クルーレス(1995年)

90年代を代表するティーン向けお洒落青春映画といえば、やはり王道の『クルーレス』が真っ先に思い浮かびますよね。主人公を当時『ダリアン 美しき狂気』で小悪魔的な美少女を演じ注目を集め、またエアロスミスのミュージックビデオ三部作「クライン」「アメイジング」「クレイジー」に出演したことでさらに知名度を上げていた新生アリシア・シルヴァーストーンが演じます。リッチでお洒落な女子高生シェールの優雅な学生ライフとファッションの色づかい&スタイリングがザ・90年代!そして転校生のタイを演じた今は亡き若き日のブリタニー・マーフィーの姿に涙してしまいます。
シーズ・オール・ザット(1999年)

ホラー映画「ラストサマー」シリーズですでに人気者だったフレディ・プリンゼ・Jr.と当時新人だったレイチェル・リー・クックが主演し、予想外のヒットとなった青春映画の秀作『シーズ・オール・ザット』。物語は学園で一番ハンサムなザックが悪友との賭けで、学園イチ地味な女の子レイニーをプロム・クィーンにすることが出来るのか?というシンプルなお話でありながら、予想以上に美しくなったレイニーに本気で恋をしてしまうザックが何ともキュートです。また日本にはない「プロム」(卒業記念のダンスパーティー)文化に憧れを抱いた人も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。
映画とともにシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーが歌う主題歌「Kiss Me」も世界中で大ヒットしました。この曲が持つポップでキャッチーな雰囲気はもはや『シーズ・オール・ザット』を飛び出し、さまざまなドラマや番組に登場しています。ちなみに日本では「Kiss Me」の日本語版も発売されている模様。
アメリカン・パイ(1999年)

90年代のちょっとエッチでおバカな青春コメディーといえば『アメリカン・パイ』が印象的です。卒業間近のモテない高校生の男子4人組が、プロムまでに童貞を捨てようとあの手この手で奮闘する様を描い作品で、思春期真っただ中の学生たちが繰り広げる等身大の姿が何とも青春な1作。同作は全米のみならず世界中で大ヒットを記録したことから、その後スピンオフも含め8作品が製作されました。
主演を務めたジェイソン・ビッグスをはじめクリス・クライン、アリソン・ハニガン、タラ・リード、ミーナ・スヴァーリ、シャノン・エリザベス、ショーン・ウィリアム・スコットらは「アメリカン・パイ」シリーズから飛び出した当時の人気者たち!
恋のからさわぎ(1999年)

シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をベースにした『恋のからさわぎ』は、ヒース・レジャーのアイドル期にヒットしたロマンチック・コメディの秀作です。日本では劇場公開はなくビデオスルーだったにもかかわらず学生人気の非常に高かった作品で、今は亡きヒース・レジャーの歌唱シーンはまさに才能の塊!その後、映画界で実力が認められ成功を手にすることとなるのですが、舞台に立つ彼の姿も見てみたかったと思わせる、そんな魅力的な1コマでした。またヒロインを演じたジュリア・スタイルズがブレイクするきっかけとなった作品でもあり、ヒースとのキュートな化学反応もこの映画の大きな見どころの1つでしたね。
エンパイアレコード(1995年)

『エンパイアレコード』は音楽系の青春映画が好きな人には王道的な作品です。物語はある老舗のレコードショップを舞台に、大手チェーンへの売却の危機にさらされた店の危機を救おうと奮闘する個性豊かな店員たちの騒がしい1日を描いたポップでキュートな青春ラブコメディー。当時、父親であるスティーヴン・タイラー率いるエアロスミスのミュージックビデオにアリシア・シルヴァーストーンとともに出演し、人気爆発中だったリヴ・タイラーを主演に、まだブレイク前のレニー・ゼルウィガーが脇を固めるなど今となっては実に豪華なキャスティングとなっています。店の存亡の危機を知り、開催されたチャリティーライブのシーンはまさに青春そのもの!
『エンパイアレコード』のサウンドトラックからシングルカットされたジン・ブロッサムズが歌う「ティル・アイ・ヒア・イット・フロム・ユー」は、哀愁漂う不思議な雰囲気を持った楽曲で、聴けば一瞬にしてあの頃に戻れるノスタルジックさが何とも魅力的です。
デンジャラス・マインド/卒業の日まで(1995年)

