1970年代に流行したCM
70年代のCM。そりゃ、もう、多くのCMが話題となりました。とても数えきれません。化粧品関係だけでも、いえ、コカコーラだけでも名作と呼ばれるCMを山のように輩出した70年代。CMからヒット曲やアイドルが生まれて尚更印象深いものになっています。が、それとは別にエポックメイキングとなったCM。そんな70年代のCMを集めてみました。
サッポロビール
先ずは1970年。真っ先に登場するのはサッポロビールです。黒沢明監督作品などで世界的な大スターとなった三船敏郎を起用したCMです。
サッポロビール
さすがは「世界のミフネ」。もう、なんというか、さまになっています。居るだけでいい、そんな感じのポスターですね。ゴッツイ筆文字のキャッチフレーズだけというシンプルな作り。これでビールの旨さを表現しているんですね。何も言うことはないってわけです。
CMの方も音声は音楽と効果音だけという徹底ぶりで「男は黙ってサッポロビール」という強烈なコピーを印象づけています。なにより黙って唇に付いたビールの泡を吹き飛ばす三船敏郎の真似を当時のちびっ子は盛んにやったものです。
バーモントカレー
リンゴとハチミツが入ったカレーとくれば、それはもうハウスのバーモントカレー。バーモントカレーとくればハウスだ。で、このCMは1968年の発売時から今日まで旬のアイドルを起用することでも知られています。中でも大ブームとなったのは1973年から起用された西城秀樹バージョンでしょう。そう、あの「ヒデキ感激」というヤツですね。
意外な感じがすますが、西城秀樹は1985年まで担当してるんですね。思いのほか永い。その後も「ジャワカレー」「ハウスポテトチップス」「六甲のおいしい水」とハウスのCMに起用され続け、還暦を迎えた際には「ヒデキ、カンレキィ〜!」のコメントがプリントされたオリジナルのバーモントカレーがコンサート会場でプレゼントされたのだそうですよ。欲しいですよね。
マスプロ アンテナ
「お色気コマーシャル」の草分け的存在。そう、マスプロ電工です。テレビアンテナといえばマスプロ電工と言われるほどの存在となったのは、間違いなく「あぁん、見えすぎちゃって困ァるのォ~」の「お色気コマーシャル」のおかげでしょう。
この歌、実際に歌っているのは伊藤アイコで、作詞をヤング早川 、作曲を北村得夫が担当したのでそうです。と言っても、今となっては誰も知らない感じでしょうかね。
実はこのCM、最初に作られたのは1969年で、以降ほぼ毎年女性モデルを変えながら1977年まで続いていたんです。
シャンメン
その昔、ウーマン・リブという運動がありまして日本では1970年11月に第一回大会が開催されています。一方、ハウス食品の即席めんといえば、今日では「うまかっちゃん」ですが、70年代には「シャンメン」というものがありました。話題となったのはそのCMです。
このCMで問題となったのは、「私つくる人、ボク食べる人」というキャッチフレーズです。今となってはそんなに目くじらを立てることでもないのではないかと思わないでもありませんが、婦人団体から女性差別と抗議され放映中止となってしまうのでした。そいういった意味で70年代を代表する、忘れられない、伝説のCMとなりましたね。
サントリーゴールド900
1976年、「サントリーゴールド900」の CMが話題となります。CMというよりも、正確にはCMソングと言った方が良いかもしれません。出演もしている野坂昭如が歌った「ソクラテスの唄」がそれです。
このCMで、ソクラテス、プラトン、ニーチェ、サルトルを覚えたちびっ子たちは結構多かったのではないでしょうか?!何より野坂昭如の存在が知れ渡りました。商品とは全く関係のない人名が多数出てきて、オチは「みんな悩んで大きくなった」ですからね。良くできてます!
ブラックストライプ
1976年に放送された東芝の「ブラックストライプ」のCM。これはもう桂三枝でないと成り立ちません。「1・2・三枝、ご苦労さ〜ん」ですから。現在六代目 桂 文枝として活躍中ですが、まぁ、この芸風は変わらないというか、不滅ですね。
70年代は、いや、いつの時代でもそうなのでしょうが、ゴロ合わせのようなセリフやキャッチコピーって浸透しやすいみたいですね。なんだかんだと言われながらも、おおらかな感じがする70年代には特にバッチリです!
リポビタンD
「ファイトー!」と言えば、「イッパーッツ!!」と応える。忘れようにも忘れられない大正製薬の「リポビタンD」のCM。このCMが始まったのは1977年のことです。意味もなく危険な状況で声高らかに叫ぶ二人の男。テーマは常に「努力・友情・勝利」だそうですよ。「勝利」って?!
「偉大なるマンネリ」と呼ばれ永く続いたこのCMも、2016年9月より三浦知良・大谷翔平をメインとした爽やか路線へと変更しています。寂しいよなぁ。時代に合わなくなったということのようですが、結局「リポビタンD」のメイン購入者っておじさんなのではないですかね?若者や時代に合わせなくてもいいような気がします。根性と筋肉路線で走ってもらいたいものです。
キンチョール
大日本除虫菊と言われてもピンときませんよね?「金鳥」若しくは「KINCHO」(きんちょう)の商標名で知られている会社で、正式な社名より商標が浸透しているという珍しい会社でもあります。
で、そこの商品「キンチョール」。研ナオコを起用した1977年のCMが爆発的な話題となりました。
一人二役でバカバカしいようなやりとり。セリフだけを読んでも、おそらく面白さは伝わりにくいのではないかと思います。なので、やはり研ナオコなんですね。
美人ではないことを逆手に取ったキャラクター設定が秀逸です。しかし、本人はこうしたキャラから脱却したかったのでしょうね。その後はご存知のように、イイ女路線へと変更していきます。
こうして70年代を代表するCMを観ていくと、なんか、こう、開放感のようなものを感じますね。「フリーダム」、そんな感じか。または、「モーレツ」と言いながらも、それほどでもないって感じ。まぁ、こうして日本はバブルへと突入していくんですね。