「トップをねらえ!」復活
スタジオガイナ、新作アニメプロジェクト4つを発表!
2014年にガイナックスから誕生したスタジオガイナが、「トップをねらえ3」「蒼きウル」をはじめとした新作アニメ4本の製作を発表しました。
「あくびをするにはワケがある」の製作は2013年にも発表されている。当時の情報だと舞台は2093年の世界で、少女の成長を描いたフリーダイビングの物語という設定だった。
「レスキューアカデミア」も2016年に行われたシンポジウムで名前が挙がったことがある。
その時は主人公とロボットがレスキューを通して友情などを育む作品――という雰囲気の説明だった。
今回は、
とのこと。時間もだいぶ経過しているし、製作会社が変更されるということだ、設定と内容がまったく別になっていてもおかしくはない。
――以上ふたつの企画は《ガイナックス》から始まっているが、今回それらをスタジオ《ガイナ》にバトンタッチしたかたちになるのだろう。
やはり注目は「トップをねらえ3」か
このニュースのポイントはやはり「トップをねらえ3」の存在だろう。
初代「トップをねらえ!」は1988年製作のOVA。
キャッチコピーは、
炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!

トップをねらえ!
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ハイテンションなキャッチコピーに違わないパロディ作品の傑作。庵野秀明初監督作品であるがその個性と力量は十分に発揮されているだろう。
「王立宇宙軍~オネアミスの翼」で得た借金を返すためにつくられた作品なので明るくキャッチーで商業的……というのは〝つかみ〟の部分だけで、あとには本格派のシリアスストーリーが続いていく。
その完成度と人気は高く、1990年には星雲賞メディア部門を受賞。
サントラの発売やノベライズなどはもちろんのこと、ゲーム化、ゲームブック化も果たしており、2010年代に入ってから《ヤングエース》で連載、DVDもBlue-rayも当然のように出ている。
「トップをねらえ2!」
ガイナックス20周年記念作品。2004年から展開されたOVAで全6話。
公式からちゃんと出ている続編作品だがスタッフ陣は顔ぶれがかなり変わっている。
初代から20年近く経過していることもあり、アニメとしての雰囲気も結構変わっている。「テッカマンブレード」と「テッカマンブレードⅡ」を思い出すのはわたしだけだろうか。
福井裕佳梨、坂本真綾、沢城みゆき――と声優が豪華。
双方の本編を履修した後、「トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版!!」の鑑賞にうつりたい。

「トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版!!」
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「蒼きウル」も話題に
「蒼きウル」のもととなっているのは「王立宇宙軍 オネアミスの翼」という作品。
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は1987年に公開された劇場用作品だが、1984年にはパイロットフィルムがつくられていた。ガイナックスの最初の作品であると言えよう。

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」
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この作品もスタッフが豪華で、庵野秀明、赤井孝美、増尾昭一、山賀博之、貞本義行といったガイナックス系のクリエイターはもちろん、森本レオ、大塚周夫、納谷悟朗、果てはアナウンサー役に徳光和夫を連れてくるなど声優が豪華である。コメディアン役にアントン・ウィッキーとオスマン・サンコンがいたりもする。
音楽監督は坂本龍一。彼を起用するためにウン千万がかかったとか。
先に〝「王立宇宙軍~オネアミスの翼」で得た借金を返すため〟と紹介したが、だからと言って不出来だったわけではなく、むしろ若手クリエイターたちが思いっきり輝いた作品だった。
特に作画に関しては当時トップクラス。この時代の作品で異世界ファンタジーを描ききったのは「風の谷のナウシカ」と本作くらいだろう――というのは押井守監督の談である。
そんな「王立宇宙軍 オネアミスの翼展」の開催が間近に迫っている
ということを追記しておこう。
「王立宇宙軍 オネアミスの翼展」の開催は2018年9月14日から11月11日。場所は八王子市夢美術館。
資料の展示の他、「王立宇宙軍 オネアミスの翼」本編の上映、山賀博之監督のギャラリートーク、対談講演会などが企画されている。
詳細は公式ホームページにて。
展覧会 | 八王子市夢美術館