ボクたちのドラマシリーズ「放課後」
1991年、トレンディドラマに多数出演されていた石田純一さんの隠し子騒動で壱成さんの存在が公になりました。その後、石田純一さんのコンサートでフジテレビのプロデューサーの目に留まり、フジテレビ、ザ・テレビジョン10周年記念ドラマスペシャル「悲しいほどお天気」に出演することになりました。
その後、1992年にボクたちのドラマシリーズ『放課後』に出演することになりました。このドラマでいしだ壱成さんの存在を知ったという人も多いのではないでしょうか。
いしだ壱成さんは準主役で、主役の観月ありささんと心と体が入れ替わるというお話でした。観月ありささん演じる秋山あずさは、優等生のお嬢様でした。ですから壱成さんはなよっとた女性の演技でかなりインパクトがありましたよね。「フェミ男」と呼ばれるようになったのはこのドラマの存在もあるのではないでしょうか。
全5話の短いドラマで、再放送、ソフト化、配信などは一切されていません。もう一度観たいという人も多い作品だと思います。
「ひとつ屋根の下」「ひとつ屋根の下2」

1993年には「ひとつ屋根の下」に出演されました。野島伸司さん脚本で知らない人はいないんじゃないかというほど有名なドラマですよね。1993年にもっともヒットしたドラマで「そこに愛はあるのかい?」という江口洋介さんのセリフは流行語にもなりました。
いしださんは柏木家の三男、和也役を演じています。直情的で怒りっぽい性格で傷害事件を起こし、高校を中退しおしぼり工場で働いているという役でした。放課後の時とは(入れ替わる前の性格とは似ているのですが)また違う印象でこちらは男らしい役でした。ドラマ経験は少ない中、演技も上手だったのではないでしょうか。
おしぼり工場で窃盗の疑いを建てられ、迎えに来た兄達也(江口洋介さん)に心を開き、一緒にクリーニング店を手伝うようになります。
1997年に放送されたパート2ではマラソンランナーを目指しています。松たか子さん演じる実希との掛け合いも印象的でした。
「じゃじゃ馬ならし」
こちらは再び観月ありささん主演のドラマです。1993年に放送されました。今回は相手役は中井貴一さんでした。
マーキュリーコーポレーションの社長北原 まゆみと再婚した山田 隆一郎(中井貴一)は、結婚式の直後に妻を亡くしてしまいます。そこにまゆみの娘だと名乗る夏美(観月ありさ)が現れ、奇妙な二人暮らしがスタート。
取締役の久保田勝二(草刈正雄)暗躍によって隆一郎は次期社長の座を奪われ、オンボロアパートで暮らすことに。
いしだ壱成さんは、勝二の息子、久保田肇役として出演されています。夏美より1つ年上で女性にもてる先輩。ですが父の命令で夏美に付きまとっているうちに次第に夏美に惹かれていくという役柄ですよ。
「じゃじゃ馬ならし」もソフト化、配信などがされていないのでもう一度観たい作品ですね。
ちなみに、観月ありささんとは1998年の月9「ボーイハント」でも共演されています。2人の組み合わせは人気があったんでしょうね。
「ボーイハント」は女の友情を描いた物語。いしだ壱成さんは瀬戸朝香さんの元カレで、観月ありささんの今カレという役どころです。
「未成年」

連ドラ初主演をしたのは1995年の「未成年」でした。こちらも野島伸司さん脚本で話題になったドラマですよね。
高校3年生の戸川博人(ヒロ)は、普通の男子高校生。ですが、できのいい兄・辰巳にコンプレックスを感じていました。そのため無気力で卒業後の進路も決めていません。
知的障害のある室岡仁(デク)、ヒロの中学の同級生で暴力団組員の坂詰五郎、有名高校に通う神谷勤、同級生の田辺順平などとつるむようになります。高校生たちの何気ない日常、それぞれの悩みを描いたドラマだったのですが、途中からそれらが引き金になってとんでもない事件を起こしてしまうというストーリーです。
10代なら誰でも共感できるような部分があり、夢中になった人も多いのではないでしょうか。
この作品で壱成さんは第7回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演男優賞を受賞しています。また、作品としては最優秀作品賞、脚本賞、キャスティング賞なども受賞しています。
香取慎吾さん、反町隆史さん、桜井幸子さんなどが出演し、豪華でしたよね。
「聖者の行進」

1998年に放送された「聖者の行進」でも主演を務めました。こちらも野島伸司さん脚本作品ですね。
茨城県の水戸市で起きた水戸事件を基にした作品で、知的障碍者の働く工場が舞台のお話です。いしだ壱成さんも知的障碍者の永遠を演じています。今まで壱成さんが演じた役とは違いますが、違和感なく見ることができました。
壱成さんはこの作品でもザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞を受賞。最優秀作品賞、脚本賞も受賞した作品です。
いしだ壱成さんはこれまで数々の名作ドラマに出演されてきています。懐かしく見返してみたくなりますね。
障碍者施設での暴力やレイプなど過激な題材を扱っているため、スポンサーが途中で降板するなどの問題があった作品です。確かに目を覆いたくなるような部分はありましたが、主人公たちが明るいということもあり、底なしに暗い作品ではないと思います。
出演者が不祥事を起こしていることなどから、地上波での再放送、配信などは行われていないのですがDVDは発売されていますよ。