ルパン・シリーズ第3作目!『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』(1985年)の特徴や魅力に迫る!~おすすめの見せどころまで大公開!~

ルパン・シリーズ第3作目!『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』(1985年)の特徴や魅力に迫る!~おすすめの見せどころまで大公開!~

1985年、劇場公開作向け映画第3作目にあたる本作は、ちょうど夏休み前の企画映画によって子ども・大人に十分楽しまれるような脚色が盛り込まれました。「ルパンの声役はやっぱり山田康雄!」という声が現代でも多いですが、本作はまさにその山田・ルパン本家の魅力が満載しています! 今回は本作『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』に彩られた〝壮絶なロマンと演出と構成〟をはじめ、「ここはぜひチェックしておきたい!」という場面を徹底的にご紹介していきます。ぜひ最後までおつき合い下さい!


【『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』詳細】

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〈概要〉
『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』は、モンキー・パンチ原作アニメ『ルパン三世』の劇場映画第3作目にあたる劇場映画として、1985年7月13日に放映されました。
バビロンの黄金をめぐるルパンと老婆ロゼッタ、ニューヨークマフィアのボス、マルチアーノとの壮絶な死闘を繰り広げていきます。
当時はTVシリーズ『ルパン三世 PARTIII』が放送中だったため、本作のルパンもTVシリーズに合わせてピンク色のジャケットを着用しています。
ハレー彗星(ほうき星)が来る時期というシナリオを敷き、プロットの時期は1986年2月に設定されています。
オープニング・エンディングには河合奈保子さんが歌う主題歌「MANHATTAN JOKE」が使用され、彼女はまた本作中でもゲスト声優として特別出演を果たされています。

【主なゲストキャラクター】

●ロゼッタ/声:塩沢とき(老婆)―河合奈保子(正体)
古(いにしえ)より伝わる「バビロンの黄金の謎」を探る正体不明の老婆。年齢不詳。

●マルチアーノ/声:カルーセル麻紀
ルパンと対立するニューヨークマフィアのボス。父親の代からバビロンの財宝を探し続けている。

●コワルスキー/声:大塚周夫
マルチアーノの片腕で、常に毒針のついたハエたたきを携帯している。

●ウィリー/声:おぼん(おぼん・こぼん)
コワルスキーの部下。ルパンを襲うために次元に変装するが、五エ門の斬鉄剣で髪をスキンヘッドに斬られてしまった。

●陳(ちん)/声:こぼん(おぼん・こぼん)
コワルスキーの部下。ルパンを殺すために五エ門に変装するが結局は失敗する。

●インターナショナル婦人警官
ICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストの各国代表。

・キャラメール/声:平野文
ICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストのアメリカ代表。

・チンジャオ/声:潘恵子
ICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストの中国代表。

・ザクスカヤ/声:吉田理保子
ICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストのソ連代表。

・サランダ/声:戸田恵子
ICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストのアフリカ代表。

・ラザーニア/声:島津冴子
ICPO主催のインターナショナル婦人警官コンテストのイタリア代表(コンテストの優勝者)。

●タルティーニ/声:藤城裕士
考古学者で、バビロンの黄金の発掘隊の隊長を務めている。

【登場するメカやマシン類】

●オリエント急行
本作ストーリーの中盤で登場。日常で見る列車の形と同じ。

●ノースアメリカンP―51マスタング
第2次世界大戦から朝鮮戦争にかけてメインとされたアメリカ陸軍お抱えのレシプロ戦闘機。

●ハンヴィー
アメリカ陸軍の高機動多用途車両。

●T―62戦車
クウェート軍お抱えの戦車。美人婦警軍団が3輌強奪してルパン追跡に使用。

●オフロード車(形式不明)
イラクの砂漠でルパンが使用したオフロードカー。

【主な声優キャスト】

●ルパン三世/山田康雄
●次元大介/小林清志
●峰不二子/増山江威子
●石川五エ門/井上真樹夫
●銭形警部/納谷悟朗
●ロゼッタ/塩沢とき―河合奈保子(特別出演)
●マルチアーノ/カルーセル麻紀
●コワルスキー/大塚周夫
●ウィリー/おぼん(おぼん・こぼん)
●陳/こぼん(おぼん・こぼん)
●キャラメール/平野文
●チンジャオ/潘恵子
●ザクスカヤ/吉田理保子
●サランダ/戸田恵子
●ラザーニア/島津冴子
●サム/緒方賢一
●タルティーニ/藤城裕士
●ICPO長官/大宮悌二
●富豪/田口昂
●ウェイター/小滝進
●配達員/喜多川拓郎

