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『2001年宇宙の旅』（2001: A Space Odyssey）は、1968年公開の叙事詩的SF映画です。スタンリー・キューブリックが製作・監督、脚本はキューブリックと、SF作家アーサー・C・クラークによって書かれています。
キューブリックは、従来の映画や物語の手法を避け、台詞はほとんど使わず、音楽だけのシーンや、船内コンピュータ「HAL」からの視点のみのシーンなど実験的革新的な映像制作を行い、SF三部作と呼ばれる『博士の異常な愛情』『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』の成功で、世界中の批評家から映画作家としての優れた才能を認知されています。キューブリックはこの映画でアカデミー特殊視覚効果賞を受賞していますが、これがキューブリックが受賞した唯一のアカデミー賞になっています。

なお、1984年には、この作品の続編にあたる『2010年』が製作・公開されていますが、監督はキューブリックではなくピーター・ハイアムズが行っています。

人類が文明を築くはるか以前、まだ未分化の猿たちの前に表れた謎の黒い石板「モノリス」。それに触れた猿が木を道具として使い始める。そして現代の月面基地に発見された「モノリス」は、木星に向けて強力な信号を発信。その謎を解明すべく木星探査機に乗り込んだクルーたちは・・・。

謎の黒い巨大な石板「モノリス」をめぐってストーリーは展開はするのですが、ディスカバリー号の中で起こるさまざまな不穏な出来事と船内コンピュータ「HAL」の存在がなんとも不気味です。全く無音の中で起きる事故、「HAL」の静かで穏やかな、だからこそ底知れない怖さのある声、「HAL」が歌う「デイジー」の歌・・・。キューブリックならでは視覚効果や映像の特殊さは当然あるのですが、音響や音楽も、「HAL」という人ではない存在を表すうえで、とても効果的な要素となっています。
もちろん「2001年宇宙の旅」といえばこれ、という「ツァラトゥストラはかく語りき」や「美しく青きドナウ」といったクラシック音楽もところどころに挿入され、宇宙の壮大さを効果的に伝えています。

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