『老人Z』とは?
1991年に公開されたアニメ映画。名作『AKIRA』を制作した大友克洋さん、漫画家・イラストレーターとして有名な江口寿史さん、この二人がタッグを組んで制作したSF作品です。
高齢化社会をテーマとした内容で、老人介護にスポットを当てており、社会問題にメスを入れた強いメッセージ性のあるコンテンツといえるでしょう。
老人Zのあらすじ
『Z-001号機』の機能性を披露する場が設けられ、そこに出向いた晴子はチューブだらけになった高沢老人の姿をみて、「人道的じゃない」「愛情が感じられない」と非難します。
特別施設で『Z-001号機』に繋がれた高沢老人は、晴子にSOSを発信しており、そのメッセージに気づいた晴子は高沢老人を助けるために行動を開始するのでした…
老人Zの魅力をピックアップ!
その1.老人介護という社会問題
このような時代だからこそ、老人Zというアニメ作品がもつメッセージ性について考えさせられるものがあります。技術革新は進んでいますが、アニメ本編に登場する『Z-001号』のような便利な設備はまだ存在していません。
老老介護という言葉も生まれ、老人が老人を介護する時代になっており、新しい老人介護の仕組みを本格的に考えなければいけない時代になってきていますよね。
その2.晴子の可愛らしさ
晴子は芯が強く心優しい性格の持ち主です。何がなんでも厚生省から高沢老人を助けようとするガッツは凄く、本編では驚くほどの行動力を発揮しています。美しさと強さを兼ね備えた女性といえ、サバサバしていて恋愛にはあまり興味がなさそう感じです。
そういった晴子の姿は、男性から見ても、女性から見ても、魅力的なものに映るのかもしれませんね。
その3.秀逸なメカニカルデザイン
要介護の老人が寝たままの状態で排泄・入浴でき、さらには食事や運動・娯楽のサポートまでこなす万能さは素晴らしいですね。AIや自己増殖・動力といった部分を除けば、確かに理想的な介護マシンといえるのかもしれません。
暴走して自己増殖するまえのフォルムは、機能美といえるような格好良さがあります。
増殖すたびに巨大化して、重機や寺院の大仏さまを取り込んでユニークな姿になっていきます。AIが独自に人格をもち、高沢老人の亡くなったはずの奥さん・ハルの人格を再現するようになるのは面白いです。
その4.入院生活を送る老人たちの活躍
この老人たちの存在は、自分自身が本気で打ち込めるものがあれば、元気でいられることを暗示しているように思えます。そして、老人がもつ知識・技術は侮れず、それを社会に活かせないものかと訴えているように感じられないでしょうか。
直接的な描写ではないにしろ、制作側のそのようなメッセージが含まれているような気がしてなりません。本気で打ち込めること、好きなことを若いうちから探して、老後の生活に備えておこうと思えてきます。
老人Zの動画本編をご紹介!
老人Zのあらすじ・魅力まとめ
約30年前のアニメ作品だと思えないくらいに映像のクオリティーは高いです。動きに躍動感もあって、現代のアニメと見比べてみても遜色ないレベルを実現しているのではないでしょうか。
社会風刺といった意味合いをもち、可愛いヒロインの晴子の存在は視聴していて画面から目が離せなくなってしまいます。この機会に、ぜひご覧になって、いずれ迎える自分自身の老後の生活を想像なさってみては如何ですか?