頭文字Dとは?
1995年に週刊ヤングマガジンで連載された、しげの秀一さん原作による人気コミック。
峠道で走行テクニックやタイムを競う走り屋たちを描いた内容で、1998年にはテレビアニメ化され、続編となるSecond Stage・劇場版のThird Stageが制作されました。
さらにCS放送にて、2004年にはFourth Stage、2012年にはFifth Stage。2014年にはVODサービスにてFinal Stageが公開され、原作コミックの内容は全て網羅されています。
頭文字D Second Stageの位置付け
アニメ版においては、劇場公開されたThird Stageまででひとつの区切りとなっています。
それぞれの内容を「起承転結」で表すなら、最初にテレビ放送されたFirst Stageは「起」、Second Stageは「承・転」、劇場版のThird Stageは「結」といった印象です。
高校生としても、走り屋としても、主人公・拓海の周囲は前作以上に慌ただしく動いていくのが面白いです。
頭文字D Second StageのOP・ED映像
【第1戦】トレノVSランエボⅣ
ランサーエボリューションⅣ
対戦相手:岩城 清次
日光いろは坂を拠点とする走り屋チーム「エンペラー」に所属していて、ナンバー2の実力。性格は気性の荒さが目立ち、バトルする対戦チームには挑発を繰り返すなど傲慢な態度が印象的なキャラクターです。
考えることがあまり得意ではなく、感覚や勢いに任せた行動が多いですが、ドライビングテクニックは相当なものでランエボⅣの性能をうまく引き出しています。
バトルまでのいきさつ
日光いろは坂から遠征してきた「エンペラー」は群馬エリアで負け知らず。そして、秋名山にも現れたことで、主人公・拓海とのバトルに発展します。
主人公・藤原拓海は群馬エリアで最速と言われている高橋涼介にも勝ち、「秋名のハチロク」として走り屋たちに名前が知られるようになりますが、対戦相手の岩城清次は「ハチロクなんて、アウト・オブ・眼中」と挑発を繰り返すのでした。
バトルを振り返ってみる
ランエボⅣは意図的にハチロクの後追いポジションをとって、様子を見る作戦をとります。これはハチロクを見下していた清次の考えのわけもなく、「エンペラー」のリーダーである須藤京一の指示によるもの。
しかし、次第に前走のハチロクの遅さに耐えられなくなり、清次はハチロクを抜いて先行ポジションをとって、さらにその差を広げようとします。ただ、秋名山の峠道は、コース後半から勾配はきつくなり、ハチロクも真価を発揮することで差が広がっていきません。
バトル終盤、拓海は再び先行ポジションをとらなければなりませんが、ランエボⅣの加速やコーナリングが凄くてランエボⅣを追い抜けないでいます。ここで群馬最速と言われる高橋涼一に勝ったときのことを思い出し、コーナーでの立ち上がり重視の溝走りをすることでランエボⅣを追い抜いてバトルで勝利を収めたのでした。
結果的には、拓海は高橋涼一とのバトルと同じように走って勝っただけ。ハチロクという非力な車種で、凄い戦闘力のランエボⅣに勝てたけど、場所が秋名山じゃなければ勝てていなかったことも事実です。拓海はバトルの中で熱くなれず、充実感や達成感も得られませんでした。
【第2戦】トレノVSランエボⅢ
ランサーエボリューションⅢ
対戦相手:須藤 京一
「エンペラー」のチームリーダーにして、実力においてもナンバー1。徹底した合理主義を貫き、職人のように運転技術を磨いてきました。知識・技量のどちらも高いレベルを備えており、チームにおいても、メンバーからの信頼が厚いのも印象的です。
ジムカーナで鍛えたテクニックは、ランエボⅢのハイパワーターボと4WDの組み合わせによってプロにも負けない速さを実現していて、最強クラスの実力をもったドライバーだといえるでしょう。
バトルまでのいきさつ
付き合ってはいなかったものの、お互いに気になり、良い雰囲気だった拓海と茂木なつき。
しかし、茂木が中年男性との援助交際の場面を目撃して、感情的になってしまった拓海は、赤城山で行なわれていた交流戦に出向いて、以前から挑発されていた須藤京一にバトルを申し込んでしまいます。
