珍遊記-太郎とゆかいな仲間たち-の概要
珍遊記は、週刊少年ジャンプで1990年~1992年にかけて連載されていた漫画です。
作者は奇才として知られる漫☆画太郎先生で、西遊記をモチーフとしたギャグ漫画で当時の子供たちから絶大な支持を得ていました。
面白いのですが・・迫力ある画風と下品な作風から親からは子供に見せたくない漫画として挙げられる事もしばしばでしたね。
珍遊記の大胆なオマージュ描写は当時の子供に大ウケ
珍遊記と言えば、独特な画だけだなく「有名作品のパk・・オマージュ」も見どころの一つでした。
とにかく、独特な世界観で「友情・努力・勝利」の王道漫画が多く連載されていたジャンプに乗り込んできた珍遊記というモンスターは、あっという間に当時の子供たちから支持されて人気漫画となりました。
かなりフザけた漫画である事は間違いないのですが、連載中盤~後半はいわゆる「バトル漫画」へと変わり、その中で数多くの術や魔法が登場しました。
そこで、今回は珍遊記に登場した魔法や術にスポットを当てて詳しく紹介していきます。
珍遊記に登場した魔法や法術~玄じょう編~
妖気吸収石(パンパース)
当て字と読み方のセンス(笑)
後述の転送(ファックス)と共に、序盤で登場した法術です。
首から下げている数珠の一つ一つが、妖気を吸収できる石になっていて凶暴な太郎を鎮めるために使った法術です。
妖気吸収石という漢字は読んで字の如しなのですが、おむつの商品名である「パンパース」と読ませるあたりがハイセンスですよね。
個人的には、漫☆画太郎先生のこうしたネーミングセンスがとても好きです。
転送(ファックス)
こちらも序盤に登場した玄奘の法術で、瞬間移動が出来る術として登場しています。
名前の由来は転送機、いわゆるファックスで間違いないでしょう。
PCの普及と発展で、現代ではファックスを使う機会も減りましたが当時は情報の送信にファックスを使うのは日常でしたし、漫画家さんともなれば馴染み深い機械だったのかもしれませんね。
育毛(アデランス)
物語の序盤、乱暴者の太郎に手を焼いている老夫婦(じじいとばばあ)と玄奘のやり取りで使用した法術。
禿げあがったじじいに使用して「ふっさふさ」にする描写が描かれています。
名前の由来は、総合毛髪企業の「(株)アデランスホールディングス」からだと思われます。
韋駄天走法(カルルイス)
逃げた太郎を追いかけたりする時など、素早く走る為に玄奘が使用したのが韋駄天走法(カルルイス)です。
名前の由来は、陸上選手としてオリンピックで大活躍したカール・ルイスですね。
当時を思い出すと、ベン・ジョンソンとカールルイスは足が速い人の代名詞代わりに使っていた記憶があります。
悪臭退散(ニオイケス)
ラーメンの味は良いのに、自身の放つ体臭が原因で閑古鳥が鳴いていた可哀相な店主に玄奘が使用した法術。
ちなみに、店主の名前は珍珍(ちんちん)で名前からして臭そうと作中では言われている可哀相な人。
悪臭退散(ニオイケス)で体臭が消えたあとは、繁盛している様子が描かれています。
乳房強制具脱着(ブラホックオフ)【映画版オリジナル法術】
実写版映画「珍遊記」で登場したオリジナル法術が乳房強制具脱着(ブラホックオフ)です。
映画冒頭シーンで、ばばあ(笹野高史)のブラを手を触れずに外す法術として登場しています。
映画内では、冒頭シーン以外にも無駄にこの法術を打つシーンが見られるので得意法術という設定なのかもしれませんが、ブラを外すだけという何とも意味がない術として描かれています。
珍遊記に登場した魔法や法術~攻撃・防御魔法編~
続いては、珍遊記の中盤以降に描かれたバトルシーンで使用された魔法・法術の中でも攻撃や防御に関する術をまとめてみました。
攻撃魔法①メラメーラ
名もなき賞金稼ぎの一人が使用した攻撃呪文がメラメーラです。
