【訃報】西鉄ライオンズの元エース・池永正明さん死去。「黒い霧事件」で永久追放処分されるも後に復権

【訃報】西鉄ライオンズの元エース・池永正明さん死去。「黒い霧事件」で永久追放処分されるも後に復権

60年代に活躍した西鉄ライオンズのエース・池永正明(いけなが まさあき)さんが25日、がんのため亡くなっていたことが明らかとなりました。76歳でした。


【訃報】西鉄ライオンズの元エース・池永正明さん死去。

60年代に活躍した西鉄ライオンズのエース・池永正明(いけなが まさあき)さんが25日、がんのため亡くなっていたことが明らかとなりました。76歳でした。

第一報はこちらです!

池永さんは1946年、山口県下関市(旧豊北町)出身。下関商業高校時代に甲子園で投手として活躍し、1965年には尾崎正司(ジャンボ尾崎)らとともに西鉄ライオンズに入団。入団1年目から20勝を挙げ新人王を獲得、さらに1967年には23勝を挙げ最多勝投手となるなど西鉄のエースとして活躍していましたが、1969年に発覚したプロ野球の八百長疑惑「黒い霧事件」に巻き込まれ、翌1970年には永久追放処分となりました。その後は福岡県福岡市でバーを経営。また2005年には上述の事件での処分が解除され、球界復帰を果たしていました。

藤本博史監督が池永さんの死を悼む。

このたびの池永さんの訃報には、ソフトバンクの藤本博史監督が追悼のコメントを発表。自身が居酒屋を経営していた時代に、池永さんが店に足を運んでくれたエピソードを引き合いに出し「解説している時にゴルフとか月に1回は行っていた。店をやっている時も、週に5回くらい来てもらっていた。かわいがってもらった大先輩なので。本当に寂しいですね」と故人を偲んでいました。

1969年にプロ野球界を震撼させた「黒い霧事件」とは?

西鉄の伝説のエースとして現在も語り継がれている池永さん。そんな彼のキャリアを突如終わらせてしまったのが、1969年に発生した「黒い霧事件」でした。果たしてどのような事件だったのでしょうか?ここで軽く振り返っておきましょう。

概要

黒い霧事件とは、1969年から1971年にかけて発覚した八百長事件。暴力団による野球賭博が発端となり、試合結果を操作するために金銭を受け取ったプロ野球関係者が相次いで永久出場停止(追放)などの処分を受けることとなりました。

多数の選手が処分される。

この事件では、1969年のペナントレース中に西鉄の投手・永易将之が八百長をやっていたことが発覚し解雇されたのを皮切りに、続々と同様の八百長・金銭授受が発覚。池永さんを含む6名が永久追放処分、他にも10名以上が謹慎処分などを受ける結果となりました。

池永に下された永久追放処分…その後は?

永久追放処分を受けた池永さんですが、金銭授受は認めていたものの「先輩選手からお金を預かってくれと言われ、押し入れに閉まっていただけ」と、八百長に関しては一貫して強く否定していました。しかしその言い分が認められることはなく、1970年をもって永久追放処分に。その後はプロ野球界を去り、福岡県福岡市の繁華街で「ドーベル」というバーを長年にわたり経営していました。そのバーのトイレには、現役時代を知るファンからの激励のコメントがマジックで沢山書かれていたと言います。そんな中、池永さんの同期であったジャンボ尾崎らによる池永さんの復権運動が活発化。2005年のプロ野球オーナー会議を機に、35年ぶりに復権を果たしました。この復権により野球解説などの仕事が可能となり、2011年には九州のテレビ局での解説が実現しています。

事件発覚時、永久追放された他の選手から「池永が自分たちと同じ処分なんて球界の損失だ。あのような投手はもう出てこない」と言われたほどの、伝説級エースであった池永さん。そんな彼の功績は、今後も野球ファンの間で語り継がれていくことでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。

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