【大島康徳】26年間もプロ野球界で活躍、勝負強い打撃が持ち味の天才打者

【大島康徳】26年間もプロ野球界で活躍、勝負強い打撃が持ち味の天才打者

大島康徳は、中日で17年、日ハムで7年、合わせて24年間の現役生活を務めた名選手です。1983年にはホームラン王のタイトルを獲得、1990年には2000本安打を達成しました。勝負強さにも定評があり、1シーズン代打本塁打7本という記録も残しています。現役引退後は評論家をへて2000~02年には日本ハムファイターズの監督も務めました。今回は大島康徳について詳しく見ていきます。


野球デビューは高校から

大島康徳は大分で生まれ育ちました。野球経験はないものの人並外れた運動神経の持ち主で、県内の相撲大会に助っ人として参加したとき、たまたま相撲観戦をしていた中津工業高校の監督が、その素材のよさに惚れ込み、熱烈な勧誘を受け同校に入学。高校時代から本格的に野球を始め、やがてエース・四番を務めるようになりました。

ドラフト3位で中日に投手として入団するもすぐに打者転向

1968年の高校野球・選手権大会の予選で大島は大ホームランを放ち、視察に来ていた中日スカウトの目に留まり、その年、ドラフトで3位指名され中日ドラゴンズに入団しました。
大島はドラフトは投手として指名されたのですが、入団まもなく、投手としては適性不足だが打者としての資質は卓越していると評価され、すぐ打者に転向します。
入団3年目の1971年に1軍での試合出場を果たし、72年には外野手としてレギュラー出場をするようになりました。

勝負強い打撃が注目されるようになる

その後、大島は守備に難ありという評価をなかなか覆すことができず、代打の切り札的な起用をされるようになりましたが、打席に入れば、思い切りのよい打撃でチームに貢献。1976年にはシーズン代打本塁打7本を達成し、日本記録を樹立しました。

中日ドラゴンズの看板選手として成長

勝負強い打撃で注目されるようなった大島は、1977年にはサードのレギュラーを獲得し、打率.333、本塁打27本の好成績を収め、中日ドラゴンズの看板選手としての地位を着実に築いていきます。
1979年には36本塁打、セリーグ最多安打を達成、1983年には、36本塁打でセリーグ本塁打王となり、そのキャリアは頂点を極めました。

日本ハムへのトレード、2000本安打の達成

1983年の本塁打王以後もコンスタントに20~30本の本塁打を放ち続けた大島ですが、1988年、チーム改革を進める星野仙一の意向により、37歳で日本ハムファイターズにトレードされました。
新天地日ハムでの1年目、1988年シーズンにしっかりフル出場を果たし、15本塁打、63打点。翌89年もフル出場で18本塁打、59打点の成績を収めました。
そして1990年8月、39歳で2000本安打を達成しました。
2000本安打達成後は代打での出場が多くなりましたが、勝負強い打撃は44歳で引退するまで健在で、代打の切り札として活躍し続けました。なお大島は通算代打本塁打20本という記録を持っており、これはプロ野球で歴代2位となっています。

NHK解説者をへて日本ハムファイターズの監督に

大島は1994年に引退し、翌95年にはNHK野球解説者となり、2000年より日本ハムファイターズの監督に就任します。
3年の就任期間で、好成績を残せず、最後は解任されてしまいましたが、愛情あふれる指導や采配ぶり、外からの補強を極力減らし、自前で戦力を作ろうとするチーム作りなどが、コアな日ハムファンからは愛されていました。

現在がん闘病中も多くの人に勇気を与え続ける

大島は、現在「ズバリ!大島くん」という公式ブログを開設しています。

大島はこのブログで大腸がんになり、肝転移していることを2017年に公表しました。
ブログは日々更新されており、大島の日常生活、今感じていることなどが手に取るようにわかります。

こと打撃に関して類まれなる才能をもち、勝負強さをいかんなく発揮することでプロ野球の頂点にまでのぼりつめた大島康徳。現在はがんとの闘病記録を綴りながら、持ち前の明るいキャラクターで多くの人々に勇気を与え続けています。

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