アメリカでは、70年代半ばから80年代前半にかけて、しっとりと聞かせる大人のロックが静かなブームに…

アメリカでは、70年代半ばから80年代前半にかけて、しっとりと聞かせる大人のロックが静かなブームに…

AORは、Adult-oriented Rockの省略形で、日本でも、70年代半ばから80年代前半にかけて、よく用いられる音楽用語でした。その代表的なバンドに ボズ・スキャッグスやTOTOといったスタジオミュージシャンが連ねており、曲のアレンジや演奏のうまさはぴか一です。


1970年代半ばから、徐々にディスコサウンドに傾倒していくポップミュージック。そのため、ロックもストレートなロックでは物足りなくなってきました。そこで、R&Bをベースとしながら、JAZZやラテン音楽の要素も取り入れた、メロディアスで洗練されたロックが生まれました。

AORとは…

we're all alone(1976)

わたしが、AORという言葉を知ったのは、ボズ・スキャッグスのヒット曲「We're All Alone」を聴いてからです。この曲は、日産の車“ローレル”のCMソングとして話題になっていましたね。メロディアスな曲調と、ボズ・スキャッグスが伸びのある声で歌い上げる名曲ですね。

ボズ・スキャッグス

ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs, 本名:William Royce Scaggs, 1944年6月8日 - )は、アメリカのミュージシャン。1970年代後半から1980年代にかけて流行した、アダルト・コンテンポラリーを代表するシンガー。   ー 中略 ー 1976年、ファンキーでクロスオーバー的な洗練されたサウンドの『シルク・ディグリーズ』を発表。これが全米2位を記録し、500万枚以上を売り上げた。アルバムからも「ロウ・ダウン」(全米第3位)、AORのスタンダード曲「ウィ・アー・オール・アローン」の大ヒットを放つ(このアルバムに参加したセッション・ミュージシャンたちは、後にTOTOを結成)。次作の『ダウン・トゥ・ゼン・レフト』、『ミドル・マン』も続いてヒットした。 1980年に、トヨタ・クレスタの初代モデルのCMソングに、『You Can Have Me Anytime』(邦題:『トワイライト ハイウェイ』)が採用された。 その後、ヒットチャートからはしばらく遠ざかっていたが、1988年発表のアルバム『アザー・ロード』の収録曲「Heart of Mine」が、そのミュージック・ビデオの効果もあり、翌1989年に大ヒット、カムバックを果たした。日本では未だに根強い人気を誇っている。 ピーター・セテラがエイミー・グラントとデュエットした曲『Next Time (I Fall)』など、メローで大人向けのバラード音楽が流行し、ボズの『Heart of Mine』のヒットをきっかけに日本で、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)という語がその年の暮れに発生した。1990年のジャパン・ツアーに際して日本の広告代理店はAORという語とボビー=AORの代表という宣伝をテレビで流した。これにより、日本においてAORというひとつのジャンルを形成するに至る。なお、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)は日本独自の呼び方で、アメリカではAC(アダルト・コンテンポラリー)、MOR(ミドル・オブ・ザ・ロード)などと呼ばれる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B9

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B9

1991年ジャパンツアーの大阪公演は、1988年のアルバム『アザー・ロード』を引っさげての公演でした。アンコールを含め2時間半近く、最前列で聞いていた私。バックの演奏も完璧で、ずっと最初の1曲目から、スタンディングオベーションしていました。そして、「Heart of Mine」の演奏が始まると、一緒になって歌っていました。あの時の興奮が、まるで昨日のことのようです。それでは、アルバム『アザー・ロード』から、「Heart of Mine」です。

Heart of Mine(1988)

AORの代表的なミュージシャンとして、忘れてならないのが、ボビー・コールドウェル。彼もR&Bの影響を色濃く受けていますが、R&Bの持つ泥臭さはまったくなく、むしろ、サウンドはJAZZっぽくて、とても洗練されています。1978年に大ヒットしたこの曲をご紹介します。「What You Won't Do for Love」

What You Won't Do for Love -風のシルエット(1978)

