定番時代劇【大岡越前】 加藤剛、横内正……我々は越前を語ることができるか!?

定番時代劇【大岡越前】 加藤剛、横内正……我々は越前を語ることができるか!?

1月4日に放送される新春のスペシャル時代劇「大岡越前スペシャル ~親子をつなぐ名裁き~」。越前と言えば〝忠臣蔵〟や〝遠山の金さん〟と並ぶ定番モノの時代劇。というわけで今までのドラマに登場した大岡越前、あるいは大岡越前をメインにしたドラマについて調べてみました。最も多く大岡越前を演じたのは……?


定番時代劇 大岡越前

 時代劇の定番題材と言えばいくつかあって、水戸黄門、暴れん坊将軍、八丁堀、遠山の金さん、忠臣蔵そして大岡越前、といった具合であろう。

 ※歴史上の大岡越前(大岡忠相)については別にまとめておいたのでそちらを参考にされたし。


 我々にとって馴染み深いのは〝ドラマとしての大岡越前〟
 ただドラマと言っても色々あるもの。せっかく年明けにはスペシャルドラマが放映されることだし、それぞれの〝大岡越前〟についてご紹介しよう。

「大奥」(1968年)

 大岡越前と言えば「ナショナル劇場 大岡越前」だ! という方もおられるだろう。なんといっても30年近く続いた大シリーズだ。

 だがその前のドラマに登場する大岡越前となると……というわけで出てくるのがこちら。1968年につくられた関西テレビと東映による「大奥」である。

東映チャンネル TVドラマ『大奥(1968)』放送スタートのお知らせ | 東映[東映チャンネル]

 こちら、もともとは「大奥㊙物語」として製作されたふわ~おな作品である。
 R-18成人指定作品ということだが、佐久間良子、富司純子(藤純子)、岸田今日子など後の勲章対象者が揃い踏みしている。なんという豪華さか。

 そして、こちらの成人指定作品から成人指定要素を抜きオカタイ時代劇としてヒットしたのが「大奥」である。
 まだ女性を中心とした作品が少ない時代である。そもそも男女共同参画社会基本法が成立する30年前、男女雇用機会均等法が成立する15年以上前の作品だ。

 任侠映画と並んで〝男の世界〟を描きがちな時代劇の世界。
 当然、セットや衣装なんかも男性の物が多くなるわけで、逆の立場になって見れば女性用の物が少ない。
 そしてつくられる女性中心の時代劇。それも〝大奥モノ〟 察しの良い方はお気づきになられたであろう――衣装が無いのである。


 というわけで㊙は最終的に衣装費だけでウン千万という額になったとか。
 それだけかかったということは後に「大奥」も作っておきたくなる気持ちもわかるようなわからないような……。

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佐久間良子, 藤純子, 岸田今日子, 小川知子, 山田五十鈴, 中島貞夫 オカタイのは見つからないが㊙はあっさり見つかる。

 ところでマルヒのことは置いておくにしても「大奥」は初代徳川家康から15代徳川慶喜までキッチリ登場させている作品。
 もちろん徳川吉宗の出番があり、大岡越前の出番もあるのだが、そういう事情なのでメインキャストというほどでもない。

 とはいえ「大奥」より前のドラマや映画で〝大岡越前と言えば!〟という話を聞いたことがないので、テレビにおける大岡越前の活躍についてよりご存知の方がいたらご教授願いたい。

 ちなみに越前を演じていたのは安井昌二氏。1956年に「ビルマの竪琴」で主役・水島上等兵を演じたその人である。

ビルマの竪琴

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ナショナル劇場「大岡越前」(1970年)

 というわけで〝時代劇ドラマ大岡越前〟の代名詞「ナショナル劇場 大岡越前」である。

《ナショナル劇場》は1956年から開始された現パナソニックが提供する番組群のこと。
 時間帯は毎週月曜日の20時から21時(厳密には20時54分らしい)まで。
 時間が微妙に違っていたり、名前も「ナショナル ゴールデン・アワー」「ナショナルTVホール」「ナショナルカラー劇場」「ナショナルファミリー劇場」と変化しているが、基本的には〝月曜の夜のTBSでドラマや時代劇をやる枠〟である。

