キリンレモンのCMソングでデビュー
1983年当時、杉本哲太が主演した、キリンレモンとのタイアップCMで流れていた『バージンブルー』を演奏していたバンドといえば、そう。SALLY。

当時はチェッカーズ全盛の時代。カラフルなかわいいチェックの衣装とおしゃれなヘアースタイル、ポップな楽曲でかなりの人気を誇っていました。
そこに法政一高在学中に文化祭に出場するために結成された「SALLY」が登場。
市松模様の衣装やビジュアルなど、コンセプトがチェッカーズと似ていたため「チェッカーズのマネ?」「第2のチェッカーズ」とも言われていました。
偶然のバンド構成、バンドスタイルだったにもかかわらず、です。
世の中はそうは見てくれないのですね。
メンバーはさぞかし悔しかったにちがいありません。
当時中学生だった私は、アイドルっぽいチェッカーズよりも、不良っぽい、SALLYのファンでした。
推しメンはリーダーの杉山洋介。
デビューアルバムを購入し、毎日レコードが擦り切れるくらい聴いたものです。
急遽変更で大ヒットとなったデビュー曲
デビュー曲ともなったバージンブルー。
当初は彼らのオリジナル曲でデビューのはずだったのですが、急遽この「バージンブルー」に変更。どことなくグループサウンズみたいで、本人たちもデモテープを聞いた時は「これを俺たちがやるのか?」とがっかりしたようです。本来はコーラスを活かしたピュアなロックンロールが彼らの持ち味だったようです。しかし、リードボーカル加藤喜一のけだるい感じとハスキーボイスはこの曲にぴったりはまり、売り上げ21万枚を超える大ヒットとなりました。
この曲でSALLYは日本有線放送大賞新人賞、日本レコード大賞新人賞を受賞しました!
サードシングルは本来デビュー曲となるはずだった「愛しのマリア」。
バージンブルーと曲調は似ていて、キレイな曲ですが、やはりデビュー曲は「バージンブルー」がよかったのだろうと感じます。
アルバムを聞けばわかる、彼らの音楽。
デビューアルバム『BADBOYS COME TONIGHT(夜をぶっとばせ!)』はデビュー曲「バージンブルー」発売の5か月後にリリースされました。
この曲を聞くと彼らが本当にやりたかった曲ってこれだったんだろうなってわかります。

ファーストアルバム「BADBOYS COME TONIGHT」
1曲目のアルバムタイトルにもなっている「BADBOYS COME TONIGHT(夜をぶっとばせ!」は、曲調がロックンロールそのもので、ノリがよくてついつい踊ってしまいそうです。
この曲のメインボーカルは洋介。そしてギターリストとしての喜一のテクニックも楽しめます。
この曲を初めて聞いた時、全身に鳥肌が立ったのを今でも覚えています。
そして、彼らがコーラスを得意とするバンドだということがよくわかるのが「ガール」。洋介と喜一のハモリが最高にきれいな曲です。しっとりしたバラードは聞いていてどこか切なくなります。
アーティストであり続けるために
素敵な曲をリリースし、私たちに聞かせてくれていたSALLYですが、2年間という短い期間で解散の道を選びました。
解散の理由ははっきりとは分かりません。しかし、彼らが目指していたアーティストとしてのSALLYと、どこかアイドル視している、周りのSALLYに対する印象にはギャップがあり、彼らはそんな状況に苦しんでいたのかしれませんね。
後に喜一はサックスの箱崎 昇とのセッションやソロでの活動もしています。
一夜限りでもいいから、もう一度SALLYに逢いたいと願っている人も多いのではないでしょうか。