『大魔獣激闘 鋼の鬼』とは?
『大魔獣激闘 鋼の鬼』
企画当初は『大魔神我』というタイトルで、特撮映画『大魔神』やロボットアニメ『マジンガーZ』を意識したものだったそうです。すでに脚本まで完成していたものの、諸事情によって制作中止となり、この企画はそのまま『破邪大星ダンガイオー』『大魔獣激闘 鋼の鬼』に受け継がれることに。
こうして『破邪大星ダンガイオー』は往年のロボットアニメを踏襲した内容に…
『大魔獣激闘 鋼の鬼』は物語終盤から急激にロボットアニメのような展開にシフトしていくので、視聴していて少し違和感を覚えるかもしれませんが、その背景には、このような制作事情が大きく影響しているのだと思われます。
『大魔獣激闘 鋼の鬼』の本編動画・ストーリー
『大魔獣激闘 鋼の鬼』の魅力とは?
上司・部下の人間関係や男女の恋愛模様も描かれていて、それらが必ずしもハッピーエンドで終わらないところに、一般的な子供向けコンテンツとの明確な違いがあります。
戦争をテーマに悲劇を描いた『機動戦士ガンダム』に代表されるようなロボットアニメも多いですが、『大魔獣激闘 鋼の鬼』も高めの年齢層を意識して制作されたものと思います。気のいい友人ハルカの人格が壊れていくところは、まさにガンダムシリーズに通づるものがあって、善人・悪人の人格の中で揺れ動く心理描写は見応えがあります。
主人公タクヤの活躍ぶりもいいですね。その声を演じているのは古川登志夫さんなので、
カイ・シデン /『機動戦士ガンダム』
思わずこちらを思い浮かべてしまいますね。
しかし、『大魔獣激闘 鋼の鬼』のタクヤは、研究員としての仕事ぶりは真面目そのもので、かなりの友達想いといった性格。いい加減なところが目立つ『機動戦士ガンダム』のカイ・シデンとはキャラクター性が違う気がします。ただ、タクヤが赤いロボットに乗り込んだところは…
ガンキャノン /『機動戦士ガンダム』
どうしても、こちらが脳裏をよぎってしまいますね。
それぞれのキャラクターの共通点や相違点を考えながらご覧になるのも面白いと思います。
そして、『破邪大星ダンガイオー』の姉妹作といった位置づけにも注目したいですね。
1987年から1989年に渡ってOVAとして制作され、2001年には続編にあたる地上波アニメ『破邪巨星Gダンガイオー』も放送されました。
そのことから、単発のOVA作品で終わってしまった『大魔獣激闘 鋼の鬼』より『破邪大星ダンガイオー』は明らかに知名度があります。
さらには、『破邪大星ダンガイオー』は、これまで数多くのスーパー・リアルロボットが参戦している人気ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズにも登場していますしね。
『破邪大星ダンガイオー』のファンなら、『大魔獣激闘 鋼の鬼』もぜひご覧になってみて、それぞれの違いや共通点を見比べてみてほしいです。姉妹作とは思えないほど、まったくの別モノの作品と感じるかもしれませんが、ほぼ同じスタッフによって制作されたという事実は揺るぎません。そういった背景も踏まえて視聴してもらえればと思います。
『大魔獣激闘 鋼の鬼』の関連商品
小説版
『大魔獣激闘 鋼の鬼』
『大魔獣激闘 鋼の鬼』のまとめ
怪獣・特撮映画のようで、ロボットアニメの『大魔獣激闘 鋼の鬼』。他のアニメにはない、その個性は本作の大きな魅力といえます。主人公タクヤを声優・古川登志夫さんが演じていて、少し『機動戦士ガンダム』チックな印象も漂っています。
姉妹作である『破邪大星ダンガイオー』のファンなら、ぜひこちらの作品もご覧になっていただきたいです。記事内には本編動画も掲載していますので、この機会に視聴してみて、その面白さをご自身の目で確かめてください。
関連商品としてご紹介した小説版は、OVA版とはかなりテイストがかなり違って楽しんでもらえると思います。こちらもOVA版『大魔獣激闘 鋼の鬼』との共通点・相違点を探しながら読んでみてくださいね。