軍国主義・トルメキア軍の参謀ですが、ちょっとふざけたやる気のない態度がいっぱいのクロトワです。
クロトワ登場の安定するシーンを3つ。
・巨神兵を復活させるための研究室のような場面で、目覚めかけた巨神兵に向けて呟くシーン。その時のセリフ「へっ…笑ってやがる…」。
・長らく風の谷に幽閉されていたクシャナが帰って来た時のシーン。
「はぁ~、短い天下だったなぁ」。そしてクシャナを見ながらの一言。
「まぁ、可愛くなっちゃって」
・王蟲が風の谷へ直前のシーン。
「逃げましょう参謀!」と進言した部下に対する一言。
「逃げろったってお前、どこへ逃げるんだよ(汗)」。
それぞれのセリフをストーリーに絡めて観ると実に面白い。
ストーリーにハマればハマるほど可笑しく聞こえてきます。
【本作のみどころ!その7】:まだ早かったんだ!腐ってやがる
もうこれは伝説の名セリフでしょうか。
どこかしこのテレビ番組やコミックでこのセリフがパクられています。
何となく〝粋な言い方〟で魅力的です。
これは風の谷へ迫る王蟲の群れを、巨神兵に一掃させようと試みたクシャナと巨神兵が映るシーンでのセリフ。
その巨神兵がまだ復活しきれておらず、体がメタメタにとろけて行く姿を見てクロトワがこう言います。
このシーンは『エヴァンゲリオン』で有名な庵野秀明さんが担当したシーンでもあり、巨神兵が朽ちていくその一部始終を実に見事に描き尽しています。
ここで言うクシャナのセリフも実に臨場感極まる!
「どぉおした化け物!それでも世界を七日間で火の海にした王族の末裔か!?」
この迫真の様子。
この感極まる描写はどうぞご覧になってお楽しみ下さい!
【本作のみどころ!その8】:黄金風景の懐かしさ…
ナウシカの回想シーンで、ストーリー中に何度か出てきます。
その度にナウシカは子どもに返っており、懐かしい黄金の風景に彩られつつ、自分と蟲、そして大人たちとの情景を浮かべます。
何だか哀しい、寂しく映る光景には、この黄金色に輝く夕日のような光が実に大きく小さく照り映えます。
子供心に繊細を想わす一部始終のなりゆきは、大人になった後でもその記憶に残すでしょう。何とも切ない表現です。
ここで流れてくる歌。
「ラン、ランララ、ランランラン、ラン、ランラララ~ン♪」
どこかできっと聞かれたことと思いますが、これはこの回想シーン源です。
不思議なレトロの基調に乗って、この歌が流れてきます。
【本作のみどころ!その9】:自分を犠牲にした捨て身のヒロイン
ナウシカがアスベルに「トルメキア軍の船を打ち落とすのをやめるように」と懇願するときのシーンです。
「やめてーーーー!」
こう訴えかけるナウシカは、ガンシップで今にも乱射してきそうなアスベルの目前で全く動じません。無防備に両手を広げたまま、まさに捨て身の姿勢です。
これを見たアスベルは、自分の妹・ラステルの残像を見てしまい、思わず銃口を反らします。その隙にトルメキア軍の船に迎撃されて墜落してしまいますが。
このナウシカの捨て身の姿勢と本気の叫びが、観る人の心をえぐるほど感動させるでしょうか。
【本作のみどころ!その10】:迫る王蟲の群れに少女がぽつんと立ちはだかる…
風の谷へ猛進する王蟲の群れを食い止めるため、ナウシカは単身で立ちはだかります。
全長80メートルからなる王蟲が何千・何万匹と迫る目前に、あまりにもちっぽけなナウシカの様子。そして一緒に連れた王蟲の子供の様子。
でもナウシカの表情は実に気丈で、「自分の命を犠牲にしてでも谷を守る」というエネルギーに溢れています。
このシーンの「巨大な王蟲の群れ」と「小さな少女と子供の王蟲」の姿が印象照的です。
【本作のみどころ!その11】:ラストシーン「その者、青き衣をまといて、金色(こんじき)の野に降り立つべし」
風の谷に古くから伝わる「伝説」が成就するシーン。
このラストシーンを見ていると、
「なるほど、この伝説はこういう形で現れるのか…」などとうならされます。
まったくもって見事な演出。
そして黄金の野原を歩いていく伝説の勇者は実に美しく、またその黄金の野原を作り上げる王蟲の様子は「人を包容する大地」のようにも思えます。
このシーンに映る光景全てをもって圧倒されるでしょう。
ぜひこのシーンを観るまで泣かないでこらえましょう。
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【解説&レビュー】
『風の谷のナウシカ』は社会性をふんだんに取り入れた主張性の強い作品に思え、「現代でこそ考えられるべき文明への視点」のようなものを抱かせられます。
この『風の谷のナウシカ』という作品は、
人類の成長をいつまでも見守ってくれる「成長型」の作品
となるでしょうか。
子供でも大人でも、この作品から得られる主張が変わることはなく、人類が成長するための貴重な探求を運んでくれます。
まだ『風の谷のナウシカ』を観ていない方は、ぜひ、今からでもじっくり観て、その感動を味わってほしいと思います。
どうぞあなたの世界観を本作の世界観に取り込み、〝当時の映画館に居た素敵な美少女〟に出会って下さい。
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