【愛川欽也の探検レストラン】という番組について
探検レストランの司会はおなじみの愛川欽也さん。
独特のナレーションで番組をとても盛り上げてくださいました。
こちらの番組は、単に料理番組としてではなく、料理レシピや料理メニューの開発、店舗に関するプロデュースなど番組と関連するお店を盛り上げようと企画して放送された番組です。
番組で取り上げられた荻窪のラーメン店、駅弁の現在についてまとめて紹介します。
「荻窪ラーメン 佐久信」の話題といま

「愛川欽也の探検レストラン」の番組企画で、荻窪のラーメン店街を盛り上げようとしました。
1984年当時、荻窪駅周辺にはたくさんのラーメン店が立ち並び、中でもラーメン店「佐久信」が今にも倒産するのではないかというほど客足が少なかったそうです。
そこで番組では、ラーメン店「佐久信」を盛り立てるため、愛川欽也さんと糸井重里さん、番組スタッフらがお店再建のためにプロデュースしたというわけです。
また、当時は「佐久信」のほかに「春木屋」、「丸福」、「丸長」、「丸信」といった強豪ラーメン店に負けずと劣らないラーメン店にしようとするねらいもありました。
まず、現在の「佐久信」にラーメン愛好家らがラーメンの味についてアドバイスし、有名どころのインテリアデザイナーへ依頼して店内を改装。
糸井重里さんが「突然、バカうま」のコピーライターで、こちらも有名な書家に看板を手掛けてもらい、リニューアルオープンさせました。
ここまでの様子を「愛川欽也の探検レストラン」で毎回リポート報告をしたことで、らーめん好きの人や愛好家らがオープン前の盛り上がりを見せていました。
リニューアルオープンのときは、たちまち行列ができ、大変な盛り上がりを見せました。
また、ラーメンを差し出すときに「熱いでぇ」の一言が話題になり、しばらくは客足が途絶えることはなかったそうです。
大変な盛り上がりを見せた「佐久信」は、伊丹十三監督の映画「タンポポ」に登場する人気ラーメン店となるプロセスを参考にされたそうです。
現在の「佐久信」はというと、番組の終了とともに次第に客足が途絶えるようになり、静かに閉店されたそうです。
最新の情報では、静岡県沼津市にあるラーメン店「支那そば屋わさらび」というお店が、「むかしそば」という期間限定メニューで「佐久信ラーメン」をリメイクして販売しているそうです。
支那そば屋わさらびは現在も営業しています。
ほかに荻窪ラーメン街では、現在、「春木屋」と「丸福」が昔さながらのラーメン店として営業されています。
大好評の駅弁「元気甲斐」のいま
「愛川欽也の探検レストラン」続いては、駅弁の話題です。
山梨県の中央本線小淵沢駅構内にある駅弁や立ち食いそばなどを販売しているお店です。
駅弁は、株式会社丸政が手掛けているお弁当で、1965年(昭和40年)から長きにわたり、豊富な生野菜を取り入れた高原野菜とカツのお弁当として販売されていました。
しかし、小淵沢駅周辺は甲府駅や清里などの観光地が近いこともあり、「小淵沢駅に立ち寄って駅弁を購入していただく機会が少なくなった」と経営者は感じ取ったそうです。
中央本線に乗ってのんびり列車の旅を楽しんでいたかと思えば、観光地ブームで各駅停車の列車も快速や急行、特急など小淵沢駅を通過するダイヤになり、客足が少なくなったのではないかと思われます。
当時は、1日に80食から150食ほどの売上だったという話しなのでお店を維持するのは苦労されていたのではと感じています。
そこで、「愛川欽也の探検レストラン」では、売上に苦戦している駅弁を盛り上げようと番組が主体となってプロデュースしたというわけです。
プロデュースに関わったのは、愛川欽也さんと紀行著者でおなじみの宮脇俊三さん、京都と東京の有名料亭の味を取り入れ、駅弁のリニューアルについて企画されました。
リニューアルする駅弁の構図は次のとおりです。
まずは、駅弁の表紙について、番組ではデザイナーやイラストレーターなど各方面に渡って著名人に声をかけ、仕上げたデザインの表紙です。
続いて駅弁の中身です。
山梨県は日本のほぼ中央に位置しますので、そこからヒントを得て、経木折詰二段重ねの駅弁を構想。
上段は西の京都の銘亭「菊乃井」の味を盛り込んだ料理です。
京都の銘亭「菊乃井」は、関西版のミシュランガイドで9年連続三ツ星を獲得されている料亭なので味は間違いありません。
下段は東の東京の味処「吉左右」の味を盛り込んだ料理です。
東京の味処「吉左右」という料亭については、ネット検索をしたところ、お店に関する情報が見当たりませんでした。
駅弁は現在も販売されていますので、もしかしたら、お店の名前を変更されて料理を提供している可能性が高いと思われます。
このようにして東西の味比べをするかのようにリニューアルした駅弁は、たちまち3000食を完売するまでに売上を伸ばしました。
メディアの力はものすごく、今では京王百貨店などの駅弁コーナーで販売するほどになっています。