滝沢秀明とは

滝沢秀明さんは1995年、KinKi Kidsの堂本光一さんに憧れて自ら履歴書を送りオーディションを経て、13歳でジャニーズ事務所に入所しました。同期には今井翼さんや振付師としても活躍する屋良朝幸さんがいます。入所からわずか半年後にはドラマデビュー作にして初主演という偉業を成し遂げた他、90年代後半から巻き起こったジャニーズJr黄金期ではリーダー的な存在としてJrをまとめ上げました。またのちの嵐や関ジャニ∞も出演していた伝説のバラエティー番組『8時だJ』ではお笑いタレントのヒロミさんと共にMCを務めるなど大役を任されることも多く、この頃から「小さいジャニーさん」と称され別格扱いを受けるほど、その人気は絶大でした。

2002年9月、今井翼さんと共に男性アイドルデュオ「タッキー&翼」としてCDデビュー。ドラマやバラエティ番組を中心に活躍してきましたが、2005年頃より事務所社長・ジャニー喜多川さんからの打診を受け、活動の場を徐々に舞台へと移行していきます。代表作は『滝沢歌舞伎』。しかし2018年、デュオは解散。今井さんはメニエール病の治療に専念すべく事務所を退所し、滝沢さんはこれまでジャニーさんが担ってきた後進の育成を引き継ぐことを明らかにし、裏方に専念するため同年をもって引退。2人はそれぞれが選択した道へと進んでいきました。現在滝沢さんは2019年よりジャニーズ事務所傘下の関連会社「ジャニーズアイランド」の社長に就任し、同年9月にはジャニーズ事務所の副社長にも抜擢され、新人発掘およびプロデュース業に取り組んでいます。
タッキーに恋をして~テレビドラマ編~
近年は舞台を中心に活動していた滝沢さんですが、その恵まれたルックスと高い演技力を武器にジャニーズJr時代からテレビドラマに引っ張りだこでした。テレビの中の王子様的な存在としてお茶の間を熱狂させていましたよね。ここからは特に印象的だった彼の出演作についてご紹介致します。
木曜の怪談『怪奇俱楽部』

1995年よりフジテレビで放送開始となった『木曜の怪談』。『新 木曜の怪談』『木曜の怪談 ファイナル』『木曜の怪談'97』といくつも番組名を変化させながらそれは97年まで続きました。オムニバス形式を取っていた同番組には若手やアイドル的な人気を持つ俳優・女優を起用するという特徴があり、中でもまだジャニーズJrだった滝沢さんが初主演した「怪奇俱楽部」シリーズは最も人気が高い看板ドラマでした。誰もが知っている怪奇現象を分かりやすく描き、学園ドラマとしての要素も楽しめるタッキー初期の名作です。またこの作品でドラマデビューを飾った滝沢さんは同期で共演者の今井翼さんや川野直輝さんと共に「怪奇トリオ」としても活動し大変な人気を誇りました。90年代の中高生にとってはまさに青春ドラマのど真ん中といったところでしょうか。幼いタッキーを記録した貴重な1作でもあります!
『ニュースの女』
1998年フジテレビの水曜劇場枠にて鈴木保奈美さん主演で放送された人気ドラマです。テレビ局「Channel 2」の報道記者・麻生環(鈴木)はかねてより夢だったニュース番組「Evening News」のアンカーに就任しました。そして政治学者の工藤との結婚も決まり公私ともに順風満帆のはずだった…しかし結婚直後に不幸に見舞われ、その上亡くなった夫と前妻との間にできた無愛想な息子・北原龍(滝沢)と複雑な事情から同居する羽目に。初めは反発し合っていた2人ですが、正義感が強く周囲からキツくみられがちな環と無表情な龍とのチグハグなやり取りは何処かおかしく、観るものの心を温かくしました。コメディー要素もたっぷりで何より保奈美さんの美しさとまだあどけなさの残るタッキーがとてつもなくキュートでしたよね。
『魔女の条件』

『魔女の条件』は1999年、松嶋菜々子さんと滝沢さんのダブル主演により女教師と男子生徒の禁断の愛をシリアスに描いたラブストーリーです。17歳のタッキーがナイーブで真っすぐな高校生・黒澤光を見事に演じ切り、その演技力の高さを見せつけました。周囲からの冷ややかな視線や攻撃に耐えながらも抑えきれない広瀬未知(松嶋)との切な過ぎる純愛に日本中が涙しましたよね。当時社会現象を巻き起こした90年代を代表する伝説の名作ドラマにして、まだCDデビューもしていないジャニーズJrのタッキーが巡り合った自身ナンバーワンの代表作でもあります。そして何より松嶋さんと絶頂期の滝沢さんのお顔が国宝級に美しい!
『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』

