『幽幻怪社』とは?
こちらは原作となるコンテンツが存在せず、このアニメのために描き下ろされたオリジナル作品となります。人気のある漫画・小説といったコンテンツをそのままアニメ化するといった流れでは制作されておらず、このOVA作品を視聴することでしか『幽幻怪社』というコンテンツを楽しむことはできません。そういった意味では、意欲作であり、制作側の思い入れも相当なものだといえるでしょう。
『幽幻怪社』のあらすじ
主人公・如月妖華は悪霊退治をこなす『幽幻怪社』の女社長。エクソシストとしても凄腕で、口紅を剣に変え、霊的なエネルギーを放つイヤリングなどを駆使して悪霊や鬼と戦います。しかし、経営者としてはズボラな部分が目立ち、激しい浪費癖から、社員の給料や協力者への支払いが滞ることも多いです。
そんな彼女や『幽幻怪社』の社員たちが次々に怪事件・珍事件を解決していく痛快サイキックアクション。
『幽幻怪社』の各エピソード
女性が吸血鬼に襲われる事件が発生。公的機関から依頼を受けて、『幽幻怪社』の女社長・如月妖華が事件解決に乗り出します。捜査を始めると、首筋に吸血鬼に噛まれた跡のある女性を発見しますが、物語展開は思わぬ方向に…
酒癖の悪さが災いしてタクシーを事故に巻き込んでしまった如月妖華。タクシー運転手のお見舞いに、入院先の病院に訪れるのですが、その病院は悪霊の力を悪用して臓器売買で荒稼ぎしていたのです。タクシー運転手にも魔の手は及び、帰らぬ人に…こうして如月妖華もきな臭い事件に巻き込まれていきます。
古代のサハラ文明を扱ったイベントにおいて、まるで呪われているかのように続々と事故が発生。その除霊を引き受けた『幽幻怪社』でしたが、そこには責任者である小川ナツキの身を案じる純情な幽霊の姿が…
商売敵といえる存在が現れ、次々に仕事が奪われていく『幽幻怪社』。その商売敵は自分達で騒ぎを起こし、事態を収集するマッチポンプで荒稼ぎをしていました。その事実を嗅ぎつけた如月妖華は事実を明らかにするべく、悪の除霊集団のアジトに乗り込むのでした…
『幽幻怪社』の類似作品との比較検証
年代的には『GS美神 極楽大作戦!!』の原作漫画の連載が1991年に始まり、1993年にはテレビアニメ化。その後、1994年にOVA作品『幽幻怪社』が発売されています。
パクリかどうかという話は置いておいても、OVA作品『幽幻怪社』は『GS美神 極楽大作戦!!』の影響を受けて制作されたコンテンツであるのは間違いなさそうですよね。そんな両者の類似店や相違点を比較して、それぞれの特徴を比較検証していきたいと思います。
類似点
主人公は女性除霊師
如月妖華 / 『幽幻怪社』
美神令子 / 『GS美神 極楽大作戦!!』
主人公のイメージがあまりにも重なる両作品。『幽幻怪社』の如月妖華も、『GS美神 極楽大作戦!!』の美神令子も、類い稀なる美貌をもつ女性除霊師という要素は比較対象にしないほうが逆に不自然なレベルといえるでしょう。また両者の戦闘スタイルも同じで、剣術を主体として霊術やアイテムを駆使するといったところも似ています。
女性ながら社長を務め、さらには除霊師として現場で活躍するといった点も同様ですよね。ここまで主人公のイメージが重なると、パクリではない、影響を一切受けていないと言い切るほうが不自然のような気がします。
相違点
イメージが重なる『幽幻怪社』の如月妖華と『GS美神 極楽大作戦!!』の美神令子。
しかし、『GS美神 極楽大作戦!!』の美神令子が20歳という設定なのに対し、『幽幻怪社』の如月妖華の年齢設定は20代後半だと予想されます。酒癖が悪くて、カラオケでは演歌や歌謡曲を好んで歌うといった私生活はオヤジ臭い印象を漂わせ、女性ながらも社長を務めているといった設定にリアリティーがありますよね。さらには、お金の管理にだらしない如月妖華に対し、とことんお金に執着する美神令子の姿は対照的のようにも感じられます。
そして、相棒といえる立場にいる男性キャラクターにも違いがあり、それぞれ全く別ジャンルの個性をもっています。
狩野功蔵 / 『幽幻怪社』

横島忠夫 / 『GS美神 極楽大作戦!!』
同じように見えて、ターゲットにしている世代層を高めに設定しており、意図的にミドルエッジ世代向けにしているように思えます。また『幽幻怪社』が扱うテーマも、臓器売買やセクハラ・マッチポンプなど成人向けの内容になっており、あくまで悪霊退治を主とする『GS美神 極楽大作戦!!』とは違うのではないでしょうか。
OVA作品『幽幻怪社』まとめ
当時の子供たちから絶大な人気を誇った『GS美神 極楽大作戦!!』。その二番煎じとして登場したOVA作品『幽幻怪社』からは、やはりパクリという印象は拭えないのかもしれません。しかし、両者を比較してみると、似ているようで、違ったテーマを打ち出していることは明らかです。
むしろ『GS美神 極楽大作戦!!』は嫌いでも、『幽幻怪社』は好きというユーザーは多いのかもしれません。記事内には、YouTubeでご覧になれる本編動画も掲載していますので、この機会に、ぜひご覧になってみてください。