ビートルズを通じ音楽少年として育ち、そして音楽への思いをコントへと昇華させていった志村ですが、その一方で「音楽評論家」としての一面も持っていました。「JAM」といった音楽雑誌に、近田春夫、加藤和彦といった錚々たる面子に混じって洋楽アーティストのアルバムのレビューを寄稿しており、例えば、1980年に発売されたスティーヴィー・ワンダーのアルバム「ホッターザンジュライ」に対しては「感動にむせかえっている」「どの曲がいいかとなると(中略)少ない頭髪を掻きむしる」などと、志村ならではの表現を用いてアルバムの魅力を紹介しています。
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あの山下達郎とも対談!!
さらに、あの山下達郎とも雑誌の誌面で対談を行ったこともあります。「クリスマス・イブ」が収録されているアルバム「MELODIES」が発売された1983年頃の対談で、それぞれの立場から「音楽にも笑いの要素が不可欠」「ギャグも、音楽も、ホンモノだけが生き残る」といった、お笑いと音楽という異なるジャンルであっても、共通の真理があることを確かめ合っていました。
近年はラジオ番組でお気に入りの音楽を流す企画も!
近年では、ラジオ番組「志村けんのFIRST STAGE」のパーソナリティとして「志村けんのIPad」というコーナーを設けお気に入りの1曲(往年の洋楽や邦楽など)を流す企画を実施するなど、仕事の一部としても音楽に関わっていた志村。かつてインタビューで「僕たちの仕事にはテンポっていうものが大切なんだけど、それは音楽から得るところが多いよ」とも語っており、お笑いを極めるに至る過程での音楽の重要性に気づいていた、彼の先見の明には驚くばかりです。
このたびの突然の訃報に、世界中が悲しみに暮れているのは皆さんご存じの通りですが、お笑いと音楽の関係性についていち早く注目していた志村の先見性は、今後のお笑い界の指標になっていくことは間違いないでしょう。彼の遺志を継ぐコメディアンが、将来登場することを期待したいものです。
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