滝沢さんと深田恭子さんの共演で話題を呼んだラブストーリーです。両親の再婚によって義理の兄妹となったダテ眼鏡をかけることでもう一人の自分を演じている気弱なまなと(滝沢)と自分の気持ちに素直に生きる不思議な少女・唯(深田)。彼ら2人をはじめ劇中に出てくる登場人物たちの片思いの連鎖が何とも切なく、もどかしかったですよね。またショートケーキの苺を「先に食べる派」か「後で食べる派」かという面白い議論も巻き起こりました。そして何より若かりし頃のタッキーと深キョンが抜群に可愛い秀作ドラマです!
『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』

『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』は2001年にフジテレビ系「月9」枠で放送された滝沢さん主演のハートフルコメディーです。洋菓子店「アンティーク」を舞台に、元天才ボクサーという異色の経歴を持つ見習いパティシエ神田エイジ(滝沢)や某財閥の御曹司でありながら訳あってアンティークのオーナーとなる決意をした橘圭一郎(椎名桔平)、天才パティシエ・小野裕介(藤木直人)、そして子持ちのギャルソン小早川 千影(阿部寛)という個性豊かな面々と店に訪れる客たちとの心温まる物語。また無念の引退から新たな道で奮闘するエイジの成長記録でもあり、若きタッキーがベテラン俳優たちと堂々と渡り歩く姿もカッコ良かったですよね。
大河ドラマ『義経』

『義経』は滝沢さん主演で2005年に放送された第44作目のNHK大河ドラマです。当時尾上菊之助(現在の七代目尾上菊五郎)さんが持っていた最年少記録23歳を更新し、放送開始時22歳という若さで大河ドラマ単独主演を務めました。美しくも哀しい悲劇のヒーローを見事に体現し、大きな反響を呼んだ本作は彼のキャリアを代表する名作の1つです。
義経 (NHK大河ドラマ) - Wikipedia
『オルトロスの犬』

刑事の長谷部渚(水川)は、ある事件の捜査中に主犯格の男に追い詰められ命の危機に陥っていた所を碧井涼介(錦戸)という青年の力によって救われます。彼は相手に触れただけで人が殺せるという特殊能力「悪魔の手」の持ち主でした。碧井の力を目の当たりにした渚は彼の能力について調べていくうちに、もう一人病気や傷を治す能力「神の手」を持った竜崎臣司(滝沢)という男の存在を知るのです。対照的な2人が引き合わされた時、彼らを巡る思惑と野望が渦を巻く。タッキーのダークな役柄が渋い1作です。
『真夜中のパン屋さん』

営業時間が午後11時から午前5時までという風変わりな真夜中だけのパン屋さん「ブランジェリークレバヤシ」を舞台に、仕事を通して成長していく姿や人々の心の交流が温かいヒューマンドラマです。本作で滝沢さんは店のオーナでどんな時も笑顔を絶やさない主人公・暮林陽介を好演しました。タイトルとは対照的にシリアスなテーマを扱いながらも個性的なキャラクターたちがユニークさをプラスするハートフルな作品です。また事務所の後輩で当時関西ジャニーズJrだったジャニーズWESTの桐山照史さんとの共演作でもありました。
『せいせいするほど、愛してる』

『せいせいするほど、愛してる』は北川みゆきさんによる同名少女漫画を原作とし、滝沢さんと武井咲さんのダブル主演で2016年にドラマ化されたラブストーリーです。ティファニージャパン全面協力のもとヒロイン未亜はティファニージャパンの広報、海里はティファニージャパンの副社長という豪華な設定や世界観も素敵でした。不倫といういけないシチュエーションでありながらも惹かれ合う未亜と海里をつい応援してしまいたくなったり…。年齢を重ね、さらにイケメン度が増したタッキーの魅力満載な1作です。劇中で披露されたエアギター姿も印象的でしたよね。
『孤高のメス』

WOWOWで放送された連続ドラマW『孤高のメス』が俳優・滝沢秀明としての最後のドラマ出演となりました。共演の長塚京三さんとは『ニュースの女』以来、約20年ぶりの再共演です。舞台は1980年代後半。当時日本ではタブー視されていた臓器移植をテーマに、日本初の臓器移植を目の前にして起こる様々な問題を描いた医療ドラマです。2018年いっぱいで引退したタッキーファンにとっては引退後に見られる貴重なドラマとして、その勇姿に感動した人も多かったことでしょう。本作で滝沢さんはこの物語の主人公で外科医の当麻鉄彦を演じました。
まとめ
23年間の芸能生活の中で様々な役柄に挑戦し続けてきた滝沢さん。あれだけのルックスと演技力を持ちながら裏方に専念すべく引退してしまったことはとても寂しいですが、しかし今度はプロデューサーとしてのタッキーの活躍に期待したいですね。