日本画家。洋風の屋敷に一人で住んでいる。
戦時中、10歳の時、軍人だった父を誘惑した、父の上官の情婦を竹やりで刺し殺したことがあり、以来女性との触れあいを自身に禁じていた。C級戦犯として処刑された父に代わり祖父に引き取られ、遺産の洋館にあった緊縛絵に魅せられ、以来画家となる。
学生運動が盛んな頃、キャバレーでバイトをしている椎名順子を雇い、緊縛絵のモデルにしたことがある。
その後、同じように戦時中に心の傷を負ったSM作家の真壁忍と情を通じたものの、快楽を得ることに罪悪感を持ってしまった忍が自殺をはかり、その幇助をしたことで刑事告発された。
椎名 順子(しいな じゅんこ)
学生運動の頃、大学のセクトの闘志森川に魅かれ、彼を支えるためキャバレーでバイトをした際、日本画家の昭島薫に絵のモデルとして雇われ、緊縛絵のモデルをする。
大学卒業後弁護士の資格を取り、森川とは別れたが、昭島のところで緊縛され快楽を得た経験を忘れられない。
真壁忍の自殺幇助を行い告発された昭島の弁護人を引き受ける。
森川 浩介(もりかわ こうすけ)
椎名順子と同じ大学で、学生運動の過激派セクトの幹部。中核派に所属し、新聞社爆破テロ事件の犯人として指名手配されている。
マンガ「エロスの種子」の見どころ
タイトルに「エロス」とありますが、内容は決して読者を欲情させようとして描いているエロではありません。もちろんもんでんあきこの描く女体は非常に美しく、シーンやポーズにエロいところはあります(たくさんあります)が、描きたいのはその「エロス」が何に起因するのか、なぜエロスという、蔓のような蔦のようなものは発芽し、ひとの肉体を、理性を、心を覆い、からみつき、生き方を曲げるまでのものになるのか、ということ。そのありさまを、ひとつひとつ大事に語るエピソードをもって伝えるもんでんあきこの画力と、ストーリーテリングの力に圧倒されます。
時代背景的に暗いものもあれば、苦しみの中に突き抜けた明るい哀しみもあり、上質の文学を読んでいるかのようななめらかな語り口は、マンガというメディアを通して得る「大人の愉しみ」と言えるでしょう。未読の方に是非にお勧めしたい作品です。
もちろんAmazonでも「エロスの種子」コミックを全巻大人買いが出来ます!
電子書籍もいいけど、紙のコミック派の方は、是非Amazonからのご購入をオススメします!Amazonなら配送サービスもあり、早ければ次の日にはお手元に届くことも!コミックで「エロスの種子」を全巻読みたい方はAmazonをチェックしてみては??
※本記事は執筆時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。詳細は、各サービスの公式サイトをご確認ください。