原作の「お父さんは心配症」はギャグマンガ!

「お父さんは心配症」の原作はりぼんに連載されていたギャグマンガです。作家は岡田あーみんさん。
1983年にりぼん5月号に読み切り掲載され、その後1984年11月号から1988年11月号まで連載されていました。5年間連載されていた人気漫画ですが、ギャグマンガなのでページ数が少なかったこともあり、りぼんマスコットコミックスでは全6巻。文庫版は全4巻と短めです。
少女漫画誌「りぼん」の中で異彩を放っていたこの作品。この表紙の絵を見ても分かる通り、まずお父さんの絵が少女漫画感ないですよね。当時りぼんを読んでいた人なら印象に残っていることと思います。
少女漫画誌に載っているギャグマンガは日常にもありそうなくすっと笑える漫画が多いかな、と思うのですが「お父さんは心配症」はギャグもぶっ飛んでいました。どちらかというと少年誌の世界観に近いと思います。強烈な印象を与える漫画なので「伝説のギャグマンガ」と呼ばれることも多いです。
岡田あ〜みんの傑作ギャグ漫画!『お父さんは心配症』 - Middle Edge(ミドルエッジ)
「お父さんは心配症」はどんな話?

タイトルの通り、心配症のお父さんが主人公です。佐々木光太郎は、妻に先立たれ、男で一つで娘の典子を育ててきました。一人娘の典子を思うがために、異常な行動に出て典子を守ります。
一方、典子はよくできた娘で、光太郎が心配する必要もないほどのしっかり者。父の心配性に困っていますが、心底嫌っているわけではありません。
典子には北野という恋人がいます。光太郎はもちろん許しません。北野は好青年で反対する必要もないのですが、やはり娘の恋人は誰であろうと許さない!といった感じですね。光太郎はありとあらゆる手で北野と典子のデートを邪魔しようとします。ふざけているわけではなく、基本的にはまじめな性格の光太郎なので典子だけでなく、北野にも慕われているんですよ。
毎回光太郎と北野のバトルがメインのお話ですね。最初は普通だった北野ですが、光太郎に対抗しているうちにだんだん変態になっていくのも面白いです。
ギャグ漫画ですがストーリーも少しずつ進展していきます。光太郎は課長の紹介でお見合いをします。お見合いの相手は看護師の安井智恵子。一人息子もいます。光太郎は安井さんを好きになり、ここからは父の恋愛もスタート。娘に対してあれだけ心配症なので、安井さんに対しても心配ばかり。話をするのはたとえ患者でも許さないのです。
安井さんは安井さんで天然ボケでおっとりした性格なのですが、いざというときには大胆でぶっとんだ行動をするという一面も。最後には光太郎と再婚します。
ドラマはいつ放送されていた?
「お父さんは心配症」のドラマは1994年の4月から5月まで、テレビ朝日系列で火曜20時から21時まで放送されていました。ドラマは全5回で一般的な連続ドラマよりも短かったです。この短さは打ち切りなどではなく、最初から短い予定だったんでしょうね。
当時テレビ朝日では「月曜ドラマイン」という若者向けの人気ドラマ枠があったんですが、このドラマはまた別の枠だったんですね。
実写ドラマのキャストは?
実写版の主要キャストは以下の通りです。
・佐々木光太郎:大地康雄
・佐々木典子:持田真樹
・北野:国分太一
・安井 智恵子:美保純
・佐々木奈々:有田気恵
・北野の母:石井苗子
原作では典子はひとりっ子だったのですが、ドラマでは妹がいる設定になっていました。当時人気があった子役の有田気恵さんが妹を演じています。原作ファンにとっては「なぜ妹が?」という感じでしたね。人気子役を出してドラマの人気も狙っていたのかな?なんて考えてしまいます。
漫画を実写化した場合、キャストは原作の通りとは限りませんが、光太郎が大地康夫さんというのはあまりにもイメージが違いました。画像を見る限りでも分かりますよね。大地さんにこんな顔はできないでしょう。今だったらムロツヨシさんあたりが演じてくれたら楽しい作品になりそうな気もしますが。
あらすじを文章で見ると意外と普通の漫画、ドラマに感じるように、「お父さんは心配症」はギャグありき。でもそのギャグは実写では放送不可能なものが多いです。例えば、光太郎が北野を包丁で刺す、とかよくあったのですが、これはギャグマンガだから成立すること。実写ではできませんよね。ドラマではギャグ要素をかなりカットしているため、普通のホームドラマになってしまっています。まあ、この漫画を実写化なんて無理だと最初から分かりそうな気もするんですけどね。ギャグマンガを実写化しようと思った人がすごいです。
典子と北野はイメージに合っていると思います。原作とは別のホームドラマだと思えば楽しくみられる作品ではないでしょうか。
「お父さんは心配症」は現在のところソフト化も配信もされていません。現在見ることはできないのですがもう一度見て見たい気もしますね。当時は「原作と全然違う!」と思ってしまいましたが今なら楽しくみられると思います。