映画『デンジャラス・マインド/卒業の日まで』は「ルアン先生にはさからうな」を原作に実話を基にした重厚な学園ドラマです。元海兵隊隊員の女性教師ルアン・ジョンソン(演:ミシェル・ファイファー)が問題児ばかりのいる高校に赴任し、試行錯誤を繰り返しながら生徒に学ぶ楽しさを教え、そして救おうとする様を描いた物語。ヒップホップテイストを基調とした若者向けの作品でありながら、ハリウッド女優のミシェル・ファイファーが主人公の女性教師役を演じたことで、物語に深みが生まれ、また治安の悪い地域で育った子供たちの過酷な現実に切なさを感じたことも。『天使にラブソングを…』のような明るいお話ではありませんが、リアルな叫びに心を動かされた人も多いのではないでしょうか。
この映画で印象的に流れるクーリオ・フィーチャリング L.V.が歌う「ギャングスタズ・パラダイス」は、スティーヴィー・ワンダーの「楽園の彼方へ」をサンプリングした楽曲で、歌詞はクーリオ自身が経験したギャングスタ・ライフの悲劇を描いた内容となっています。またL.V.が歌うメロディーラインがさらに重く悲しい世界観を表現。同曲は世界中のシングルチャートで1位を獲得し、クーリオにグラミー賞をもたらしたギャングスタ・ラップの名曲です。この曲を聴けば映画を思い出す!という人もいることでしょう。そして何度もリピートしたくなるほど癖になる深くて美しいメロディーがまた涙を誘うのです。
ロミオ&ジュリエット(1996年)

『ロミオ&ジュリエット』はシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作にバズ・ラーマン監督が現代風にアレンジした作品。若者に大人気のレオナルド・ディカプリオとクレア・デインズが主演し台詞もそのままですが、時代設定は現代となっており、城はビル、服はアロハ、そして剣は銃に置き換えられています。そのためレナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセーが大ヒットさせた不朽の名作『ロミオとジュリエット』(1968年)を知らない世代にもわかりやすく、そして古典的なラブストーリーとして大いに親しまれ、レオナルド・ディカプリオは同作でベルリン国際映画祭「銀熊賞」を受賞するなど高い評価を得ました。その後『タイタニック』でハリウッドスターとしての地位を確固たるものにしたレオ様アイドル期の代表作です。この頃のレオ様の美しさとクレア・デインズの可愛さは異次元でしたよね。
スクリーム(1996年)

90年代を代表する若者向けホラー映画といえば『スクリーム』。『25年目のキス』で再ブレイクを果たす前のドリュー・バリモアが出演していた他、そのとき旬な俳優をキャスティングする傾向にあることからホラー映画はアメリカでは若手の登竜門的なジャンルとしても知られています。同じ時期に『ラストサマー』や『クルーエル・インテンションズ』『パラサイト』『ザ・クラフト』など多くのホラー・サスペンスが登場しましたが、『スクリーム』はその中でも人気の筆頭格でした。主演のネーヴ・キャンベルをはじめデヴィッド・アークエット、マシュー・リラードらはこの作品をきっかけに知名度を上げ、ドラマ『フレンズ』ですでにスターだったコートニー・コックスはさらなる人気を獲得!同作はその後シリーズ化され、2022年現在までに5本の映画が公開されており、また2023年には第6弾の公開も控えているという。
あとがき
皆さんの心に残る青春映画は何ですか?時にはノスタルジックな気分に浸り、あの頃のときめきを取り戻しましょう!