ボビー・コールドウェル

ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell、1951年8月15日 - )は、アメリカのミュージシャン。1970年代から1980年代にかけて流行したAORサウンドを代表するシンガーの一人。 ニューヨーク・マンハッタン生まれ。1978年のデビュー曲「風のシルエット(What You Won't Do for Love)」がヒットし、当時流行していたAORの新星として脚光を浴びる。洗練された音の世界を持ちつつも、多くの初期AORシンガーのようにボーカルスタイルはR&B色が濃く、ブルー・アイド・ソウルの歌手として分類されることもある。また作曲家としてボズ・スキャッグスに「ハート・オブ・マイン(Heart of Mine)」、ピーター・セテラに「ネクスト・タイム(Next Time I Fall)」、「ステイ・ウィズ・ミー(STAY WITH ME - 邦題:ステイ・ウィズ・ミー song for KA・GU・YA・姫)」(映画『竹取物語』主題歌)などのヒット曲を提供(いずれも後にセルフカバー)している。 1980年に彼が所属していたTK Recordsが倒産し、本国ではプロモーション活動がままならなかった影響か、1980年代以降はアメリカでは振るわずも、日本では非常に人気が高く、AOR界ではクリストファー・クロスやボズ・スキャッグスと並び立つ存在。1990年代にオンエアされたニューヨークの夜景をバックに「Stay with Me」「Heart of Mine」「Come to Me」が流れるパーラメント(たばこ)のCMは、彼のイメージを象徴する一作でもある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB

ボビー・コールドウェル - Wikipedia

1980年代、ロックのクロスオーバー的サウンドには、16ビートが主流でした。16ビートを刻むドラムスとベースのボトムラインがカッコ良かったのです。そんな中でメロディを重視して作られたTOTOの曲は、常に時代を先取りしたサウンドを打ち出していました。スタジオミュージシャンバンドとして完成度も高く、大ヒットは、至極当然といえるでしょう。まずは、大ヒットシングルから「99」。

99(1979)

TOTO

TOTO IV(邦題:TOTO IV〜聖なる剣〜)(1982)

TOTO IV(邦題:TOTO IV〜聖なる剣〜)

ピアノソロから始まるメロウな1曲。スローバラードの曲として上げるなら、この曲をおいて他にありません。アルバム『TOTO IV ~聖なる剣』から、「I Won't Hold You Back」です。

I Won't Hold You Back(1983)

AORの代表的なバンドとしてもう一つご紹介しましょう。ピーター・セテラ率いるシカゴです。まずは名曲中の名曲、「HARD TO SAY I'M SORRY」。

HARD TO SAY I'M SORRY- 素直になれなくて(1982)

この曲が使われたCM

【1997 CM】トヨタ マークⅡ クオリス - YouTube

シカゴ

メンバー変遷

シカゴ メインメンバー変遷(1969~2014)

Hard Habit to Break - 忘れ得ぬ君へ(1984)

70年代から80年代前半に大活躍したシカゴ。大ヒットした、1970年発表の「25 or 6 to 4- 長い夜」や1972年発表の「サタデイ・イン・ザ・パーク」は、ロック色が強かったのですが、80年代からは、この曲のようなラブバラードでのヒットが多くなったようです。それでは、同じくラブバラードで、1984年発表の「Hard Habit to Break- 忘れ得ぬ君へ」です。

80年代、AORの代表的なバンドとして大好きなのが、スティーリー・ダン。この曲は、そのメンバーのひとりドナルド・フェイゲンのアルバム『The Nightfly』からのシングルです。曲は、「I.G.Y.(What a Beautiful World)」。

I.G.Y. (What a Beautiful World) (1982)

スティーリー・ダン

Do It Again(1972)

Do It Again

最後にご紹介するのは、美しい声で、多くの人を魅了したクリストファー・クロス。“天は二物を与えず”という諺どおり、その高くて透き通る声。ライブでは、眼をつぶって聞いてください。

Arthur's Theme (Best That You Can Do) -ニューヨーク・シティ・セレナーデ(1981)

ニューヨークシティセレナーデは、その流れるような美しいメロディのため、しばしば、ピアノ伴曲として使われることも多いです。クリストファー・クロスの声変わりしていない少年のような、清々しく高い声が、映画の主人公アーサーの純粋なところと、ピッタリ来るような気がします。彼の容貌も、素朴で飾らない雰囲気も、この曲にマッチしているかも…

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