走り慣れた秋名山のコースではないことや、それぞれの愛車の戦闘力に差がありすぎるといった要素から、拓海にまったく勝ち目がないバトルが始まってしまうのでした。
バトルを振り返ってみる
一切の手加減や油断はなく、合理的に勝ちにくるランエボⅢ。バトル序盤は、ハチロクが先行ポジションで良い勝負にも見えますが、S字コーナーでのカウンターアタックを受けて簡単に追い抜かれてしまいます。
大きな馬力によるパワーやミスファイアリングシステムによる高速のコーナリングを見せつけられ、拓海は圧倒的なスピードの差を感じてしまうのでした。追いつこうとアクセルを踏みますが、すでにエンジンの寿命が限界に達していたハチロクは煙を上げて走行不可能になるといったかたちで決着を迎えます。
京一本人も語っていますが、これはバトルというよりもレクチャーといった側面が強くて、向かうところ敵なしだった拓海が初めて挫折を味わうのです。
バトルの後に拓海が涙した本当の理由は何だったのでしょうか。ハチロクを壊したことの後悔なのか、茂木への想いによるものなのか、バトルで圧倒的な差を感じたせいなのか、おそらくは全てが正解で、色んな感情が入り交じって気持ちの整理がつかないのかもしれませんね。
【第三戦】トレノVSレビン
カローラレビン
対戦相手:秋山 渉
埼玉県を拠点にしている走り屋で、地元では敵なしの腕前を誇ります。レビンという非力な車で勝つことに強いこだわりがあって、ハンデキャップがありながらも、バトルの対戦相手を追い詰めることに自分なりの意義を見出しています。
拓海と勝負するにあたって、見た目は違っても同車種対決となるため、絶対に負けられないバトルだと思っているようです。
バトルのいきさつ
エンジンを載せ変えて復活を遂げた拓海のハチロクだったが、以前とは走行しているときのフィーリングが違って、不思議と乗りづらさを感じていました。
同じハチロクに乗る渉に出会い、そのことを相談すると明らかな欠陥があって真価を発揮できない状態だと教えられます。また、それと同時に拓海の知識のなさからは考えられないテクニックの凄さに、渉は憤りを感じて、それぞれのハチロク乗りとしてのプライドを賭けたバトルすることになるのです。
拓海は欠陥と指摘されたタコメーターを友人たちに協力を仰いで付け替え、父親から適切なエンジンの回転数を聞き出しました。拓海は初めて自らの意思で行動し、万全な状態にハチロクを仕上げてバトルに挑みます。
バトルを振り返ってみる
頭文字Dのシリーズを通して、拓海が経験するバトルで1・2位を争うほどのタフな勝負となります。拓海はこれまでが嘘のように自在にコントロールできて、さらにパワーアップを果たしたハチロクに感動します。この場面では、エボⅢとの対戦後に流した拓海の涙が報われたように感じられないでしょうか。
結果的には拓海が勝ちますが、渉は地元を知っていたことでの慢心や思い込みで負けてしまったように思えます。何本目かも分からなくなるほど走り続け、コースの状態は変化していたのに、そこに気づけなかった慢心。このコースでは、道幅が狭くて追い抜きはないという思い込み。こういった要素が拓海の勝因であり、渉の敗因であったように思えます。
頭文字D Second Stageでは、拓海のハチロクがパワーアップを果たすのが肝になりますが、そのプロセスを懇切丁寧に描かれていて、このバトルもそこに含まれているのではないでしょうか。だからこそ、同車種でありながらも、違うアプローチでチューンされたライバルとの対決という場面があったように思えてしまいます。
頭文字D Second Stageを視聴しよう
作画やCGは段違いにレベルアップ
バトルを中心に紹介してきましたが、拓海や親友の樹の恋愛パートは、胸が張り裂けそうな気持ちになってしまいます。学生時代や若かったころの切ない恋愛を思い出してしまうかもしれません。
ぜひこの機会に頭文字D Second Stageをご覧になり、気持ちを加熱してみましょう。
 
     
     
            




