一条ゆかりの隠れた名作「女ともだち」を振り返ろう!

一条ゆかりの隠れた名作「女ともだち」を振り返ろう!

一条ゆかりさんといえば「デザイナー」「砂の城」「有閑俱楽部」などドラマ化もされた人気作がたくさんありますが、一番印象に残っている作品はりぼんで連載されていた「女ともだち」です。短いですが印象的な作品だったのでまだ読んでいないという方は是非読んでほしいです。


「女ともだち」はいつの作品?

一条ゆかりさんは1968年からりぼんに漫画を掲載していました。「デザイナー」「砂の城」「有閑倶楽部」など人気作がたくさんありますよね。衝撃的な内容の話も多く少女向けのりぼんでこんなのいいの?という作品も多かったです。

「女ともだち」が連載されていたのは1990年から1992年。全14回で連載されていました。単行本は全3巻。文庫版は全2巻です。

この前に掲載されていたのは「ロマンチックください」という作品です。りぼんで連載していたのは「女ともだち」が最後でその後は「ぶ~け」「コーラス」に掲載誌を移しています。一条ゆかりさんの作品は難しいし、大人な内容も多いのでりぼんよりほかの雑誌の方が向いているという感じもしますね。

女ともだち 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL) | 一条ゆかり | 少女マンガ | Kindleストア | Amazon

電子版も出ているのでまだ読んでいないという方はぜひチェックしてみてください。

「女ともだち」のストーリー

主人公の荒井 菜乃は高校2年生。文学部に所属していて気が強く、かわいげのない性格。菜乃は5歳の時に両親を事故で亡くし、叔母の 西願 搖子 (せいがん ようこ)に引き取られて一緒に暮らしています。

瑤子は女優をしていて派手。両親の葬式に真っ赤な口紅で現れた違和感を菜乃はいまだに覚えていました。瑤子に反発する心から余計にまじめでとっつきにくい性格になった感じもします。瑤子は18年前に主演映画がヒットして注目を集めますが、今は顔がいいだけの役や擦れた女の役しか依頼が来ません。いわゆる落ち目のの女優ですね。

瑤子は菜乃を引き取る時「女ともだちのように暮らしましょ」といいます。叔母と姪ではありますが、「菜乃」「瑤子さん」と呼び合う2人の不思議な関係。

一方菜乃の親友、 大浦 こずえは女優を目指していて、現在はモデルの仕事をしています。瑤子に憧れもありました。こずえは美人でおとなしい性格なのでぶりっこだと思われ、いじめの対象になっていました。唯一の友人が菜乃なんです。

ある日こずえは大ファンである18歳の俳優、野口 晴臣の写真集の撮影に呼ばれます。緊張したこずえは菜乃に同伴を頼みます。野口 晴臣は女優の白河水絵とイギリス人の間にできた子ですが、白河水絵が映画監督の野口史仁と再婚したため、映画界のサラブレッドと呼ばれています。

芸能界に興味のない菜乃は、撮影で初めて晴臣を見たのですが、軽薄そうだと第一印象は最悪でした。自分も女優の姪でどこに行っても瑤子の名前が付きまとうので同じような環境の晴臣は嫌じゃないのだろうかと気になります。ですがそこで晴臣と言い合いになり、菜乃は帰ってしまいます。おたがい、言われたくない真実を疲れて腹が立ったんですね。

菜乃はいつか両親のように平凡な家庭を気づくのが夢でした。ですがある日、じつは瑤子が叔母ではなく、実の母親だということを知りショックを受けます。菜乃は瑤子にそっくりだと昔から言われていたのです。

ちょうど映画がヒットしたころに妊娠し出産、自分よりキャリアを取って姉夫婦に菜乃を預けたということですね。実の母親が母親ではなかったということだけでなく、本当の母親が自分より仕事を取ったということもショックだったでしょう。

父親は誰かと問い詰めるのですが、戸籍上も姉夫婦の子どもになっているから問題ないと教えてくれません。

その後菜乃は作家の野口博幸に出会います。そして博幸のアシスタントをすることになります。晴臣の叔父にあたるのですが菜乃はもともと博幸の本を読むほどのファンだったのです。

博幸の強引な誘いであるパーティーに連れていかれます。そのパーティーは晴臣の義父である野口 史仁の誕生日パーティーで映画の製作発表も行われていました。

晴臣、白河水絵だけでなくこずえの姿も。そこでちょっとした誤解が生じこずえと大ゲンカしてしまいます。さらに晴臣と一緒にいるところを週刊誌にとられ、心無いファンから暴行を受けてしまいます。そしてこずえも大けがを負ってしまいます。

その後菜乃も史仁の映画に出演することが決まります。演技の経験なんてまるでない菜乃は厳しい演技指導を受け、映画に臨みます。映画には瑤子、こずえも出演します。

第一印象は最悪だった菜乃と晴臣ですが次第にひかれあうようになります。こずえとの三角関係、
芸能界、親子関係など様々な関係が展開されている漫画です。

「女ともだち」とは誰のこと?

