ピンクのカーテン(ジョージ秋山)
テーマは近親相姦。と、簡単に言ったものの、このテーマは重い。いやいや重すぎる。これを、まぁ、あっけらかんと描いたのが1980年から「週刊漫画ゴラク」に掲載された「ピンクのカーテン」です。作者は少年誌においても問題作を連発していたジョージ秋山。センセーションを巻き起こしました。

ピンクのカーテン
近親相姦と一口に言ってもいろいろとあるわけですが、「ピンクのカーテン」は兄と妹のそれです。
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徐々に妹を女として見ていく兄。結局はその思いに応える妹。禁断の愛です。背徳です。くわぁ~!
こんな漫画が許されるとでも思っているのか?!という驚きとも怒りともつかない声を無視して、この作品は大ヒットしました。
どれほどヒットしたかといいますと、この漫画を原作として映画、ビデオ、アダルトビデオ、アニメが作られ、それぞれにヒットているのです。
本家である漫画も「ピンクのカーテン2」として続編がつくられています。

ピンクのカーテン part 2
「ピンクのカーテン2」もまたテーマはやはり近親相姦です。近親相姦と一口に言ってもいろいろとあるわけですが、「ピンクのカーテン2」のそれは父娘。禁断の愛です。背徳です。くどいようですが、くわぁ~!です。
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漫画のヒットを受けて「ピンクのカーテン」は映画化され、1982年7月23日に公開されました。
ピンクのカーテン(美保純)
「ピンクのカーテン」が一般的に知られるようになったのは、もしかすると漫画よりも映画によってであったかもしれません。その理由は、主演を務めた美保純です。

美保純
いや、カワイイ。日活ロマンポルノというと偏見をもって見られることもあった80年代前半、まさにアイドル登場!美保純は「ピンクのカーテン」でブルーリボン賞・新人賞、ゴールデン・アロー賞・グラフ賞、日本アカデミー賞・新人俳優賞を獲得しました。
ピンクのカーテン
監督:上垣保朗
脚本:高田純
製作:三浦朗
製作総指揮:進藤貴美男
出演者:美保純、萩尾なおみ、麻生うさぎ
音楽:原マスミ
撮影:野田悌男
編集:井上治
製作会社:日活
配給:日活
公開:1982年7月23日
上映時間:70分

ピンクのカーテン (双葉文庫)
美保純の相手役となる羨ましい野郎は阿部雅彦。ちくしょう、羨ましすぎるぞ。当時はそんな声が全国の映画館から漏れていました。(ウソ)
日活ロマンポルノとしては異例の大ヒットを記録した「ピンクのカーテン」は、同年に続編が制作され10月29日に「ピンクのカーテン2」として公開されます。

ピンクのカーテン2
美保純の人気はうなぎ上りとなり、一般映画にテレビにと露出が増えていきます。日活にとって「ピンクのカーテン」はドル箱ですが、美保純にとってもターニングポイントとなる重要な作品ですね。皮肉なことに「ピンクのカーテン」シリーズのヒットによって美保純は日活を離れていくことになるのですけれども。
シリーズは1983年3月25日に公開された「ピンクのカーテン3」で最後となります。

ピンクのカーテン3
ピンクのカーテン(オリジナルビデオ)
安原麗子、覚えていますか?少女隊のレイコといったほうが分かるのかもしれませんね。

少女隊
その少女隊のレイコこと安原麗子を主役とした「ピンクのカーテン」がオリジナルビデオ「新・ピンクのカーテン」として1991年12月13日発売されました。実に10年ぶりです。

新・ピンクのカーテン
自分、トモのファンでした。などというのはナシです。安原麗子、美しいではないですか?!1992年7月24日には「新・ピンクのカーテン2」も発売されています。10年経っても近親相姦というのは魅力のある、またニーズもあるテーマと言うことなのですね。
ピンクのカーテン(アダルトビデオ)
いやぁ、10年どころではありませんね、「新・ピンクのカーテン2」から実に17年。今度はアダルトビデオとして「ピンクのカーテン」は作られたのでした。
監督は溜池ゴロー。そうです。美熟女という言葉を打ち出してブームを巻き起こしたあの監督です。主役は熟女ではなく蒼井そらです。

蒼井そら
アダルトビデオなだけに、溜池ゴローなだけに、蒼井そらなだけに期待せずにはいられない。また、その期待を裏切らない作品に仕上がっています。
アダルトビデオといえば、このアダルト版「ピンクのカーテン」の前に、実はアニメ化されているんですね。異色作です。何が異色作かと言えば主役の声をアダルトビデオの女王、小林ひとみがやっているんです。しかも、主題歌まで歌ってます。
なにも小林ひとみが声優をやらなくてもいいのではないかと思ってしまいますね。生でやってほしかった。残念というのか、勿体ないというのか。そう言えば、このテーマ曲の作詞は作家の伊集院静です。
今のところこれ以降は制作されていないようですが、いつの日にかきっとまた「ピンクのカーテン」は制作されるに違いありません。永遠の禁断のテーマですからね。近親相姦というのは。