ジョン・ヒューズとは
ジョン・ヒューズ(John Hughes)は、1950年2月18日生まれミシガン州ランシング出身の脚本・製作・映画監督です。80年代から90年代にかけて最も成功した人物の1人。ナショナル・ランプーン誌にエッセイやストーリーを寄稿したのち、数々のティーン向け青春映画を手掛け、大ヒットへと導きました。ヒューズがキャリアをスタートさせた俳優も多く、マシュー・ブロデリックやマコーレ・カルキン、アンソニー・マイケル・ホールなどもその1人。
またティーン映画以外にもさまざまな作品に携わり、90年代に入ると次第に製作側の仕事が増えていきました。彼の監督作品は1991年公開の映画『カーリー・スー』が最後。例えば『ベートーベン』(1992年)や『わんぱくデニス』(1993年)、『34丁目の奇跡 』(1994年)などといった人気作品にも実はヒューズが関わっているのです。
私生活では、1970年に20歳で高校時代に知り合ったナンシー・ルートヴィヒと結婚し、2人の息子がいます。しかし8月6日の朝、散歩をしていたヒューズは、心臓発作を起こし病院に運ばれましたが、残念ながら59歳という若さでこの世を去りました。
『すてきな片想い』

映画『すてきな片想い』は、1984年に公開されたティーン向け映画でジョン・ヒューズの監督デビュー作です。主演はモリー・リングウォルド。同作を筆頭にヒューズ映画の常連となった彼女は、80年代を代表する「青春映画ナンバーワン女優」と評され人気を博しました。
『ブレックファスト・クラブ』

『ブレックファスト・クラブ』は、1985年に公開されたこれぞTHE青春映画です。まったく異なるタイプの高校生、スポーツマン・秀才・不良・不思議ちゃん・お嬢さまの5人が懲罰登校を命じられ、休日の図書室で先生から課せられた「自分とは何か」について考えながら、次第に心を通わせていく物語。共演はエミリオ・エステベス、アンソニー・マイケル・ホール、ジャド・ネルソン、モリー・リングウォルド、アリー・シーディ。監督・脚本・製作を務めたジョン・ヒューズの代表作の1つです。彼らは当時「ブラット・パック」と呼ばれ人気を博していました。
『ときめきサイエンス』

『ときめきサイエンス』は1985年に公開されたSFコメディ映画です。主人公のゲイリーとワイアットは女の子にモテない冴えない高校生。コンピューターオタクの2人はある日、理想の女性を創ろうと、それに関するデータをコンピューターに入力しインプット。そこへ偶然カミナリが落ちると、コンピューターから入力したデータ通りの女性が出てきました。リサと名付けられたその女性は彼らを魅力的な青年へと成長させていくのです・・。主演はアンソニー・マイケル・ホールとイラン・ミッチェル=スミス。ヒューズが監督・脚本を手掛けました。
『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』

主演はこれがジョン・ヒューズ作品3本目となるモリー・リングウォルド。出演した全ての青春映画が大ヒットしたことで若者のカリスマとなったモリー。当時"リングレッツ"と呼ばれる彼女のファンが大量発生し、ファッションなどを真似していました。脚本・製作総指揮をヒューズが務めたティーン映画の傑作です。
『フェリスはある朝突然に』

映画『フェリスはある朝突然に』は1986年にヒューズが監督・脚本・製作を務めてつくられた青春コメディーの秀作です。アメリカでは今でも根強いファンを持っている。主演はマシュー・ブロデリック。仮病を使って学校をサボるというシンプルな題材ながら、ここまでユーモラスに描けるのはジョン・ヒューズならではですね。
『恋しくて』

『恋しくて』は1987年に公開されたジョン・ヒューズ脚本・製作、ハワード・ドゥイッチ監督によるティーン映画の決定版です。主演はエリック・ストルツ。共演にメアリー・スチュアート・マスターソン、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でもお馴染みのリー・トンプソン。
『ホーム・アローン』

『ホーム・アローン』は1990年に公開され、今なお愛され続ける90年代を代表するホームコメディーの名作です。シカゴに住む裕福な大家族のマカリスター家。そんな一家のクリスマス休暇を利用した家族旅行に、1人家に取り残されてしまった8歳の少年ケビン。しかし家族の心配をよそに、プチ1人暮らしを大満喫している彼は、ひょんなことから泥棒コンビのハリーとマーヴに家が狙われていることを知る。ここからあの手この手で家を守る少年VS泥棒コンビのおかしな戦いが始まったのです。同作品はシリーズ化され、最終的には『ホーム・アローン4』(2002年)まで制作されました。(3と4は1~2とは物語に関連性はない)
主演を務めたマコーレ・カルキンは同作の大ヒットにより一躍世界一有名な子役となりました。ヒューズはこの作品で脚本と製作に携わり、『ホームアローン』は彼のキャリアの中で商業的に最も成功した作品となりました。ちなみに『ホーム・アローン4』には脚本のほか、キャラクター創造にも関わっています。
『101』

『101』は1996年に制作されたディズニー映画です。主演はクルエラ・デ・ビルを演じたグレン・クローズ。2匹のダルメシアンが恋に落ち、それぞれの飼い主であるロジャーとアニタも一目惚れし、結婚に至る所から物語は始まります。結婚後、15匹の子犬も生まれ、幸せいっぱいの毎日を送っていた矢先、アニタの勤めるファッションデザイン会社の社長で毛皮マニアのクルエラに子犬たちどころか街中のダルメシアンが誘拐されてしまう事態に・・。ヒューズはこの作品に脚本・製作として携わっています。
『メイド・イン・マンハッタン』

映画『メイド・イン・マンハッタン』は、2002年に公開され大ヒットしたジェニファー・ロペス主演のロマンチックコメディーです。ホテルのメイド、マリサと名物宿泊客で大統領候補のクリストファー・マーシャル(レイフ・ファインズ)との恋模様にキュンキュンした人も多いはず。同作品にヒューズはジョン・ヒューズとしてではなく、ペンネーム「エドモンド・ダンテス」名義で原案を担当しています。