」と題した記事を掲載した。太田側は、虚偽の記事で名誉を傷つけられたとして新潮社に約3300万円の損害賠償と謝罪広告を求めて東京地裁に提訴した。
12月21日、東京地裁の判決公判で、新潮社に440万円の支払いとウェブサイト記事の削除が命じられた。太田側が求めた謝罪広告掲載は認められなかった。その後、双方が控訴するも棄却された。

爆笑問題(太田光:右)
堀ちえみ【書類送検・懲役】
2019年、堀ちえみにステージ4の舌がんが発生した。堀が手術を受けた前日にブログのコメント欄に「死ね消えろ馬鹿みたい」と書き込まれた。その後も、「死ねば良かったのに」など数ヶ月にわたり何度も誹謗中傷のコメントを投稿された。これを受けて堀の関係者は警視庁に被害届を提出。同年6月、北海道在住の50代主婦が脅迫容疑で書類送検された。
2020年と21年に無職の男性被告(29歳)は、情報サイト「ママスタ」に堀ちえみの「住所が判明し次第、殺しに行く」「首を切断して殺す」などと書き込んだ。この男性は堀以外の有名人に対しても侮辱、脅迫罪に問われており。2023年1月17日に東京地裁で開かれた論告求刑で、検察側は懲役1年6月を求刑した。

堀ちえみ
堀ちえみは、中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代とともに「花の82年組」と言わている。
野田聖子大臣の夫は、元暴力団員【文春砲】⇒国を提訴
2018年8月号で「週刊文春」は、 野田聖子地方創生相の夫・野田文信氏が、過去に暴力団員だったなどと報じた。野田側は「週刊文春」の記事は事実無根であり、名誉を傷つけられたとして、発行元の文藝春秋に1100万円の損害賠償を求めた。
名誉毀損訴訴訟では、文藝春秋に55万円の支払いを命じた判決が確定。元暴力団員との内容は「重要な部分において真実と認められる」と認定した。2022年8月、最高裁は、文信さん側の上告を退ける決定をして、東京高裁判決が確定した。
2023年1月12日、野田聖子前男女共同参画担当相の夫文信氏は、自身を元暴力団員などと報じた週刊文春の記事を巡り、警察庁幹部が週刊文春側に虚偽の情報を漏えいしたとして、国に1100万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
ネットでは、「文信氏の代理人は”無罪請負人”弘中惇一郎弁護士である」と言われている。
野田聖子大臣の夫が「元暴力団員は真実」なのか?注目を集めている。