ホビーパソコンの雄「PC-8801mkⅡSR以降」のSR以降には何があった?

ホビーパソコンの雄「PC-8801mkⅡSR以降」のSR以降には何があった?

パソコンゲームユーザーだったら誰もが知っている「PC-8801mkⅡSR以降」。8bitパソコンのスタンダード、私たちはPC88と認識していましたね。でもPC88って一体、mkⅡSR以降に何が出たんだ??ってことでおさらいです。


PC88のホビーパソコンとしての確立はPC-8801mkⅡSRからでした。

PC-8801mkⅡSR(1985年1月)

PC-8801mkⅡSR

1985年1月、PC-8801mkⅡSRが登場。

これがホビーマシンとしてのPC-8800シリーズの地位を確立した機種で、パソコンゲーマーのPC88といえばおのずと「PC-8801mkⅡSR以降」を指すものでした。

PC88自体はそれ以前にPC-8801(1981年)、PC-8801mkⅡ(1983年)がありましたが、8bit時代のライバルだった富士通FM-7やシャープのX1がホビー用途を前面に打ち出してきたことに対抗して、NECが満を持してリリースしたのがこのマシンでした。

機能面でいえばグラフィック機能の改良。解像度は640×200ドットと先行機と変わらなかったものの同時発色数が原色8色からアナログRGBによる512色中8色に。そして処理が高速化された“V2モード”が搭載されました。サウンド面ではFM音源が標準搭載されて美しいBGMや効果音が鳴らせるようになりました。
なお、3つのモデル用意されておりmodel10はFDドライブなし、model20は2Dドライブ1基、model30は2Dドライブ2基搭載となっていました。

以降PC88の後継機が登場するわけですが、PC88向けゲームソフトはいつも対象機種がPC-8801mkⅡSR~と表記されていましたよね。

当時MSXユーザーだった私の目には「??」だったのを憶えています。
ですのでここにPC-8801mkⅡSR以降の機種を書き記しておきたいと思います。

PC-8801mkⅡTR(1985年9月)

PC-8801mkⅡTR

SR model30に全2重300bpsのモデム電話を追加した実験的要素の強いモデル。
なお、この機種以降は縦置き用の脚が削除されました。

PC-8801mkⅡFR(1985年11月)

PC-8801mkⅡFR

SRの廉価版、model10では10万円を切りました。
当時、私の周りのPC88ユーザーはこのmkⅡFRが多かったです。

PC-8801mkⅡMR(1985年11月)

PC-8801mkⅡMR

2HDと2Dの読み書きに両対応したFDD、JIS第2水準の文字まで含んだ漢字ROMを搭載するなど、当時としては非常に先進的なマシンでした。

PC-8801FH(1986年11月)

PC-8801FH

やっとmkⅡが消えました(笑

こちらも廉価モデルだと10万円を切りました。
処理速度の向上などに加え、付属キーボードには設定メニューの表示用にPCキーや日本語入力用の変換キーが追加されるなど大幅に更新されました。またPC88には珍しい筐体が黒色のモデルも登場。

1986年は8bitPCがホビーパソコンとして全盛期を迎えた年だったと思います。
ファミコンとは違った魅力的なゲームが多々登場し、その中心にはPC88が常にありました。

PC-8801MH(1986年11月)

PC-8801MH

FHに2HDドライブ搭載。

この年のFH/MHはそれぞれ、前年のmkⅡFR/MRを進化させたモデルでした。

PC-88VA(1987年3月)

PC-88VA

このPC-88VAシリーズはPC88ではあるものの別格でした。
なにせ16ビット、独自OSのPC-Engine搭載、2HDドライブ搭載。

結果的には、このVAシリーズが振るわなかった(同時期に登場したx68000と比べて中途半端な位置付け)となり、PC-88は終焉を迎えPC-98が主力となっていきます。

PC-8801FA(1987年10月)

PC-8801FA

FHにサウンドボード2相当機能が搭載され、機能が大幅に強化されました。

旧)
ヤマハの音源チップYM2203:FM音源3音+SSG3音

新)
ヤマハの音源チップYM2608:ステレオFM音源6音+リズム6音+SSG3音+ADPCM音源1音

PC-8801MA(1987年10月)

PC-8801MA

FAに辞書ROM搭載、2HDドライブを搭載。

PC-88VA2(1988年3月)

PC-88VA2

VAにサウンドボード2相当機能を搭載、2HDドライブ搭載。

PC-88VA3(1988年3月)

PC-88VA3

VAにサウンドボード2相当機能搭載、2HDドライブの他に2TDドライブを搭載。

PC-8801FE(1988年10月)

PC-8801FE

PC-88に手が届くかも!と心が揺らいだのがコレ。
TVに接続可能なPC-88でした。

とはいえ結局はFHの廉価版、TVへの出力が可能ですがサウンドボード2はオプションでした。
ゲームの主戦場はどうやら家庭用ゲーム機に流れ始めた時期でもありました。

PC-8801MA2(1988年10月)

PC-8801MA2

こちらはMAの後継機。

PC-8801FE2(1989年10月)

PC-8801FE2

FEの後継機。

PC-8801MC(1989年11月)

