バブルガム・ポップ
バブルガム・ポップというジャンルをご存知でしょうか?60年代後半にティーンエイジャー向けに作られたポップでキャッチーなメロディーを持ったポップ・ミュージックのジャンルです。
明るいサウンドでアイドルが歌うポップミュージックというのは、世界各国にいつの時代にも存在しますが、馬鹿にしたものではありません。
どこまでもポップでキャッチーなメロディーとハーモニー。バブルガム・ポップは今聴くと一味違って楽しめますよ。
ザ・モンキーズ
バブルガム・ポップにカテゴライズされるバンドで、日本で最も知名度があるのはザ・モンキーズでしょう。ザ・モンキーズといえば、ザ・ビートルズの対抗馬。作られたアイドルという印象が強いバンドですが、それはともかく彼らには優れた曲が多い。

ザ・モンキーズ
ニール・ダイアモンドをはじめとして有能な作家陣が楽曲提供をしていたことで、本当に優れたポップミュージックを量産しています。
デビュー曲の「恋の終列車」からして素晴らしいです。
どうです?改めて聴いてみると良い曲でしょう?アイドルだからって馬鹿に出来ないでしょう?作者はトミー・ボイスとボビー・ハートです。なんとなくザ・ビートルズの「ペイパーバック・ライター」を彷彿させますが、良い曲には違いありません。
因みに、このデビュー曲がいきなりの大ヒットとなり、以降出す曲、出す曲ヒットして押しも押されぬトップアイドルとなるザ・モンキーズ。日本でもよく知らている「デイドリーム・ビリーバー」も全米1位を獲得していますが、じつはこの曲以降人気は急落していくことになります。
ブッダ・レコード
ザ・モンキーズもいいのですが、バブルガム・ポップとくれば避けて通れないのがブッダ・レコードです。今日ではブッダ・レコードこそがバブルガム・ポップの象徴といえそうな存在となっています。

ブッダ・レコード
筋金入りの音楽ファンからは子供向けのポップスとして軽く見られがちなバブルガム・ポップ。確かに幼稚なイメージありますね。しかし、しかしですよ、これが中々侮れないディープな世界が広がっているのです。
ブッダ・レコードの代表といえば、1910フルーツガム・カンパニー、オハイオ・エクスプレス、それにレモン・パイパーズでしょう。
また、同じ系列のカーマ・スートラ・レコードにはラヴィン・スプーンフルもいました。
1910フルーツガム・カンパニー
バブルガム・ポップの代表といえるのが1910フルーツガム・カンパニーでしょう。子供の音楽というには勿体ない。というか、当時の子供が大人になって、今聴いても色あせていない音楽と言うべきか。だいたい今の子供は絶対に聴かないでしょうね。
代表曲は「サイモン・セッズ」。当時は日本でもヒットしています。

サイモン・セッズ
バンドは1965年にジョーイ・レヴィン ラスティ・オッペンハイマー ラリー・リプレーによって結成され、アメリカ・ニュージャージー州を活動拠点としていました。
他にも「インディアン・ギヴァー」「1,2,3,レッド・ライト」などのヒットを放ちました。彼らはスタジオミュージシャンの寄せ集め(失礼)で、その実体はブッダ・レコードのプロデューサー、ジェリー・カセネッツとジェフ・カッツです。
そもそもバブルガム・ポップという言葉は、1910フルーツガム・カンパニーというバンド名に由来するものなんです。
そもそもバブルガム・ポップという言葉は、1910フルーツガム・カンパニーというバンド名に由来するものなんです。
オハイオ・エクスプレス
スタジオミュージシャンを使って録音し、ヒット曲を連発したバブルガム・ポップのアーティストたち。確かにそうしたバンドは多い。しかし、オハイオ・エクスプレスはちょっと違ってます。硬派。そう言ってもいいでしょう。音的にもガレージサウンドっぽいです。

ヤミー・ヤミー・ヤミー
日本でもヒットした「ヤミー・ヤミー・ヤミー」もカッコイイです。カッコイイですが、ボーカル!鼻詰まったかのようなJoey Levineの声、ここは好みが別れるところでしょうね。
鼻は詰ってますが、オハイオ・エクスプレスは実際に演奏ができます。なのでガレージバンドのような感じで普通にツアーもやってたんです。もっと評価されてもいいバンドだと思いますねぇ。
レモン・パイパーズ
バブルガム・ポップの中で一押し、ブッダ・レコードの中では異質な存在であるレモン・パイパーズ。1968年に発売されたファースト・アルバム「GREEN TAMBOURINE」は今やソフトサイケの大名盤との評価を得ています。

グリーン・タンバリン
と、いくらレモン・パイパーズを絶賛したところで、一般的な音楽ファンは知らんでしょうね。しかし、知らんままにしておくには余りにも惜しいバンドであることは間違いありません。
有名なヒットメーカーPAUL LEKAの楽曲が冴えまくってます。哀愁漂いまくってます。何と言ってもポップで分かりやすいです。
サイケ風味が絶妙でしょう?何と言っても聴きやすいというのが高ポイント。因みに「GREEN」はスラングでマリファナ。更にお金やセックスという意味があるそうですよ。
トミー・ロウ
レモン・パイパーズと並んで近年でも評価が高いバブルガム・ポップのアーティストにトミー・ロウがいます。

アイム・ソー・ディジー
トミー・ロウといえば、1962年に全米ナンバーワンとなった「可愛いシェイラ」、1969年に全米、全英共にナンバーワンとなった「ディジー」で知られています。
バディ・ホリーのフォロワーとしてデビューして数々のヒット曲を放っていますが、バブルガム・ポップということであれば、やはり「ディジー」でしょう。
トミー・ロウに限らずバブルガム・ポップというジャンルにカテゴライズされたミュージシャン、楽曲は、お子様向けとして軽く扱われ、忘れ去られようとしていますが、是非一度じっくり聴いてみてください。今聴き返すと新鮮だったりするんですよね。