懐かしの映画たち、放送されない理由とは?
80年代、地上波でよく放送されていた映画といえば皆さまは何を思い浮かべるでしょうか?夏休みなんかにはちょっと普段より夜更かしをして、そんな映画作品をテレビでみたり。子どもの頃のワクワクした気持ちを思い出します。
そんな懐かしい映画たち、もう一度みたいけどある時期からめっきり放送されなくなりました。気になる理由は次の通りです。
『視聴率をとれないから』
単純に「これだけ映像技術が発達した時代に古い映画は受けないから」のようです。若い世代からすれば、昔の映画はアナログすぎてみていられないのでしょう。せっかく放送しても視聴率がとれなければ意味がありません。
『放送コードが昔より厳しくなったから』
昔はテレビで割となんでもかんでも放送されていましたね。血・エロ・グロ…子どもの頃に見て、いまだにトラウマになっている映像が誰しも一つくらいあるのではないでしょうか。
しかし、時代の流れとともに血や裸や差別表現などに対する規制が厳しくなりました。そういった表現を含む作品は深夜帯で放送するか、いっそ地上波ではNGとなったりしています。
他にも様々な理由があるのですが、大まかに説明すればこの二点が主な原因です。仕方ないとはいえ、気軽にテレビでそういった古い映画がみれないのは寂しいものがありますね。
では、さっそくあの頃は定番だった懐かしの映画作品をみていきましょう!
『グーニーズ』

まずは1985年に制作された「グーニーズ」。あの頃、夏休みといえばしょっちゅう放送されていました。たしかファミコンのソフトもあったくらいですし、知名度と人気の高さは抜群でした。
伝説の海賊が隠したお宝を探しに、少年たちが冒険に出るというストーリー。同じくお宝を狙うギャング・フラッテリー一家との攻防戦には、毎回結末が分かっていてもドキドキさせられたものです。
そんな「グーニーズ」がある時期からまったく放送されなくなりました。その原因はフラッテリー一家の末っ子、スロースことロトニー・フラッテリーです。
「グーニーズ」といえば彼のことが記憶に強く残っている方も多いでしょう。
スロースがNGで放送されなくなった?

ひどい状況で虐待・監禁されていたスロース。その外見や家族から虐待を受けているという設定などが、障がい者団体から差別的であると抗議を受けたようです。その為、地上波では放送されなくなったのだとか。
スロース、とても優しいんですよね。グーニーズのメンバーと心を通わせて仲間になって、最後は自由になる所がとても良かったのに残念です。
『ネバーエンディング・ストーリー』

続いては1984年に制作された「ネバーエンディング・ストーリー」です。ミヒャエル・エンデの小説「果てしない物語」を映像化し、大ヒットしたのがこちら。
いじめられっ子の少年バスチアンが、ある日書店で出会った不思議な本「ネバーエンディング・ストーリー」。書店の主に危険だと止められつつも、この本をこっそり持ち帰って読み始めます。
物語の舞台は異世界「ファンタージェン」。この世界を救うため勇者アトレイユが旅に出るのですが、バスチアンも共に冒険をすることに…というお話。
白いフワフワの犬みたいなドラゴン「ファルコン」に乗って少年が空を飛ぶシーンは有名ですよね。そしてあの主題歌!
まさに名曲ですね。英語だから何を言っているのかまったく分からないけれど、サビの「ネバエンディンスト~リ~♪haa~♪」だけは自信満々で歌えるのも良い点です。
愛馬が泥沼に沈んでいくシーン、目からビームが出る二対の銅像の前を通るシーンなど、見所もたくさんだった「ネバーエンディング・ストーリー」。まさにファミリー向けの内容で、当時は放送されたら間違いなくどのご家庭もみていたと思われます。
放送されないのは最新作に勝てないから?
2000年代から「ネバーエンディング・ストーリー」と同じファンタジー映画がどんどん制作されました。「ハリーポッター」や「ナルニア国物語」など、どれもCGを駆使した超大作です。それらの作品に比べてやはり最初に書いたように「古いから視聴率をとれない」というのが理由のようです。
リメイクされるという噂もありましたが、現実にはなっていませんね。もし現代の技術があればファルコンはもっと自然に空を飛ぶでしょう。でも、あの頃のあのぬいぐるみ感がいいんです!そんな声もきっと少なからずあるはずなのですが、仕方ないのでしょうか。
『ポリスアカデミー』