PC-8801MC

88シリーズ唯一のCD-ROMドライブ搭載の縦置き筐体。
もはやPC-88シリーズの終焉期で、このモデルはまったく流行らなかった気がします。

88VAの商業的失敗の後、NECは1989年にPC-8800シリーズとPC-9800シリーズの両方のソフトウェアが利用できる PC-98DO を発売して、市場シェアの維持を試みた。しかし、98DOではサウンドボード2やアタリ規格ジョイスティックが使用できないなどの問題があった。また、32ビット機の普及も始まる中、PC-8801FE2/MCの発売を挟んで1990年に発売したPC-98DO+ではそれらの問題も解決させたものの、これ以上PC-8800シリーズを拡張する要素はなくなっていた。 一方で、NECはPC-9800シリーズをあくまでビジネスユースと位置づけてきたこともあり、多くの変数で煩雑な計算を要するシミュレーションゲームや相当のデータ容量を要する高解像度グラフィックを多用するアドベンチャーゲーム(特にアダルトゲーム)ではPC-9800シリーズへの移行が進んでいった。ほとんどのユーザーはそのままビジネス市場でも相当のシェアを占めていたPC-9800シリーズに、一部のゲーマーはX68000などに移行していった。1991年に次期98シリーズの試験機といえるPC-98GSの登場及び1992年のPC-9821初代機を経て、1993年にPC-9821シリーズへ本格移行するまでの間は、8ビットパソコンでも能力が充分なロールプレイングゲームやアクションゲームなどでゲームが提供され続けた。この試みで一応の完成をみて、PC-8800シリーズは完結したものとなった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/PC-8800%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

PC-8800シリーズ - Wikipedia

PC-88シリーズがホビーパソコンとして全盛期だったのは1986~88年くらいだった気がしますね。

【8ビット御三家】NEC、シャープ、富士通を8ビット御三家と呼んだ1980年代はパソコン黎明期でした。 - Middle Edge(ミドルエッジ)

「無いものは自分たちで創る」夢のホビーパソコン『X68000』の魅力について語っちゃいます - Middle Edge(ミドルエッジ)

FM TOWNSは時代を先取りした世界初のCD-ROMドライブ標準搭載パソコンでした! - Middle Edge(ミドルエッジ)

関連するキーワード


パソコン ゲーム NEC PC88

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

角川アスキー総合研究所より、国内外ゲーム業界のデータ年鑑『ファミ通ゲーム白書2025』が発売されます。発売予定日は8月7日。


伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む!『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売決定!初回限定版も要チェック!

伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む!『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売決定!初回限定版も要チェック!

伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む、超人気ゲームバラエティ番組「ゲームセンターCX」(CS放送フジテレビONE スポーツ・バラエティで放送中)のDVDシリーズ第22弾、『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売されます。


X68000 Z専用ソフト『ソル・フィース・夢幻戦士ヴァリスⅡPACK』が好評発売中!!

X68000 Z専用ソフト『ソル・フィース・夢幻戦士ヴァリスⅡPACK』が好評発売中!!

株式会社エディアより、1989年から1990年にかけて発売されたX68000用ゲーム「ソル・フィース」「夢幻戦士ヴァリスⅡ」を収録したX68000 Z専用ソフト『ソル・フィース・夢幻戦士ヴァリスⅡPACK』が現在好評発売中となっています。


最新の投稿


祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

祝!放送55周年『サザエさん』が初のアーケードゲーム化!KONAMIから「まちがいさがし」が2026年春登場

放送開始から55周年を迎えた国民的アニメ『サザエさん』が、コナミアーケードゲームスより初のアーケードゲーム化!タッチパネルで楽しむ「まちがいさがし」が2026年春に稼働予定です。アニメ本編の画像を使った問題や、2人対戦モードなど充実の内容で、小さなお子様からシニア層まで幅広い世代が楽しめる期待の新作です。


【懸賞金10万円】クレーンゲームの原点!国産初「クラウン602」全国大捜索プロジェクト始動

【懸賞金10万円】クレーンゲームの原点!国産初「クラウン602」全国大捜索プロジェクト始動

今年で誕生60周年を迎える国産初のクレーンゲーム機「クラウン602」の実機と情報を、タイトーが全国で大募集する「#クラウン602を探せ!」プロジェクトを開始。高度経済成長期に夢を与えた幻の筐体を次世代に継承するため、実機情報提供者には賞金10万円、思い出エピソードの提供者には抽選で最新ゲームソフトが贈呈されます。募集期間は2025年10月24日から2026年1月16日までです。


特撮愛あふれる「永遠のスケッチ」金谷裕~特撮画展が台場で開催!初代ウルトラマン・古谷敏氏も来場

特撮愛あふれる「永遠のスケッチ」金谷裕~特撮画展が台場で開催!初代ウルトラマン・古谷敏氏も来場

漫画家・金谷裕氏のイラスト画集『オール・ウルトラマン・スケッチ・ギャラリー』の刊行を記念し、「特撮画展~Hiroshi Kanatani TOKUSATSU SKETCH GALLERY~」がグランドニッコー東京 台場にて開催されます。円谷プロのウルトラマン・怪獣に加え、東宝など5社の特撮キャラクターのイラスト全235枚を展示。会期中の11月29日には初代ウルトラマンスーツアクターの古谷敏氏のサイン会も実施されます。


赤塚不二夫が生誕90周年!RIP SLYME、氣志團ら豪華出演陣が渋谷に集結する記念音楽フェス詳細発表

赤塚不二夫が生誕90周年!RIP SLYME、氣志團ら豪華出演陣が渋谷に集結する記念音楽フェス詳細発表

漫画家・赤塚不二夫の生誕90周年を記念したミュージックフェスティバル「コニャニャチハのコンバンハ!」の詳細が解禁されました。2025年12月5日・6日にLINE CUBE SHIBUYAで開催。RIP SLYME、氣志團、小泉今日子らが赤塚スピリッツ溢れるステージを披露します。チケット先行抽選は10月20日(月)からスタート!


世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

葛飾区商店街連合会は、2025年10月10日より『キャプテン翼』とのコラボイベント「シーズン2」を亀有・金町・柴又エリアで開催。キャラクターをイメージした限定メニューやスタンプラリーを展開し、聖地巡礼と地域活性化を促進します。