ぼくたちの映画シリーズ(1995年公開)
「ぼくたちの映画シリーズ」は、1995年から毎年夏に公開された映画シリーズ。60分程度の短めの作品が2本同時上映で公開されました。まずは1995年のシリーズから見ていきましょう。
花より男子

「花より男子」の実写版といえば松本潤さんと井上真央さんのイメージが強いと思いますが、最初に映画化されたのは1995年。主演は内田有紀さんでした。つくしはロングヘアのイメージが強いので、ショートカットの内田さんだとなんだか違う感じがしてしまいますね。
道明寺役は谷原章介さん、花沢類役は藤木直人さんでした。今見れば豪華キャストなのですが当時はまだみんな人気が出始め。漫画も9巻まで発行している時点での映画化だったので未知数でした。
アイドル映画はふたを開けてみるまで分からないといわれていましたが、この「花より男子」は集客的には大成功だといわれました。
原作は序盤は高校からスタートしていますが、この映画版は大学に集まったという設定です。78分の作品ですが最後は道明寺と結ばれるまで描かれているので映画オリジナル要素も多いですね。
白鳥麗子でございます!
同時上映は「白鳥麗子でございます!」こちらは「ボクたちのドラマシリーズ」で放送されて人気を博し、2回のドラマ化を経ての映画化でした。すでにファンも多かったと思います。
花より男子の主人公、牧野つくしは庶民(というか貧乏ですが)なのに対し、白鳥麗子は超お金持ちなのでパンピー・タカピーと対立した広告が使われていました。2人のアイドルを劇場キャンペーンで巡らせたのも当時では珍しい試みだったんですよ。
麗子の父が癌に侵され、「生きているうちに麗子の花嫁姿を見たかった」ということから徹夜に結婚を申し込む麗子。哲也は実際はお互いにもっと自立してから結婚したいと思っていたのですが事情が事情なので受け入れます。結婚の準備が進む中、実は父の癌は誤審だったことが判明。ですが哲也と結婚したい麗子はそのまま結婚式の準備を進めて・・・というストーリーです。
ぼくたちの映画シリーズ'96
That's カンニング! 史上最大の作戦?
「That'sカンニング! 史上最大の作戦?」は山口達也さんと安室奈美恵さんが主演。今となっては色んな意味で貴重です。
日本理科大学(東京理科大学がモデル)という名門大学が舞台なのですが、学生寮「シグマハウス」に住む学生たちは落ちこぼればかり。カンニングでなんとか試験を通っていたのですが、学生の1人のカンニングが見つかってしまいます。次回の試験で寮生がよい点を取らないと、寮は閉鎖されてしまうことに。
学生寮の存続をかけて学生たちは勉強・・・ではなく、試験をパスするために(当時の)ハイテクを屈指してカンニング計画を実行していくというコメディ。悪徳教授相手の正当なカンニングという名目なのですが今だったら色々問題になりそうですね。
カンニングだけでなくラブコメの要素もありますよ。
友子の場合
「友子の場合」は、「ビックコミックスピリッツ」に連載されていた藤野美奈子さんの漫画を実写化した作品。映画の前に「世にも奇妙な物語」で2回実写化されています。
想像力と頭の回転は超人的なのに天然ボケでいつも思考がおかしな方向に行ってしまう女子高生友子の日常を描いたギャグマンガです。日常で起こる些細なトラブルが考えすぎて以上に大きな問題になってしまうという展開が主となっているお話。
映画版ではクラスメイト男女4人ずつの計8人で出かけた温泉旅行がメインのお話。友子はみんなのために駅弁を買おうと途中下車するのですが、電車に乗り遅れて友達とはぐれてしまいます。。そして延々とトラブルに巻き込まれていくというコメディ作品ですね。
主演はともさかりえさんで、新山千春さん、仲間由紀恵さん、高橋一生さんなどが出演されています。監督は「踊る大捜査線シリーズ」の本広克行さんです。路線が違いすぎてびっくりですね。
ぼくたちの映画シリーズ'97
デボラがライバル
「デボラがライバル」は別冊マーガレットで連載されていた多田かおるさんの人気漫画を実写化した作品。
原作は大学生活が無頼になっていますが、実写映画版は大学のアメフト部が舞台になっています。
大学アメフトリーグの決勝戦で惜しくも敗れた光明大学のキャプテン・五十嵐に一目ぼれした朝子は、同じ光明大学に入学。一人暮らしをしてアパートの隣がアメフト部と聞いて喜ぶのですが、隣に住んでいるのは五十嵐ではなく、おかまのクォーターバック、デボラこと市松で・・・というストーリー。
主人公朝子とデボラの性格以外はかなりオリジナル要素が多い作品ですね。青春映画らしい内容になっています。主演は吉川ひなのさん。デボラは谷原章介さんが演じています。
ときめきメモリアル
一世風靡した恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」を実写化した作品。
ですが、ヒロインの名前が藤崎詩織であることと、伝説の樹のエピソードがあること以外はほぼオリジナルのストーリーでゲームとはあまり関連性がありません。
冴えない高校生鈴木明彦が、学園の四大美女が働く海の家でアルバイトを始めることからスタートする青春映画です。
明彦は岡田義徳さん、ヒロイン藤崎詩織は吹石一恵さんが演じています。四大美女は榎本加奈子さん、中山エミリさん、矢田亜希子さん、山口紗耶加さんと豪華ですよ。他にも池内博之さん、袴田吉彦さん、水川あさみさんも出演。
主題歌は吹石一恵さんが担当されました。歌を出していたとは意外です。
この作品が「ぼくたちの映画シリーズ」の最後の作品となってしまいました。2本立てて短めの作品が楽しめるのもよかったですよね。