事件当時40代であったという「てっちゃん」。当時の彼を知る者の証言によると、てっちゃんは事件に関与していることをほのめかす発言をしており、事件が話題となっていた当時「被害者に『ダライ粉』が付着したおそれがある」ことを心配していたそうです。これは、江崎グリコ社長誘拐の際に目隠しのため使用された袋が「てっちゃんの当時の仕事であった鉄粉の回収作業で使用していたもの」であり、袋の内部に残ったダライ粉(金属屑)が被害者に付着した可能性を危惧しての発言だったと言います。江崎社長の頭髪からは少量の金属屑が検出されたとの話もあり、当時警察は金属加工業者を当たっていたという証言もあります。
また「西友川西多田店でおもろいことが起こる」という発言も残しています。その数日後には、青酸ソーダ入りの菓子が「防犯ビデオの男」で有名なコンビニにばらまかれ、さらにその店以外に「西友川西多田店にも置かれる」事態が発生しました。この「西友川西多田店」は駅からも遠く地元民でないと足を運ばないような立地であり、土地勘がないとターゲットにしづらいという点で、青酸ソーダ入り菓子が置かれた他の店とは異質な事件現場でした。その場所に土地勘を持っていた「てっちゃん」のような人物が犯人である可能性が高いと言えるでしょう。
このように、犯行に関与している可能性が非常に高い「てっちゃん」ですが、1994年に神戸市で発生した「福徳銀行巨額強奪事件」の犯人としてマークされ、「ミイラ男」と呼ばれる実行犯として捜査対象となりました。そして1997年11月、警察の事情聴取を受けた「てっちゃん」は、その直後に謎の自殺を遂げることとなります。なお福徳銀行の事件についても、2002年に時効が成立し、未解決となりました。
上述の「てっちゃん」についての新証言を引き出したのは、朝日新聞(週刊朝日編集部)の森下香枝氏。2007年には、グリコ・森永事件についての新事実をノンフィクション「グリコ・森永事件『最終報告』 真犯人」として発表しています。「てっちゃん」についての詳細をさらに知りたい方は、こちらの書籍を読んでみることをオススメします。
まとめ
「てっちゃん」の死により、事件の真相への扉が再び閉ざされてしまったグリコ・森永事件。2016年には、事件をモチーフとした塩田武士によるサスペンス小説「罪の声」が発表され、2020年10月には小栗旬と星野源のW主演で実写映画が公開されています。事件発生から早36年が経過した今だからこそ、映画を通じて事件を振り返ってみても良いかもしれませんね。
映画「罪の声」公式サイト
『罪の声』
おすすめの記事はこちら!
グリコ・森永だけじゃない!80年代に発生した昭和の「未解決事件」まとめ!! - Middle Edge(ミドルエッジ)
尾崎豊の初期の名曲「ダンスホール」の題材となった“未解決殺人事件”とは? - Middle Edge(ミドルエッジ)
「オワレている この男の人わるい人」70年代に発生した昭和の未解決事件まとめ!! - Middle Edge(ミドルエッジ)