作中では「レベル50から習得できる」とされ、比較的高度な攻撃呪文のようですが、太郎には全く効果がありませんでした。
攻撃魔法②爆発(ドーン)
賞金首の太郎を狙う外人軍団のザーマスが使用した攻撃魔法の一つ。
時間稼ぎや牢獄を破る際に使用した爆発系魔法で、比較的初級の魔法である事が伺える。
もちろん、太郎には一切効果が無かったのは言うまでもありません。
攻撃魔法③対主人公爆死地獄(ズガドーン)
同じくザーマスが使用した呪文で、前述の爆発(ドーン)系の上位魔法と考えられる。
非常に強力な爆発を起こし、戦地となった酒場の1階部分を大破して太郎を地面にめり込ませるほどの威力。
一時的にではあるものの、太郎の動きを止めたが怒りを買うだけという結果に終わってしまっている。
攻撃魔法④芸術的爆発地獄(ウロタトモカーオ)
ザーマスが使える呪文で最強最悪の威力を誇り禁呪指定されている魔法。
あまりにも威力が強大すぎるため、条約で使用を禁止されており警察に申請・許可を取らなければ使えない。
作中では、この芸術的爆発地獄の許可申請を行うためにザーマスが戦線離脱して、結局投獄されるという内容になっているため使われる事が無い幻の攻撃魔法となってしまっています。
仮に使用したとしても、太郎には効かなかったとは思いますが・・・。
ちなみに、お気づきの方がほとんどだとは思いますが
ウロタトモカーオ⇒反対から読むとオーカモトタロウとなり、「芸術は爆発だ!」の名言で知られる岡本太郎氏の名前をもじったネーミングであることが判ります。
防御魔法①全身鋼鉄化呪文(ミナミコーテツ)
カイカイが使用した防御呪文で、全身を鋼鉄と化す事で防御力を高める効果がある。
太郎の頭突きを止める事に成功している事から、防御魔法としての効果は高い事が伺える。
呪文の名前は恐らくダジャレからではないかと推測されます。
(南こうせつさんの名前と鋼鉄をかけただけ?)
壁(ベルリーノ)
同じくカイカイが使用した防御魔法で、げんこつせんべい1000枚分に匹敵する硬度の見えない壁を作り出す呪文。
詠唱には時間がかかり、詠唱中は無防備になってしまう。
作中では、詠唱に成功するが太郎の頭突きで割られてしまっています。
その他の魔法①ケツなおれ
カイカイが使用した回復魔法の一種と思われる呪文。
太郎のカンチョー攻撃でザーマスの尾てい骨が折れているのを治す際に使用しています。
他の回復魔法が出ていないので何とも言えませんが、部位+なおれで傷ついた場所を癒す呪文であると考えられます。
その他の魔法②能力分析魔法(スカウター)
カイカイが使用した術だが、額にある第三の目を開眼した際に相手の妖力・知力が判るというものなので、カイカイ固有の特殊能力である可能性も。
作中では太郎の能力を測りきれずに、戦慄するシーンが描かれている。
その他の魔法③野獣家来化呪文(ゴンタビーキ)
野獣を封印して従者として従える事が出来る呪文。
フンガーという従者の正体がヒババゴンという野獣であったという事が判明した際に、ゴンタビーキに関する台詞でのみ登場している魔法。
ちなみに、名前を逆から読むとキービダンゴとなり桃太郎に登場する「きび団子」が元ネタである事が判る。
まとめ
下品で強烈なインパクトを残す画風が特徴的な珍遊記は、当時の子供(特に男子)にバカ受けした漫画として思い出に残っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな珍遊記に登場した様々な魔法や法術をピックアップして紹介しました。
「あ~そういえばそんな描写あったあった!」と、少しでも懐かしい気分になって頂けたなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。