【訃報】カセットテープの生みの親、ルー・オッテンスさん死去。
カセットテープを発明したことで有名なオランダの技術者、ルー・オッテンス(Lou Ottens)さんが、3月6日に亡くなっていたことが明らかとなりました。94歳でした。
第一報はこちらです!
オッテンスさんは1926年、オランダ生まれ。1960年よりオランダの電機メーカー・フィリップスにて製品開発部門の責任者を務め、1963年にはカセットテープを発表。1965年にカセットテープの特許を無償公開したことで、カセットテープは世界中に普及することとなりました。その売上本数は推定1千億本とも言われており、70年代~90年代にはレコード、CDと並ぶ主要な音楽メディアとして人々に愛されていました。また、1979年にソニーがウォークマンを発表した際には、同商品を「カセットテープの理想的な応用」としつつ、所属していたフィリップスが開発出来なかったことを残念がっていたというエピソードも残っています。
ミドル世代御用達だった「カセットテープ」を今一度振り返る!!
ミドル世代にとって主要な音楽メディアのひとつといっても過言ではない「カセットテープ」。レンタルレコード・CDのダビングや、ラジオなどで流れた曲をエアチェックして自分のお気に入りの一本を作ったりした経験をお持ちの方も多いかと思います。ここでは、そんな我々の思い出が詰まったカセットテープについて、今一度軽く振り返っておきましょう。
大きさが色々あります。
まず、我々が通常カセットテープと呼んでいるものは、「コンパクトカセット(Cカセット)」と呼ばれるものであり、実はカセットテープ全体を指す言葉ではありません。文庫本サイズの「エルカセット(ELカセット)」、逆に超小型の「マイクロカセット (MC)」などもありましたが、音楽用に一般に普及していたのは「Cカセット」でした。


様々な音楽商品に利用される!
昭和後期には、歌手がCD・レコードを出すのに合わせてカセットテープも同時発売するケースが目立ちました。ただし必然的にジャケットは小型となり、また「カセットが欲しいならCD・レコードからダビングをすれば良い」という考えの人も多かったため流通量が少なく、今となってはプレミア価格で取引されているものも多いです。


ミドル世代の憧れ「メタルテープ」
カセットテープの種類として、主に「ノーマル」「ハイポジ」「メタル」といった種類が存在しました。中でも「メタル」は低音・高音どちらにも強いとあって、価格は高いながらも音楽マニアの間では愛用されていました。


カセットテープどころか、CDですら過去の遺物となりつつある現代。配信が主流となり、パッケージとして音楽を所持するという考え方自体が過去のものとなりつつありますが、その一方でカセットテープは現在も販売されています。山形県にある「ナガオカ」というメーカーからノーマルテープの新商品が2019年に登場するなど、少ないながら新商品も発売されている模様。ネット通販でも細々とではあるものの販売自体は継続しています。カセットテープの生みの親、オッテンスさんの功績を称える意味でも、久々にカセットテープで音楽を楽しむのもアリだと思います!

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