「無いものは自分たちで創る」夢のホビーパソコン『X68000』の魅力について語っちゃいます

「無いものは自分たちで創る」夢のホビーパソコン『X68000』の魅力について語っちゃいます

1987年発売当時、他のゲーム機やパソコンを圧倒する性能と子供には手の出ない高価な価格は、マイコン好きの少年達にとって憧れの存在でした。そんな夢のパソコンX68000についてご紹介します。


X68000とは

X68000は昭和62年(1987)にSHARPから発売されたパソコン。
初代の本体価格は369,000円

夢のホビーパソコンX68000

初代機同梱ソフト『グラディウス』

CM

その驚異的な性能

比較画像 ファミコン版アフターバーナー

では、その当時のパソコン業界はというと

比較画像 X68000版アフターバーナーⅡ

洗練された衝撃のデザイン

マンハッタンシェイプ

私が買ったのはこちらのPRO…

音楽的性能 FM音源

X68000といえば、見た目にすぐわかる鮮やかなグラフィックに目がいきがちですが、音楽機能も相当イケてました。FM音源にはアーケードゲームにも多く使用されているYAMAHAのYM-2151のチップが使用されており、鮮やかなステレオサウンドを奏でることが出来ました。

4オペレータ8チャンネルステレオ出力可

ADPCM

X68000のADPCMはサンプリング周波数も低く、音量や音程の変化も出来ないものであり、元々は音楽的に使うことは想定されていなかったようです。

最初の頃はデモでしゃべらせたり、ゲームの効果音に使用するくらいだったのですが、ゲームでドラム音源としてFM音源と同期して演奏されるようになると、一気に注目されるようになりました。

電波新聞社の『ボスコニアン』のBGMアレンジが有名で、このボスコニアンのドラム音を収録したFM音源ドライバ『NAGDRV』により、一般のユーザーでもFM音源とADPCMとMIDI音源を同期した音楽の制作ができるようになりました。

音質的には4bit周波数15.6KHz/10.4KHz/7.8KHz /5.2KHz/3.9KHzで、CDの16bit44KHzに比べても相当低いと言えるでしょう。

X68000のBASIC言語

『パソコンをさわる』というのは、当時はBASIC言語を駆使していく行為が一般的でした。もちろんX68000にもBASIC言語はありました。しかし、一般的なBASIC言語とは少々勝手が違うようです。

ディスクマガジンも販売されていました

満開製作所の電脳倶楽部

電脳製作所といえば電子ちゃん

TAKERUで販売されていました

誰も使ってなかった『SX-Window』

処理が重く実用性に乏しかったため、周りで使っている人は皆無でした。

「無いものは自分たちで創る」の精神

代表的なものをいくつかピックアップしてみました。

GNU C Compiler

MXDRV

Z-MUSIC

PCM8.x

PICファイル

mint(Madoka INTerpreter)

ソフトだけにとどまらず、とうとうハードまで作ってしまいました。

Mercury Unit (PCM)

BIOSとOSが無償公開

SHARPの好意によりX68000のBIOSとOSが無償で公開されました。これによりX68000の実機がなくても、WINDOWSパソコンでもエミュレータをダウンロードしてX68000のソフトを動かすことが出来ます。

まとめ

NECのPC-98シリーズに挽回不能なまでに大きく差をつけられてしまったX68000シリーズ。ユーザーの間で熱望されていた次世代機は『X68030』というCPUの速度が向上しただけのものでした。ファンはガッカリしましたが、既に商業的には失敗に終わっていた状況なだけに、もはや開発費も掛けられない状況だったのでしょう。

その後、マクロソフトのOS『WINDOWSシリーズ』とPC/AT互換機がパソコン市場を席巻しました。現在ではハードの性能は飛躍的に向上し、多くの素晴らしいソフトウェアにも恵まれて、快適にインターネットを楽しめる便利な世の中になりましたが、X68000を使っていたあのときのようなワクワク感は薄れていったように思います。

このX68000は日本で最後の『夢の詰まったパソコン』だったと言えましょう。

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