「らんま1/2 熱闘編」は放送時間帯の変更でスタート!

「らんま1/2 」といえば今も根強い人気のある、高橋留美子の代表作です。
アニメの放送がスタートしたのは原作の連載が始まってから約2年後の1989年4月。フジテレビ系列で土曜日の19時30分からという、全国ネットでゴールデンタイムでの放送でした。
主人公の早乙女乱馬が水をかぶるとカワイイ女の子になってしまう、という内容の面白さや個性豊かなキャラクターたちの人気もあって、アニメの評判も良好だったと思われます。
しかし、同年10月にはローカル枠へ移動となり平日17時30分からの放送となります。移動になった理由は定かではありませんが、それにあわせてタイトルも「らんま1/2 熱闘編」に変更。
フジテレビ系列だと金曜日の17時30分から放送されていたのですが、放送時間帯が変わっても人気がなくなる事はなく、結局1992年9月までという長い期間「らんま1/2 熱闘編」は放送されました。
高橋留美子作品といえば長期連載でキャラクターの数も物凄く増える点が特徴的ですが、「らんま1/2 」もそうですよね。アニメオリジナルのキャラクターも含めると、相当な数ではないかと思われます。
まさに悲劇的伝説!?作画崩壊がすごい!
「らんま1/2 熱闘編」がスタートしてある一定の期間、ものすごく作画が崩壊しました。
当時もしTwitterなどのSNSがあったら間違いなく炎上していたと思います。かなりの乱れっぷりで、作画が気になって内容が入ってこない時もありました。
ちなみに初期のあかねちゃん↓
「熱闘編」以前の「らんま1/2」の作画が良かった分、余計に崩壊が凄まじく感じられました。
作画が崩壊した原因は、ずばり制作費の削減です。ゴールデンタイムのアニメとローカル枠のアニメではやっぱりかけられる費用が違います。低予算の中で毎週アニメを制作しなくてはならず、それをこなすため安い海外へ発注した事もありドーンと質が低下してしまいました。
「らんま1/2」で監督を務めていた芝山努氏が多忙のため「熱闘編」では監督を降板となったそうで、制作側でも混乱があったのかもしれませんね。
作画が崩壊すると視聴者はみるのが辛くなって切ってしまう場合がほとんどなのですが、「らんま1/2 熱闘編」はそれでも人気は維持され、放送も打ち切られる事なく約3年間も続きました。そこには作画崩壊を一蹴するほどのキャラクターデザインの良さや声優ブームに乗った楽曲の人気などがあったんです!
「熱闘編」のキャラデザがやたらカワイイ♡
作画が崩壊して残念なことになっても、「らんま1/2 熱闘編」の人気が維持できていたのはキャラクターデザインの抜群の良さが挙げられます。今なお、この頃のキャラクターは可愛かった、神がかっていたという声が聞かれます。
キャラクターデザインを担当していたのは中嶋敦子氏。「うる星やつら」でも作画監督を務め、「るろうに剣心」や「GetBackers」でも作画監督をされていました。中嶋氏の描く女性キャラクターってとても魅力的で特に男性からの支持が高いとされています。
「熱闘編」ではどのキャラクターも初期の頃より目がぱっちりと大きくなり、可愛さがアップしています。「らんま1/2 」といえば何かというと乱馬が水をかぶって女になり、その時ってたいていランニングシャツ一枚だったり半裸だったりする訳ですが、女性らしいボディラインが下品でなく絶妙なんですよね。これは中嶋敦子氏のデザインあってのものでしょう。
特に可愛かったのはシャンプー!
女性キャラクターの中でずば抜けて可愛かったのがシャンプーだと個人的に思います。「熱闘編」になってからのシャンプーのキャラデザって本当に良くて、割と作画が荒れていた時期でもシャンプーだけは普通に可愛かった記憶があります。
「熱闘編」は声優ブームもあってキャラソンが話題に!
「らんま1/2 熱闘編」が作画崩壊しつつも人気を維持できた理由、もう一つが主題歌を含めて楽曲でもヒットした点です。主にキャラクターソング、いわゆるキャラソンですね。
「らんま」の主題歌といえば最初のOP曲だった「じゃじゃ馬にさせないで」がおそらく一番人気ではないかと思われますが、「熱闘編」になってからは当時ちょうど声優ブームだったこともあり、主題歌以外に声優メインでキャラクターの楽曲が作られ話題になったんです。
「らんま1/2」は声優陣も豪華で人気のある方ばかり。特に主役の山口勝平さんと林原めぐみさんの人気はこの頃相当なものでした。そんな声優の方々がキャラクターのイメージにあわせて熱唱しているキャラソンCDはもちろん大変売れました。
ED曲だった「乱馬ダ☆RANMA」は一曲の中に全キャラが登場するのですが、今思えばめちゃくちゃ豪華な顔ぶれです。知らない声優さんがいない!
アニメの最終回はどうなった?
「らんま1/2 熱闘編」の最終回は1992年9月、第143話の「いつの日か、きっと…」です。漫画版では乱馬とあかねが祝言をあげようとする所にいつものメンバーが邪魔をしにきて終了でした。
アニメ版では終盤、生き別れていた乱馬の母親が男らしく育っている(であろう)乱馬に会いに来ます。しかし水をかぶると女になってしまう体質である事を母親に言い出せず、ドタバタひと悶着。最終回でもやはり言えず、いつか完全に男に戻ったら息子だと名乗り出る…と誓って終了しました。
ちょっと中途半端ですが、原作がまだ連載中でしたから仕方ないですね。アニメはそこで終了となりましたが、その後OVAが多数販売されています。