1972年
1972年といえば、1月にグアム島で元日本陸軍兵士の横井庄一さんが発見され、2月からは札幌オリンピックが開催された年です。
連合赤軍によるあさま山荘事件(2月)、川端康成がガス自殺(4月)、田中角栄内閣発足(7月)、ミュンヘンオリンピック開催(8月)、オセロゲームが発売されたのが10月で、12月からはアメリカ軍が北爆を再開し、ベトナム戦争はいよいよ泥沼化していきます。

ベトナム戦争
さて、そんな1972年、日本ではどのような曲が流行ったのでしょう?1972年の邦楽年間ベスト10、いってみましょう!
10位 太陽がくれた季節
第10位、青い三角定規の「太陽がくれた季節」。 当時でも50.2万というヒットですが、現在では100万枚近い売り上げと言われています。

太陽がくれた季節
この曲を聴くと、意味もなく海岸を走りたくなる人は多いのではないでしょうか?それもそのはず、「太陽がくれた季節」は青春ドラマ「飛び出せ!青春」の主題歌だったからですね。
9位 小さな恋
飛び出したのは青春だけではない!天地真理、彼女だって飛び出したのです。「ちいさな恋」は彼女にとって2枚目のシングルで、54.7万という大ヒットとなりました。

ちいさな恋
累計では、こちらも100万枚近い売り上げとなっています。
8位 別れの朝
ジャズやラテンロックなどを取り入れた独特のサウンドで人気のペドロ&カプリシャス。「別れの朝」は、彼らのデビュー曲です。それがいきなり55.7万の大ヒットとなりました。

別れの朝
テレサ・テン、由紀さおり、世良公則など多くの歌手にカバーされ続けている名曲ですが、ペドロ&カプリシャスも実はカバーで、オーストリアのウド・ユルゲンスがオリジナルなんです。オーストリア!意外ですよね?
7位 京のにわか雨
小柳ルミ子も天地真理と同様に前年にデビューしていて、「京のにわか雨」は5枚目のシングル。売り上げ枚数56.9万で堂々の第7位です。

京のにわか雨
作詞のなかにし礼、2曲連続のトップテン入り。これもまた見逃せません。
6位 ひとりじゃないの
当時の天地真理ブームのもの凄さを証明するかのように2曲目のランクイン。「ひとりじゃないの」は3枚目のシングルで売り上げ枚数60.1万。累計では110万枚と、彼女にとって最大のヒット曲となっています。

ひとりじゃないの
ジャケット写真がいいです。「白雪姫」のキャッチフレーズに偽りなし!親しみの持てる、嫌味のない笑顔。いいよなぁ。
天地真理は歌がヘタだと散々に言われていましたが、そんなことないですよね。現在の耳で聴いた方が好感度が高いのかもしれませんね。
5位 悪魔がにくい
当時 65.1万も売れた「悪魔がにくい 」と言われてもピンとくる人は少ないのではないでしょうか?平田隆夫とセルスターズ。そう言われても「知らん」と言われそうです。もしかすると、第5位にも関わらず知名度は最下位ではないのかと思わないでもありません。
では、曲を聴いてみましょう。
どうです?聴いてみたら分かりましたか?それとも、やっぱり「知らん」ですか?この曲は彼らのデビュー曲です。一発屋と言うわけでもなく、この後「ハチのムサシは死んだのさ」をまたまた大ヒットさせます。こちらの方がよく知られているのかもしれませんね。
4位 旅の宿
テレビに出ない歌手の歌がこれだけ売れるというのは、さぞ驚異的なことだったでしょう。よしだたくろう の当時66.6万も売れた「旅の宿」です。

旅の宿
よしだたくろう最大のシングル・セールスを記録した曲です。同年発売のアルバム「元気です」に収録されているものとはバージョンが全く違っていて、シングルの方が断然ポップですよ。
3位 さよならをするために
さぁ、それではいよいよベスト3の発表です。第3位、売り上げ枚数66.7万、ビリーバンバンの「さよならをするために 」です。

さよならをするために
名曲ですね。作詞は石坂浩二。そうです。ヘイちゃんこと役者の石坂浩二です。なぜそんなことになったのかといいますと、彼主演のテレビドラマ「3丁目4番地」の主題歌として制作されたからなんですね。
2位 瀬戸の花嫁
小柳ルミ子の4枚目のシングルで69.5万も売れたのが「瀬戸の花嫁 」。堂々の第2位です。天地真理、南沙織らと三人娘と呼ばれた中で、レコード的に最も売れていたんです。

瀬戸の花嫁
う~む、天地真理よりも売れてたんですねぇ。南沙織はベスト10に入ってませんからねぇ。小柳ルミ子、恐るべし!アイドルといっても既に色気一杯ですからね。それにやられちゃったのかな?
大人っぽいですが、確かにカワイイです。しかし、それよりなにより歌が上手いですねぇ。
1位 女のみち
さて1972年邦楽シングル売上の第1位は、宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」です。売り上げ枚数138.3万、累計では400万枚に手が届くとも言われてます。

女のみち
お笑いだったんです。ぴんからトリオは。この曲は当初記念にと言うことで、自分たちで制作し僅か300枚のプレスだったのだとか。それがこの大ヒットになるんですからね。まぁ、とてもお笑い芸人の趣味とは言えない、演歌歌手そのまんま、堂々たる歌いっぷりで大ヒットも頷けます。
実はこの曲、売りに売れ続けた結果、1972年だけではなく1973年の年間売上でも第1位となってるんですよ。現在のところ邦楽史上このようなことは「女のみち」だけだそうです。
ぴんからトリオは、後にこの曲の作曲者でもあった並木ひろし が脱退し、ぴんから兄弟と名前を変えています。
1972年の邦楽ヒット曲、如何でしたか?懐かしい曲、思い出の曲がありましたか?それにしても、ヒット曲っていつ聴いてもやっぱりイイ曲なんですよね。