台風の気圧の単位ってヘクトパスカルじゃなくて「ミリバール」でしたよね。
夏から秋にかけて日本列島をたびたび襲う台風。日本人としては勘弁してくれと思うことも多いかと思います。そんな台風のニュースを見るたびに「hPa(ヘクトパスカル)」という気圧の単位を耳にすることが多いかと思いますが、昔は「mbar(ミリバール)」と呼ばれていたのを覚えていますでしょうか?
こちらが2018年10月の天気図。
こちらは最近の天気図ですが、台風25号のところに「915hPa」と書かれています。

こちらが1961年9月の天気図。
一方、こちらは1961年9月の第2室戸台風日本上陸時の天気図です。NANCYと名付けられた台風の横に「925mb」と記載がありますね。これが「ミリバール」です。
ヘクトパスカルとミリバールの違いって!?

国際単位系(SI)であるか否か
「mbar(ミリバール)」も「hPa(ヘクトパスカル)」も気圧の単位であり、台風の気圧を表現するときに用いることが出来るのですが、ミリバールは1954年の国際度量衡総会で決定された「国際単位系(SI)」ではありません。一方、ヘクトパスカルは国際単位系です。簡単に言うと、ミリバールは「km」「kg」といった国際的に通用する単位ではなく、「マイル」「フィート」「匁」といった特定の国の独自の単位だということです。

1992年に「ヘクトパスカル」に切り替わる!!
ミリバールからヘクトパスカルへの変更ですが「いつの間にか切り替わっていた」と感じる人が多いと思います。正確には、1992年12月1日に切り替わり、以降台風の気圧は「〇〇hPa」と表現されるようになりました。

「ミリバール」より前に違う単位が使われていた!
1992年を境に聴くことの少なくなったミリバールですが、ミリバール自体も途中から置き換わったものです。1945年12月15日までは、台風の気圧を表すのに「mmHg(ミリ水銀柱)」を使用していました。この単位は高校等の化学で勉強した記憶のある方も多いと思います。つまり、台風の気圧の単位は「mmhg→mbar→hPa」と変遷しているということですね。

変更から25年以上が経過し、すっかり世間に浸透した「ヘクトパスカル」。日本人であればこの単語を聞くことは避けられませんので、今後も台風には十分に備えましょう!
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