「ご近所物語」の連載時期
「ご近所物語」は、「りぼん」にて1995年2月号から1997年10月号まで連載されていました。約2年半なので意外と短いですね。単行本は全7巻です。昔の少女漫画は10巻以下のさくひんがほとんどだったので特別短いということはないですよ。昔から人気の作品ですしね。
1995年9月から1996年9月までの約1年間、テレビアニメも放送されていました。1996年3月には劇場版も公開されています。アニメ終了時にまだ原作は終了していなかったので後半はオリジナルストーリーになっています。アニメしか見ていないという方はぜひ原作もチェックしてほしいですね。
また、1999年から「Paradise Kiss」というタイトルでファッション誌「zipper」にて続編というかスピンオフ作品が連載されていました。主人公の実果子年の離れた妹の世代の話で、主人公は早坂紫という真面目な女の子です。掲載紙がりぼんではなく、zipperということもあり内容は少し大人になっていますね。りぼんは集英社、zipperは祥伝社なので出版社をまたいだ続編というのもすごいですよね。
女の子を中心に大人気だった“ご近所物語”には続編があったんです!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
「ご近所物語」の登場人物
ストーリーの前にまずは登場人物をおさらいしていきましょう。
幸田実果子

本作の主人公。ツインテールのクルクルヘアがトレードマーク。連載開始当初は茶髪、途中から金髪に染めています。そして終盤にはピンクのショートヘアに。悩み事があると髪型を変える傾向があります。
デザイナーを目指し、ヤザガク服飾科に通っています。服のデザインとやる気に関しては周りから一目置かれている存在。猪突猛進な性格で好き嫌いもはっきりしています。背が低いのがコンプレックス。
山口ツトム

実果子の幼馴染で本作のヒーロー。
前作「天使なんかじゃない」のキャラクター中川ケンにそっくりで、連載開始当初は「ケンちゃん!!」と思ったファンも多いのでは。ツトムがケンちゃんに似ていたからこの物語に入りやすかったというのもあるかもしれません。
「ご近所物語」の世界では中川ケンはミュージシャンとして活躍していて、ツトムはケンにそっくりでチヤホヤされているという設定です。優しい性格で誰からも好かれる。オブジェを作るのが趣味。
田代勇介

ツトムの友人で最初は軽い印象。バイクに乗っています。
最初、実果子が気になっていたのですが、実果子の自由奔放さについていかれなくなりすぐに諦めます。オムライスが好物。建築科ですが、特技は似顔絵。
中須茉莉子

ミス・ヤザガクに選ばれた美人でスタイルの良い先輩。通称ナイス・バディ子。普通にバディ子とか、バディ子先輩と呼ばれているのですが、なかなかのあだ名ですよね。
故郷の先輩にずっと片思いをしていたのですが、そういうそぶりを見せずツトムにちょっかいをだしてきたことから実果子たちと絡むように。
及川歩

ツトムの友人で、祖父の所有していた倉庫を持っていたことから実果子たちのサークル、あきんどのメンバーになる。
個性豊かなメンバーの中で一番普通の女子ですね。見た目も性格も、おせっかいな一面もありまずが、とてもいい子です。
「ご近所物語」のストーリー

「ご近所物語」は、デザイナーを目指す実果子と周辺の人たちの恋愛や進路などを描いたストーリーです。矢沢あいさんの漫画の中で一番恋愛以外についても描かれている作品ではないかと思います。
主人公の実果子は小さい頃から洋服が好きでした。ですが中学の時は制服。制服を加工していたりしたことからいじめにあい、一時は不登校になりました。それでも服飾科のある高校、ヤザガクに入学してからは本来の明るい性格を取り戻し、夢に向かって努力をしながらも楽しく生活をしていました。
ですが最近、隣に住んでいる山口ツトムが妙にもてていることが気に入らない実果子。そしてだんだんと自分の気持ちに、そしてツトムの気持ちにも気づいていきます。とはいえ元々の性格もあり、長年幼馴染だったこともありなかなか素直になれなかったのですが、とうとう2人は両想いになります。
一方、ツトムにちょっかいを出していた茉莉子と実果子にちょっかいを出していた勇介もいい感じになって、付き合うことに。ですが、2人も気が強い性格なのでケンカも絶えません。茉莉子と付き合うようになって授業をさぼることが増えた勇介のことを歩は心配しています。歩は勇介のことが好きだったのです。
個人的にはこちらの三角関係にもヤキモキさせられました。歩はいい子なのでほかにいくらでも相手がいそうですが、茉莉子には勇介しかいないんじゃないかと思っていました。
ですが茉莉子は留年の危機に立ち結局学校をやめてしまいます。そして勇介とも別れることに。勇介はその後歩と付き合い始めるのでした。
高校3年生になり、実果子は文化祭のコンテストで優勝します。コンテストの副賞として、イギリスに留学できることに。実果子はツトムと離れたくないという気持ちから留学を迷っていたのですが、ツトムの後押しで留学を決意します。
その頃、離婚していた実果子の両親が復縁。妹が生まれることになります。
「復活編」として書かれた後日談では、実果子とツトム、勇介と歩、茉莉子と幼馴染の修はそれぞれ結婚。みな夢をかなえて幸せに暮らしていました。
あらすじをまとめただけでまた読みたくなりますね。実果子がちゃんと自分の夢を優先させて留学するところが好きです。