『101回目のプロポーズ』


まずは90年代を代表するラブストーリー『101回目のプロポーズ』から。浅野温子さんと武田鉄矢さんがダブル主演した月9の名作は海外でも非常に人気の高い恋愛ドラマです。2003年には中韓合作のテレビドラマ『第101次求婚』としてリメイクされました。ヒロインのチェリスト、リー・シャオロン役を『冬のソナタ』でお馴染みの人気女優チェ・ジウが、彼女に求婚する男ジェン・ジンタイ役を香港の俳優スン・シンが演じています。
また2006年には韓国版のテレビドラマが、そして2013年には中国・日本合作のリメイク映画『101回目のプロポーズ 〜SAY YES〜』が製作され、映画版では日本でも活躍したリン・チーリンが主演を務めたほか武田鉄矢さんもオリジナル版と同じ役柄で特別出演しました。
『花より男子』

海外リメイクの王道作品といえば日本でも映画やテレビドラマとして映像化され大ヒットを記録した『花より男子』です。海外版1番の成功例として有名なのが、『流星花園』(りゅうせいはなぞの)のタイトルでテレビドラマ化された台湾版!姉妹デュオとしてアイドル活動をしていたバービィー・スーがヒロイン牧野つくし役に当たる董杉菜を、そして当時新人だったジェリー・イェン、ヴィック・チョウ、ケン・チュウ、ヴァネス・ウーの4人がF4を演じ、彼らはドラマの記録的な大成功とともにアジア中で大ブレイクを果たしました。
同作は少なくても世界13カ国に輸出され、特に香港、インドネシア、シンガポール、フィリピンでは海外ドラマ歴代最高視聴率をマークするなどの社会現象に!また劇中でF4を演じた4人によって実際にもアイドルグループ「F4」が結成され、その人気ぶりをアメリカのCNNニュースが特集したこともありました。彼らの代表曲「流星雨」は今でも幅広く愛される青春ソングの1つとして多くの人々の心を温かくしています。

2009年には韓国版が、2018年には台湾版と同じく『流星花園』のタイトルで中国版が、そして2021年には『F4 Thailand / Boys over flowers』のタイトルでタイ版がそれぞれ製作されました。今後もどのような広がりを見せるのかとても楽しみな傑作コンテンツですね。
『あすなろ白書』

柴門ふみさんの同名漫画を原作に石田ひかりさん、筒井道隆さん、木村拓哉さん、鈴木杏樹さん、西島秀俊さんらが共演しテレビドラマ化された『あすなろ白書』(1993年)。「あすなろ会」というサークルを通じ、男女5人が織りなす恋や友情、そして若さゆえの苦悩や葛藤・喜び全てを描いた青春群像劇です。当時社会現象が巻き起こるほどの大変な人気を誇りましたよね。
そんな同作は2002年に『愛情白皮書』というタイトルで台湾でもリメイクされています。同作には『花より男子』の台湾版『流星花園』で注目されたレイニー・ヤンがヒロイン・なるみ役を、そしてこの後、香港映画「インファナル・アフェア」シリーズや「頭文字D」で活躍することとなるショーン・ユーが掛居役を演じ大ヒットを記録しました。日本でもここから石田ひかりさんや木村拓哉さんの人気に火が付いたように、デビュー間もない新人時代に出演したこの作品でブレイクを果たした彼らが現在の華流スターです。
『星の金貨』

1995年の大ヒットドラマ『星の金貨』は耳と口が不自由な看護見習いの彩(演:酒井法子)と医者の秀一(演:大沢たかお)、秀一の腹違いの弟で同じく医者の拓巳(演:竹野内豊)が繰り広げる複雑で切ない物語。当時新人だった大沢さんと竹野内さんはこの作品がキッカケとなり大ブレイクを果たしましたよね。実は主題歌「碧いうさぎ」とともにアジア圏でも人気が高い『星の金貨』は、2005年に韓国でテレビドラマ『春の日』として大幅リメイクされ、こちらも本国で大ヒットを記録しています。
『遊びの時間は終らない』

都井邦彦さんの同名小説を原作に本木雅弘さん主演で映画化された『遊びの時間は終らない』(1991年)。この作品を基にリメイクされたのが韓国映画『正しく生きよう』です。物語は警察署長のイ・スンウ(演:ソン・ビョンホ)が訓練の一環として計画した銀行強盗逮捕の予行演習。その犯人役に選ばれたのが交通課の巡査チョン・ドマン(演:チョン・ジェヨン)でした。しかし真面目過ぎる彼が完璧に強盗犯を演じ切ってしまったために、訓練の枠を超えた大騒ぎへと発展する韓国で大ヒットを記録したドタバタ・コメディです。
『シャ乱Qの演歌の花道』

意外なところでは1997年に『CAT'S EYE キャッツ・アイ』と同時上映された映画『シャ乱Qの演歌の花道』も韓国でリメイクされています。この作品は当時「ズルい女」や「いいわけ」などの大ヒットで人気絶頂だったロックバンド「シャ乱Q」が総出演したギャグ物語。2007年に『覆面ダルホ~演歌の花道』というタイトルで製作されました。主演を『猟奇的な彼女』でお馴染みのチャ・テヒョンが務め、本国では大ヒットを記録しています。ちなみに『シャ乱Qの演歌の花道』がリメイクされることになったのは、製作を務めたコメディアンのイ・ギョンギュが日本に留学していた際に同作を見ていたことがキッカケだったという。
『失楽園』
そして渡辺淳一さんの不倫を主題とした同名恋愛小説を原作に、役所広司さん黒木瞳さん共演により社会現象を巻き起こした大ヒット映画『失楽園』(1997年)。同じ年に公開された『もののけ姫』に次ぐヒット作品となり、当時の流行語にもなりましたよね。翌年にはすぐに韓国でリメイク版が製作されています。しかしオリジナル版が韓国に上陸したのは、何と日本公開から14年後のことでした。
リメイク市場、今後はどうなる?

日本でもドラマ『Suit(スーツ)』『24』『グッド・ドクター』や映画『50回目のファーストキス』など海外作品のリメイクものが増えてきましたが、近年アジア圏ではその傾向がさらに加速し、タイや韓国で『マザー』のリメイク版が製作されたり、2021年には『おっさんずラブ』もすでに香港でリメイクされています。今後も『東京ラブストーリー』が中国でリメイクされるとのアナウンスが聞こえてくるなど、まだまだこうした流れは続いていく予感!オリジナル作品と見比べながら、どちらも楽しみたいですね。