大岡越前 第1部

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おなじみのシーン

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 主演は加藤剛。2001年紫綬褒章、2008年旭日小綬章の対象になるなど素晴らしい功績を残した方だが今年の半ばに惜しまれつつも亡くなった。


 重要な脇役としては、まず「人生劇場」「姿三四郎」でおなじみの竹脇無我がいる。

 千春役の土田早苗さんは「トラック野郎・望郷一番星」にも出ていた人で、「大江戸捜査網」の〝稲妻お竜〟をやっていたりもした。

《水戸黄門》の助さん、格さん、黄門様を経験している現在唯一の役者、里見浩太朗も〝政吉〟役でレギュラー。当時は〝里見浩太郎〟という名義だった。郎の字が異なっている。

 水戸黄門繋がりで言うと〝すっとびの辰三〟役の高橋元太郎。彼は助さんや格さんとは異なり、約30年も〝うっかり八兵衛〟を演じ続けた。

 吉宗役の山口崇さんも「大岡越前」で30年間吉宗役をやった。
 レギュラーではあるが主役ではないので〝「天下御免」の平賀源内〟と言ったほうがピンとくる人がいるかもしれない。

 加藤治子さんもいる。〝大岡妙〟役。これは忠相(越前)の実母役ということ。
 そこまで出番が多かったわけではないが、加藤さんは「ハウルの動く城」の〝サリマン先生〟や「魔女の宅急便」の〝老婦人〟など声優としても活躍しているので若い人もけっこう知っている。
 〝老婦人〟というのは、ニシンのパイを焼いてキキに配達を依頼するおばさまのこと。ジブリアニメにありがちな〝ストーリーにはあまり関与しないが印象的なサブキャラクター〟だ。

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加藤治子は「寺内貫太郎一家」で寺内里子役もやっている

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 上にあげたのは第1部から登場しているキャスト、言うなれば初期メンバーというものである。
「大岡越前」は第15部(!)とスペシャルが存在しているのでキャスト、キャラクターもしばしば動いている。

 例えば第4部の〝相良俊輔〟役は三浦友和。山口百恵の配偶者であったり忌野清志郎の友人であったりするが本人はしっかりした俳優。

 第6部には〝新三郎〟として西郷輝彦さんが登場。
 西郷輝彦と言えば橋幸夫、舟木一夫とあわせて《御三家》と呼ばれていた。その後に郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎からなる《新御三家》が誕生(?)している。

 ところで西郷輝彦は1947年生まれ。近い時期に活躍していた〝あおい輝彦〟は1948年生まれでひとつ違いということになる。あおい輝彦さんは元祖〝ジャニーズ〟のメンバー。

西郷輝彦

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 8部には同心として〝蕪木兵助〟が登場するが、これを演じているのは森田健作氏。
 2009年、2013年、2017年の千葉県知事選挙で当選しているので間もなく知事歴が10年となる。

 11部には〝千夏〟役で川島なお美が登場。
 実は広島国際学院大学で客員教授をしていたことがある。

 12部には《小料理屋たぬき》の板前〝丁の目の半次〟として左とん平が登場。
 《小料理屋たぬき》では彼が登場する前に板前兼忠相配下の〝三次〟(松山英太郎)を亡くしており、その二代目といった感じの役柄である。登場してから一度江戸を追放されてるはずなのだが、どうやって戻ってきたのかが思い出せない……。
 左とん平は「ヘイ・ユー!」や「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」で知られる俳優。今年の2月に80歳で亡くなった。

 小松政夫が演じる〝赤垣伝兵衛〟はユニークな存在で、「江戸を斬る」「翔んでる!平賀源内」でも同じキャスト、同じキャラクターとして登場する(「江戸を斬る」では色川伝兵衛、「翔んでる!平賀源内」では赤垣平助となっているので名前は違う)。スターシステムと言えばそうか。
 小松政夫は師匠格の植木等との逸話に気持ちの良いものが多い。

 西岡徳馬の〝片平弥平次〟はいい人物なのだが、それだけに出番がちょっと少なかった印象がある。
 西岡徳馬の活躍は時代劇はもちろん大河ドラマ、現代ドラマと幅広い。個人的には「暴れん坊将軍」で尾張大納言をやっていたことが印象深いが、有名どころかと言われるとこれも微妙である。

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

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