暗い時代の日本の世相にピッタリとハマった森田童子のヒット曲を振り返る

暗い時代の日本の世相にピッタリとハマった森田童子のヒット曲を振り返る

バブルに浮かれた1990年の日本レコード大賞は、B.B.クイーンズの「踊るポンポコリン」でした。ピーヒャラピーヒャラと陽気な音楽が世相を反映していましたよね。間もなくバブルが崩壊し、たったの数年でヒット曲も完全に変わってしまいました。ドラマ「高校教師」の主題歌に1970年代に活躍した森田童子さんの「僕たちの失敗」が起用され、大ヒットしたのです。今回は森田童子さんのヒット曲を振り返りたいと思います。


森田童子のプロフィール

まずは森田童子さんのプロフィールからご紹介します。
本名:非公開
生年月日:1952年1月15日
没年:2018年4月24日
出身地:東京都(青森県の説もあり)

作品に生活感を滲ませることを避けるため、本名や生年月日など全て非公開でした。
優しく儚げな歌声に反して、カーリーヘアに男性的な服装がトレードマークです。
サングラスを外して素顔を見せることもありませんでした。

2021年12月に発刊されたなかにし礼さんの著書「血の歌」で、森田童子さんが姪であることや、生年月日が1952年1月15日であったことが明かされました。

死因:心不全

公表するつもりはなかったとのことで、最後まで謎に包まれているところが奥ゆかしい森田童子さんらしいですね。

森田童子さんの活躍

学生運動真っ盛りの頃に青春時代を迎えた森田童子さん。
高校生の頃に東京教育の学生運動と関りがありました。
それで学生運動に関わった友人が逮捕されたことをきっかけに高校を中退してしまいます。
その後しばらく、気楽な生活を送っていましたが、20歳の頃に親しくしていた友人が亡くなってしまいました。
この友人の死をきっかけにして、曲作りに目覚めたのです。
そして「さよならぼくのともだち」を、友人の死を元にして作詞作曲したのでした。

この「さよならぼくのともだち」で、1975年10月メジャーデビューしています。
その後は、ライブハウスを中心に活動していました。
そしてライブハウスで活動しながら、アルバム7枚、シングル4枚をリリースしたのです。
約8年間の活動を経て、1983年に発売したアルバム「狼少年 wolf boy」と新宿ロフトでのライブを最後に、引退を宣言することもなくそのまま活動を休止しました。

1976年11月には2作目のシングル「ぼくたちの失敗」をリリースしています。
この「ぼくたちの失敗」が、引退から10年経過後の1993年ドラマ「高校教師」の主題歌に起用され、大ブレイクしました。
はかなげな歌声が、バブルがはじけて急激に景気の悪化した日本の世相にピッタリマッチしたのでしょう。

教師と生徒の禁断の恋を描いた高校教師は、社会現象となるほどの大ヒットとなりました。
イケメンだけどちょっと情けない教師役を真田広之さんが演じ、陰のある美少女役を桜井幸子さんが好演しています。

1978年には、3枚目のシングル「セルロイドの少女」をリリースし、1981年には最後となる4枚目のシングル「ラスト・ワルツ」をリリースしました。

そして1983年に引退しますが、理由などは明らかにされていません。

メッセージ性のある曲を歌っていた森田童子さんですので、学生運動が収束しアイドルが全盛の1980年代に入ったことで、役割は終えたと思ったのかもしれません。
引退後は主婦となり、40歳になった1993年に「ぼくたちの失敗」が100万枚を超えるヒットとなり、再び注目されます。
でも主婦業に専念していることから、音楽活動を再開する意向はなく公の場に姿を現すことはありませんでした。

1993年11月には、劇場版「高校教師」が公開され、「たとえば僕が死んだなら」が主題歌に起用されています。
「たとえば僕が死んだなら」は4枚目のアルバム「ラスト・ワルツ」に収録されていた曲ですが、シングルカットされました。

森田童子さんの訃報

どんなにブレイクしても、一貫して素顔を明かさない姿勢が清々しかった森田童子さんは、2018年4月24日に逝去しています。
訃報を明かすつもりもなかったという事ですから、引退後の人生は家族との愛に溢れ充実したものだったのでしょう。
令和の今も、コロナや物価高の暗いニュースの多い日本。
こんな世の中ですから、森田童子さんの歌声で人々を癒して欲しいですね。

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