1984年に誕生しその後1994年まで7シリーズも制作された「ポリスアカデミー」。おバカ映画の教祖ともいうべき作品です。
採用基準が見直された警察学校に、人種も経歴も様々で個性豊かなメンバーが入学してきます。昔ながらのやり方を重んじており新制度が気に入らない教官が、どうにかして新入生たちを辞めさせようと次々に厳しい訓練を命じます。
しかし、どんなにキツイ訓練が言い渡されてもどこかぶっ飛んだ新人たちは負けません。主人公だけが実は嫌々入学しており、退学になりたくてわざと失敗するのですが、他の新人がもっと派手にアホみたいな失敗をするのでうまくいかない。典型的なコメディ作品です。
とっても面白かった記憶しかないのですが、今改めてみるとどうして放送されなくなったのか分かるといった声が多いようです。
下ネタ満載すぎて放送できない!?
特にシリーズの1と2は大人向けな下ネタも多め。シリーズ後半になるにつれてファミリー層を意識した作りになっているようですが、80年代に放送されていたのは1と2でしたね。子どもは意味もわからず笑えるのですが、一緒にみている大人からすると困惑するような下ネタが多く、時代の流れもあり放送されなくなったようです。
美人で巨乳の教官、デビー・キャラハンなんて女子寮に忍び込んだ生徒を逆に襲ったりしていました。よくよく考えたら大問題ですね。でもこの教官が本当にスタイル抜群で美人で強くて、襲われても男性陣はラッキー!みたいな所があって笑えたのですが…
『13日の金曜日』などホラー映画の数々

「あ!今日13日の金曜日だ!不吉!」
今もカレンダーを見てそう感じる方はおそらくアラフォー前後ではないでしょうか。それくらい近頃の若者には「13日の金曜日」が浸透していません。悲しいですね、昭和勢からすると衝撃的です。
映画「13日の金曜日」は1980年に制作されたスプラッターホラー映画。キャンプ場を舞台に殺人鬼ジェイソンが次々に若者たちを襲います。この映画の影響でアイスホッケーのマスクがトラウマな方も多いでしょうね。
そんな「13日の金曜日」をはじめ、80年代は地上波でもホラー映画がたくさん放送されていました。怖いのに布団をかぶりながらもついみてしまい、案の定トイレに行けなくなったあの頃。懐かしいですよね。当たり前のように放送されていたので、大人でも子どもでも内容を知っていました。
古い作品に限らず、近頃ではホラー映画自体が放送されない傾向にあります。有料チャンネルを別にすると、地上波でみたホラー映画っていつが最後か思い出せないほどです。
テレビ局の規制で放送されない?
最初に書いた通り、放送コードが厳しくなったのが理由のようです。特に海外のホラー映画は刃物が刺さり血が飛び散る、といった残酷な描写が多め。殺し方も派手です。逆に日本のホラー映画は静かにそっと忍び寄り呪い殺すといったイメージが強めです。
昔のホラー映画にはそんなスプラッター表現が特に多いのでNGとなるようです。また、社会を揺るがすような犯罪が起きた時に、ホラー映画の影響がやり玉にあげられることも少なくありません。地上波で放送することで抗議やクレームが入ることを考えれば、やはり放送が自粛されるのは当然です。
さらに、ホラー映画というとセクシーシーンも多いんですよね。「シャワー中に裸で」とか「ベッドシーンの最中に背後から」とか、当たり前のように放送されていました。これも同じく放送コードでひっかかる点です。
とはいえ、古典的なホラー映画を知らない世代が増えていくのは寂しいものがありますね。そんな気持ちを抱きつつ、あの頃よく放送されていた懐かしいホラー作品を紹介します。
『エルム街の悪夢』

『ポルターガイスト』

『バタリアン』