「女ともだち」は主人公の菜乃と親友のこずえ、そして晴臣との三角関係も描かれていますが、それがメインという訳ではないと思います。タイトルの「女ともだち」には菜乃とこずえのことももちろん含まれていると思いますが、それだけではないのではないでしょうか。

最初に瑤子が「女ともだちのように暮らしましょ」といった通り、不思議な関係の菜乃と瑤子のこと、瑤子とマネージャーで親友の留美子、瑤子のライバルと言われていた時期もあった白河 水絵などさまざまな女性同士の関係のことを指しているのではないかなと思います。

友情、恋愛、出生の秘密、将来、全3巻でありながらさまざまなことが描かれた作品です。リボンの中ではかなり異色の作品でしたが子供っぽさがないので大人になって読んでも楽しめる作品だと思います。今なら瑤子さんの目線で楽しめるような気もしますね。

関連する投稿


『りぼん』おとめチックの金字塔!陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の画業を辿る決定版書籍が発売

『りぼん』おとめチックの金字塔!陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の画業を辿る決定版書籍が発売

1970年代後半に『りぼん』で巻き起こった「おとめチック」ブーム。その中心的存在である陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子の3作家を特集した決定版書籍が2026年1月23日に発売されます。カラーイラスト250点以上に加え、池野恋、水沢めぐみの特別寄稿や豪華対談も収録。乙女たちの憧れが詰まったファン待望の一冊です。


【話かわるけどさあ】岡田あ~みん『ルナティック雑技団』を振り返らないか?

【話かわるけどさあ】岡田あ~みん『ルナティック雑技団』を振り返らないか?

80~90年代の「りぼん」読者に強烈なインパクトを残したオンリーワンの変態マンガ家、岡田あ~みん。今回は彼女が送り出した三作目の連載マンガ『ルナティック雑技団』を振り返っていきましょう。いけいけ天湖森夜、ドンマイドンマイ天湖森夜!


『りぼん』でアニメ化した漫画のおもちゃが懐かし可愛い!変身グッズやオシャレグッズまで!

『りぼん』でアニメ化した漫画のおもちゃが懐かし可愛い!変身グッズやオシャレグッズまで!

90年代に『りぼん』で連載されアニメ化された人気作品には、関連したおもちゃが多数販売されていました。変身グッズやステーショナリー、オシャレなグッズまで懐かし可愛いモノを集めてみました。持っていたものはありますか?


正統派恋愛漫画からジブリ映画の原作も!柊あおいさんのヒット漫画まとめ

正統派恋愛漫画からジブリ映画の原作も!柊あおいさんのヒット漫画まとめ

デビューから「りぼん」で「星の瞳のシルエット」、「銀色のハーモニー」などのヒット作を連載してきた柊あおいさん。ジブリ映画にもなった「耳をすませば」もありますよね。柊さんの人気漫画をまとめてみました。


 10代でデビュー→現在も活動中の人気漫画家まとめ<女性作家編>

10代でデビュー→現在も活動中の人気漫画家まとめ<女性作家編>

少女漫画家は10代でデビューという方も多いです。ですが、デビューしてその後もずっと活動を続けられている人はなかなか少ないんですよ。今回は10代でデビューして現在も活躍されている女性漫画家さんをまとめてみました。


最新の投稿


『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

人気漫画『頭文字D』のポップアップストアが、グランサックス イオンモール千葉ニュータウン店に登場。伝説のハチロク(AE86)を再現したウェットティッシュケースや、RX-7型の無線マウス、366日分のバースデーキーチェーンなど、ファン垂涎の公式ライセンスグッズが勢ぞろい。日常を彩る名車アイテムの魅力を紹介します。


昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

ニューヨーク発のブランド「OVERCOAT」が、昭和の名横綱・千代の富士との異色のコラボレーションを発表。生前愛用したテーラードスーツから身体寸法を逆算し、伝説の肉体をパターン(型紙)として再現。特別展示や限定アイテムの販売を行うポップアップイベントを、2026年3月より東京・ニューヨークで順次開催します。


伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

辰巳出版は2026年3月6日、プロレス専門誌『Gスピリッツ』の証言集第3弾『Gスピリッツ選集 第三巻 武藤敬司篇』を発売しました。平成の新日本プロレス黄金期を支え、日米を股にかけて活躍した武藤敬司のキャリアを、本人や関係者の貴重なインタビューで振り返る一冊。新録インタビューも追加された、全プロレスファン必携の保存版アンソロジーです。


没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

東京・神保町の名画座「神保町シアター」にて、2026年3月14日より特集上映『没後30年 俳優・渥美清』が開催されます。国民的映画『男はつらいよ』シリーズの人気作をはじめ、主演を務めた貴重なラブコメディや社会派人間ドラマなど、全12作品をフィルムで上映。日本映画界に多大な足跡を残した稀代の名優、渥美清の多才な魅力を再発見する貴重な機会です。


『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

バンダイスピリッツより、ドラゴンボールの聖地「カメハウス」を立体化した『ワールドコレクタブルフィギュア PREMIUM-カメハウスセット-』が登場。全高約22cmのハウス本体は室内まで作り込まれ、悟空や亀仙人など7体のフィギュアが付属。日常シーンから名場面まで自由に再現可能なファン垂涎のアイテムです。