【1分でわかるあらすじ】

ある夜、ニューヨークの場末の街角をふらふら歩いている老婆がいます。名前をロゼッタと言い、バビロンの黄金の秘密・謎を知る唯一の人物です。
ロゼッタはふらりと「仮装パーティを催されたナイトクラブ」に入店し、そこでルパンに出会います。同時に駆けつけた銭形警部とルパンの追いかけっこも始まり、ロゼッタとルパンは一旦別れることに。
銭形警部から逃げきったルパンはホテルに戻る。そこにロゼッタが再び現れ、「紀元前5世紀に実在した、メソポタミア文明による古代都市バビロン」にまつわる黄金の謎について話し始めた。

「バビロンの財宝は現在でもどこかに隠されている」

というテーマの下、マルチアーノ率いるニューヨークマフィアのロゼッタ追跡・ルパン追跡が始まります。
銭形もコンテスト参加者5人の婦人警官を従えルパンを追跡。
ルパンは一旦「バビロンの真の黄金」の秘密を探るため、再びマンハッタンへ戻ります。
その結果、「マディソン・スクエア・ガーデンの地下に財宝がある!」と判明。
その情報を同時にかぎつけたマルチアーノと、ルパンの〝バビロンの財宝〟を巡る争奪戦が始まります。

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【本作の特徴:1】

絵グラと演出は「ルパン三世 パート3」からの延長

本作のキャラクター設定や演出は「ルパン三世 パート3」で採用されたピンクジャケットのルパンをはじめ、顔・容姿の形も〝縦長でコミック形式〟の特徴を持ち合わせます。
現在のルパンは「パート2」の頃のりしい顔立ちをしていますが、本作のルパンはどちらかというと少し間の抜けたキャラクターの脚色が施されています。
この設定の魅力は「親しみやすい姿形と動作に優れる点」で、観ていて滑稽で「面白いルパン」の魅力が溢れ出します。
一度、本作の脚色・グラフィックと従来の〝りりしいルパンの容姿・グラフィック〟とを対照させて、本作に彩られた特有の世界観・躍動感を愉しんでみて下さい。

【本作の特徴:2】

ルパン独特の俊敏さ!

『ルパン三世』シリーズではお馴染みですが、何と言ってもルパン三世の躍動感の演出は〝スピード〟です。加えてその躍動とストーリー性とが絡み合う「ミステリアスな奥行き」になるでしょうか。
このような〝複線化されたストーリー演出とスピード効果〟をはじめ、プロット展開で見せつけてくれる独自のリズム感じの掛け合いが特徴的です。
銭形警部とルパンがバイクレースするシーン、ルパンと不二子がバベルの塔を流されていくシーンなどに、この効果が十分表れているでしょう。
無理な脚色や設定をせず、いとも簡単に難解な躍動感・スピード感を演出してしまえる本作はやはり「偉大」の一言に尽きます。

【本作の特徴:3】

キャラクターや建物の孤独感

この脚色・演出効果は『ルパンVS複製人間』でも採用されていますが、「登場人物や建物以外の胴さがまるでない感じ」の寂寥感が十分な〝映像法〟は、たとえば冒頭シーンでロゼッタが登場する場面から確認できます。
「ロゼッタの動作」以外のものはほとんど動かず、キャラクターを孤立させて目立たせるという特殊技法による演出です。
いわゆる哀愁が漂う感じやなんとなくの不足感を演出することで、視聴者に「ノスタルジー的な幻想」を求めさせ、まるでデジタルとアナログ感が交錯したような不思議な感覚を持たせます。
「百聞は一見に如かず」なので、ぜひ一度ご確認下さい。実感をもとに理解するほうがこの演出技法の魅力が自然に得られるでしょう。

【本作の特徴:4】

歴史上の懐かしい響き

本作のストーリーでは古代メソポタミア文明を採用し、現在の時制と共に〝深い味わい演出〟が表現されます。〝古代の魅力〟を要所で際立たせつつ、同時進行するストーリー性有はおそらく「太古のロマン」を連想させるでしょう。
『ルパン三世』シリーズではこのような「古代ロマン」を採用したものが多いですが、本作ではさらに幻想ロマンの魅力が際立ちます。
ストーリーの視点は主に「バビロンの時勢と盛衰」を盛り込み、聖書に登場するバベルの塔や関連エピソードもふんだんに取り入れており、「古代ロマン」「ノスタルジックな幻想」を少し寂し気に表現しています。

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